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予感

作者: ブルータスの屁

詩・短編を書いてみました。

気に入っていただけるか分かりませんが

一生懸命に書いてみました(^_^)

1000文字ぐらいで書いてあります。

物語の断片や本の1ページのようなモノだと思いながら

暇なときにでも読んで

楽しんで頂けると幸いです(^_^)

幼馴染みがアメリカへ留学する。

それを知ったときは嬉しい気持ちと

引き留めたい気持ちがマーブル模様のように

混ざり合うことないままの日々を過ごすなんて思わなかった。


本当に毎日がもどかしくて

お馴染みと様々な話をしても

頭の片隅にモヤモヤが残り続けて

彼女との会話を邪魔をしてくる。


このモヤモヤは何なのか……。


まさか…恋?


などと様々なことを考えたけど。

結局

自惚れているようで恥ずかしくなり考えるのを止めた。


しかし

そうしてるうちに時間が過ぎ…。

このモヤモヤを抱えたまま彼女の旅立つ日がきてしまった。


その日は

抱えたモヤモヤを表したかのような雨。


空港には

僕と幼馴染みの他に僕達の両親も来ていた。

両親は他愛のない会話をして彼女の別れを惜む。

僕は自分の親から「何か言いなさい」と催促されて絞り出した言葉を彼女に伝えた。


……元気に帰ってこいよ。


彼女は無言で僕の言葉に頷いて搭乗口ゲートを通った。


彼女が少しずつ見えなくなっていく。


僕は何故か

彼女が搭乗口に通じる通路まで走った。

そこは長い通路で

僕と彼女のいる場所を厚いガラスで分けるような構造になっている。


僕は向こう側を歩く彼女に駆け寄った

彼女は僕を見つけると

目が合わせ

僕の方向に切なそうな表情をしながら身体を向けてガラスに片手を付けた。

僕も彼女の手に自分の手を重ねる。

しかし

厚いガラスが彼女から伝わるはずの温もりを遮断してしまう。

それが凄くもどかしかった。

だから僕達は言葉を交わさず

とにかく無言で見つめあった。

離陸時間ギリギリまで……。


その後

発着のアナウンスを聞いた彼女は僕の重ねた手を離してアメリカへ飛び立った……。


僕はロビーに移動して

そこから見える彼女の乗った飛行機を眺めた。

少しずつ小さくなる飛行機。

他の人が減っていく中で

僕はそれが見えなくなった後もその場から動かなかった。

動きたくなかったのだ

目を離したらいなくなってしまいそうで……。


数十時間後

日付が変わり日本は夜を迎えている。


そろそろ

彼女の乗せた飛行機がアメリカへ到着する頃だろう。


そう思いながら

テレビを見て食事をしていると突然

緊急ニュースが流れた。

アナウンサーが緊迫した表情で状況をニュースを伝えている。

切り替わった映像には

飛行機がワールドトレードセンターに突っ込んでいた。

次々とビルから爆発による大火が上がり

穴だらけになった中層階が上層階の重さに耐えられず

上層階がビルを潰すように崩れていく。


これは…現実なのか……?


その映像は

まるで映画を流しているのかと勘違いしそうになるくらい衝撃的で

それが現実の映像だと理解した後も

僕はその映像に釘付けになって見ていた。

翌日のテレビや新聞はこの話で持ちきり

テロと断定されてからは他の話題の入る余地がないほど報道が過熱した。


こんなことが現実に起きるなんてね…。


そう思った時

飛行機に違和感を感じた。


ん?

あれ、まさか……。

いや…そんなわけ……。



それからして

彼女があの飛行機に乗っていたと知ったのは数日後のことである……

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