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✅　オンボロ宿屋　４　／　模様替えしたいよね

　オレみたいに〈皇（コウ）〉になる事（こと）を嫌（いや）がって拒（こば）んで避（さ）けてる奴（やつ）も中（なか）には居（い）るのかな？？

　………………考（かんが）えるの止（や）めよ…。

　今（いま）、すべき事（こと）は此（こ）の宿泊室（へや）を住（す）み易（や）くや綺（キ）麗（レイ）にする事（こと）だ！！

マオ

「なぁ、セロ…。

　〈時（じ）空（くう）の亀（き）裂（れつ）〉からは何（なに）が出（で）て来（き）たんだ？？

　出（しゅつ）現（げん）したって事（こと）はさ、何（なに）かが現（あらわ）れたって事（こと）だろ？」

セロフィート

「おや…。

　此（こ）処（こ）迄（まで）判（はん）明（めい）したのに『何（なに）が現（あらわ）れたのか』分（わ）かりません？」

マオ

「いや、分（わ）からないだろ！

　オレは探（たん）偵（てい）じゃないんだぞ！」

セロフィート

「其（そ）処（こ）は探（たん）偵（てい）ではなくても察（さっ）してほしい所（ところ）です」

マオ

「無（む）茶（ちゃ）言（い）うな〜〜〜！

　 ──で、何（なに）が出（で）て来（き）たの？」

セロフィート

「巷（ちまた）を騒（さわ）がせている “ 魔（ま）剣（けん） ” に決（き）まってます」

　ネタバレすんの早（はや）いよっ！！

　何（なに）あっさり言（い）ってくれちゃってんの、セロさん！！

　犯（はん）人（にん）が誰（だれ）なのかラストシーンを読（よ）んでから、最（さい）初（しょ）から物（もの）(スト)語（がたり）(ーリー)を読（よ）む読（どく）者（しゃ）かよ！！

　絵（え）本（ほん）も最（さい）後（ご）迄（まで）読（よ）みきれないオレが言（い）ってもアレだけどさ……。

マオ

「魔（ま）剣（けん）って……。

　生（せい）物（ぶつ）だけじゃないのよか？」

セロフィート

「正（せい）確（かく）には、 “ 魔（ま）剣（けん）を持（も）った誰（だれ）か ” です。

　依（い）頼（らい）書（しょ）に書（か）かれている剣（けん）騎（き）士（し）がそうなのかも知（し）れませんし、魔（ま）剣（けん）が持（も）ち主（ぬし）を代（か）えているかも知（し）れません」

マオ

「魔（ま）剣（けん）が持（も）ち主（ぬし）を代（か）える？？

　そんな事（こと）が出（で）来（き）るのか？？」

セロフィート

「魔（ま）剣（けん）が唯（ただ）の道（どう）具（ぐ）でなく、意（い）思（し）を持（も）っていた場（ば）合（あい）です。

　実（じっ）際（さい）に魔（ま）剣（けん）を見（み）てみなければ何（なん）とも… 」

マオ

「そうなんだ……。

　床（ゆか）に落（お）ちてた魔（ま）剣（けん）を誰（だれ）かが拾（ひろ）って其（そ）のまま──って事（こと）もあるのかな？」

セロフィート

「可（か）能（のう）性（せい）はあります。

　 “ 魔（ま）剣（けん）討（とう）伐（ばつ） ” 楽（たの）しみですね、マオ♪ 」

マオ

「 …………そ、だな…。

　オレ達（たち）は、あく迄（まで）受（う）けた依（い）頼（らい）を解（かい）決（けつ）させる為（ため）に “ 魔（ま）剣（けん）討（とう）伐（ばつ） ” に参（さん）加（か）するんだからな！

　面（おも）白（しろ）くても魔（ま）剣（けん）で遊（あそ）んだら駄（ダ）目（メ）だからな！

　魔（ま）剣（けん）を玩（がん）具（ぐ）(おもちゃ)にするの禁（きん）止（し）だからなっ！！」

セロフィート

「いやですね、マオ。

　そんな子（こ）供（ども）(チャイルド)染（じ）みた事（こと）、ワタシはしません」

マオ

「 …………本（ほん）当（と）かぁ？？」

セロフィート

「マオだけのセロフィートを信（しん）じてください」

　キリッとさせた顔（かお）をして、素（ス）敵（テキ）ングな声（こえ）で言（い）ってくるセロの言（こと）葉（ば）を信（しん）じてしまいそうになる。

　でも、オレだって学（がく）習（しゅう）能（のう）力（りょく）はあるんだ。

　セロがキリッとした表（ひょう）情（じょう）をした時（とき）は要（よう）注（ちゅう）意（い）すべきだ。

　オレが確（しっか）りしないと！！

マオ

「謎（なぞ）が解（と）けたならさ、此（こ）の惨（さん）状（じょう）をどうにかしようよ。

　流（さす）石（が）に此（こ）の状（じょう）態（たい）で過（す）ごすのは嫌（や）だよ」

セロフィート

「そうです？

　中（なか）々(なか)良（よ）い雰（ふん）囲（い）気（き）を醸（かも）し出（だ）してると思（おも）いますけど」

マオ

「何（なに）言（い）ってんだ！！

　得（え）体（たい）の知（し）れない血（ち）塗（まみ）れの部（へ）屋（や）に泊（と）まれるかよ！！

　オレには無（ム）理（リ）！！

　心（こころ）が病（や）んじゃうよ！」

セロフィート

「はぁ？

　君（きみ）、そんなに繊（せん）細（さい）でした？」

マオ

「はぁぁぁぁぁん？！

　オレは根（ね）っからの繊（せん）細（さい）っ子（こ）だよっ！！」

セロフィート

「見（み）えませんけど？」

マオ

「見（み）えなくてもそ(繊（せん）)う(細（さい）)なの！！」

セロフィート

「はいはい。

　そういう事（こと）にしときましょう」

マオ

「 …………笑（わら）うなよ（////）」

　セロめぇっ！！

　両（りょう）眉（まゆ）を下（さ）げて困（こま）った様（よう）な表（ひょう）情（じょう）をしながら、セロはオレを見（み）て笑（わら）っている。

　セロめぇ！

　けしからん！！

　実（じつ）にけしからん！！

　後（あと）で膝（ひざ）枕（まくら）の刑（けい）なんだからな！！

　腕（うで）枕（まくら）もさせちゃうんだからな！！

　オレが何（なに）かしら文（もん）句（く）を言（い）うと、セロは何（い）時（つ）も困（こま）った顔（かお）をする。

　本（ほん）当（と）に困（こま）ってる訳（わけ）じゃなくて、面（おも）白（しろ）くて困（こま）ってる──って感（かん）じの困（こま）り顔（がお）だ。

　面（おも）白（しろ）くて困（こま）る──ってどういう意（い）味（み）ですか！！

　セロは大（たい）概（がい）オレの頼（たの）み(我（わ）が儘（まま）)を聞（き）き入（い）れて叶（かな）えてくれる。

　今（いま）だって古（こ）代（だい）(エンシェント)魔（ま）法（ほう）(マジック)を発（はつ）動（どう）させて、室（しつ）内（ない）を綺（キ）麗（レイ）にしてくれた。

　日（ひ）々(び)の生（せい）活（かつ）に密（み）着（ちゃく）した便（べん）利（り）な古（こ）代（だい）(エンシェント)魔（ま）法（ほう）(マジック)……。

　高（こう）度（ど）且（か）つ複（ふく）雑（ざつ）過（す）ぎる古（こ）代（だい）(エンシェント)魔（ま）法（ほう）(マジック) は人（にん）間（げん）には扱（あつか）えないらしい。

　人（にん）間（げん）が扱（あつか）える超（ちょう）(トラン)越（えつ）(センド)魔（ま）法（ほう）(マジック)の威（い）力（りょく）は山（やま）火（か）事（じ）レベルらしいけど、古（こ）代（だい）(エンシェント)魔（ま）法（ほう）(マジック)の前（まえ）ではマッチの火（ひ）レベルらしい。

　どんだけ凄（すご）いんだよ、古（こ）代（だい）(エンシェント)魔（ま）法（ほう）(マジック)！！

　やっぱりさ、使（つか）う人（ひと）次（し）第（だい）なんだろうな……。

　使（つか）い方（かた）さえ間（まち）違（が）えたり、悪（あく）用（よう）さえしなければ、生（せい）活（かつ）に役（やく）立（だ）てる事（こと）が出（で）来（き）るのにな…。

　何（なん）で平（へい）和（わ）的（てき）利（り）用（よう）が出（で）来（き）ないんだろう？？

　セロだってちゃんと平（へい）和（わ）的（てき）利（り）用（よう）──………………いや、セロはしてないか。

　ちょこちょこ悪（いた）戯（ずら）(遊（あそ）び)に使（つか）ってるみたいだし……。

　でも、何（い）時（つ）かの≪ 街（まち）(ベリチェスト) ≫を氷（こおり）漬（づ）けにした様（よう）な事（こと）はしてないよ！

　あれには本（ほん）当（と）に驚（おどろ）いた。

　≪ 街（まち）(ベリチェスト) ≫の氷（こおり）は未（ま）だ解（かい）凍（とう）してない。

　完（かん）全（ぜん）に解（かい）凍（とう）するのは後（あと）１００年（ねん）と数（すう）年（ねん）は掛（か）かるらしい。

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