✅ 廃村 1 / 再会 2
──*──*──*── 廃村
墓地を出たロードさんとオレは歩き続ける。
ロードさんに昨日の不満を吐き出したって仕方無いのは分かってるけど、言わずにはいられない。
オレの不満話を聞いてくれている肝心のロードさんは声を殺してクツクツと笑っていた。
オレ、面白い話しなんて一切してないんですけど?!
魔物のロードさんには笑える要素でもあるのかな……。
マオ
「 ──笑い事じゃないんだけど… 」
ポスティルグロード
「 あぁ……そうだよな。
笑ったら失礼だよな?
いや、でも…可笑しくてな……ハハッ(////)」
オレの不満話の何処にロードさんの笑えるツボがあるのか全然分からないんですけど……。
マオ
「 ──兎に角、大変だったんだよ!
魔法を駆使して何とか首を斬り落とせたのは良かったけど、数が多過ぎて──。
何とか巨大な穴を作って落とせた所迄は良かったんだけど……。
今度は共食いだよ!
ロードさん、ゾンビって共食いするもんなの?
気持ち悪くてさ、とてもじゃないけど見てられなかったんだけど…… 」
ポスティルグロード
「 そうだな……、俺の居た≪ 魔界 ≫に生息していたゾンビは共食いなんてしてなかったな。
元々屍体な訳だしな。
あぁ…でも、≪ 魔界 ≫に迷い込んで来た勇者の一行を襲ってはいたかな。
領域に勝手に無断で侵入されたら、追い出す為に攻撃はするさ。
当然、正当性はゾンビ側にある訳だが、勇者の類は自分達以外を “ 完全なる悪 ” と決め付けてる頭でっかちな連中ばかりだからな。
仮に魔族と言葉が通じても戦いを避けられる可能性は低かったんじゃないか?
勇者の中に頭の柔軟な奴でも居れば状況は変わっていたかも知れないけどな 」
マオ
「 へぇ……。
ロードさんの居た≪ 魔界 ≫に勇者が来たりするんだ? 」
ポスティルグロード
「 極稀にさ。
そうしょっちゅう来られても迷惑だしな 」
マオ
「 勇者達はどうやって≪ 魔界 ≫に来たの? 」
ポスティルグロード
「 時空ゲートを通って来るんだ 」
マオ
「 時空ゲート??
何なの其?? 」
ポスティルグロード
「 時空ゲートって言うのは≪ 別次元世界 ≫へ行く為の手段の1つさ。
≪ 魔界 ≫には必ず1人は、 “ 時渡りの番人 ” っていうのが居て、時空ゲートを使えるのは時渡りの番人だけなんだ。
此は何処の≪ 魔界 ≫でも例外なく同じだよ。
後は “ 時空の管理人 ” を召喚して時空ゲートを使わせてもらう方法もあるが、時空の管理人を召喚するには、相応の犠牲が要る。
時空ゲートを使わせてもらうにも時空の管理人に対価を支払わなければならないんだ。
魔族も天使も時空の管理人にだけは頼らない様にしてるよ。
どんな形で対価を支払わされるかは時空の管理人次第だからな。
支払う側には一切が不明な所も問題だな 」
マオ
「 そうなんだ…。
時空の管理人っておっかないんだな… 」
ポスティルグロード
「 ≪ 人間界 ≫には時渡りの番人が居ないから、時空の管理人を召喚する手段しかないだろうな 」
マオ
「 ………………≪ 人間界 ≫って、地球の? 」
ポスティルグロード
「 いや…。
風の噂では確か──『 ≪ テナ W-Ⅲ ≫から来た 』とか。
耳も尖ってたからな 」
マオ
「 ロードさん、勇者達を見たの? 」
ポスティルグロード
「 いや。
俺は生きてる勇者は見てないよ。
俺が見たのは勇者の剥製さ 」
マオ
「 剥製?? 」
ポスティルグロード
「 あぁ。
俺の居た≪ 魔界 ≫には、 “ 勇者コレクター ” って言う勇者を捕獲する変わった趣味の魔族が居てね。
そいつが勇者を剥製にしてコレクションしてるのさ。
──で、俺はそいつの剥製展覧会に顔を出しただけさ。
体内にある脳ミソや臓器迄展示してる≪ 魔界 ≫ではチョイと有名なイカれたコレクターさ 」
マオ
「 ………………そ、そうなんだ……。
生きて故郷に帰れた勇者は居なかったの? 」
ポスティルグロード
「 俺の居た≪ 魔界 ≫に来た勇者が無事に帰還した話は聞かないな。
十中八九、捕獲されるからな 」
マオ
「 そうなんだ… 」
ポスティルグロード
「 選んだ≪ 魔界 ≫が悪かったのさ。
統治者のLV
ザ




