✅ 廃村 8 / 再会 1
もうすっかり日も暮れて、≪ 廃村 ≫は真っ暗闇に包まれてしまった。
オレは光魔法の中にある明かりの魔法を使っていた。
闇夜を照らしてくれる “ ポォタロ ” は、オレの半径2mを明るくしてくれている。
今のオレって、1人で肝試しをしてるヤバい奴みたいなんですけど……。
嫌だなぁ…、早くセロに会いたいんですけど!!
マオ
「 セぇ〜〜〜〜ロぉ〜〜〜〜〜〜〜〜!! 」
?
「 何です? 」
オレがセロの名前を呼び終えると、初めて言葉が返って来た。
オレが1番聞きたかった人の──じゃなくて、人形の声だ。
オレが振り向こうとしたら、頭上に痛みが走った。
何の痛みかと思って、オレは頭を撫でながら後ろを振り向いた。
どうやらオレは、セロが使っている杖で頭を小突かれたらしい。
小突いた相手は勿論、オレが会いたくて堪らなかったセロだ。
何で叩く必要があるんだよ??
寧ろ叩きたいのはオレの方なんですけど!!
マオ
「 セロ!!
何処に行ってたんだよ!!
探したのに全然見当たらないし!!
何度も名前、呼んだんだぞ!! 」
セロフィート
「 魔剣と剣騎士を相手しているのに返せる訳ないでしょう。
無茶な事、言わないでください 」
マオ
「 其にしたって時間が掛かり過ぎてないか??
セロなら朝飯前だろ!! 」
セロフィート
「 マオ、君はワタシを過大評価し過ぎです 」
マオ
「 してねぇよ!!
も゛う゛〜〜〜〜!!
オレは1人で心底心細かったんだぞ!!
会えて良かった!! 」
セロに会えた嬉しさが胸に込み上げて来た!
オレはセロの腰に思いっきり抱き付いてやった!
もう、離さないんだからな!!
セロフィート
「 マオの甘えん坊さん。
子供みたいです 」
マオ
「 いいの!!
1人で頑張ったオレへの御褒美だと思えよ! 」
セロフィート
「 ワタシも1人で頑張りましたけど… 」
マオ
「 オレの方が頑張ったの!
1人でゾンビとゾンビ(?)を相手にしたんだからな! 」
セロフィート
「 はて?
『 ゾンビ(?) 』とは何です? 」
マオ
「 ノロノロゾンビや走るゾンビとは比べ物にならないくらいのゾンビだよ!
ゾンビのくせにガタイが良くて、筋肉ムッキムキで、形相が怖くて、背が高くて、握る力も強くてだな──。
とてもじゃないけど、ゾンビだなんて思えないから『 ゾンビ(?) 』にしたんだ。
其にだよ、走るゾンビだけじゃなくて、屋根に上るゾンビや屋根の上をジャンプして移動するゾンビも出て来たんだぞ!!
ムッチャクチャ怖かったんだぞ!! 」
セロフィート
「 おや?
ゾンビは歩くだけかと思いましたけど、そんな面し──いえ、危険なゾンビが混ざっていたとは…… 」
マオ
「 …………今…『 面白い 』って言い掛けなかったか? 」
セロフィート
「 はて?
聞き違いでははないです?
疲れが顔に出てますし 」
マオ
「 …………そう…かなぁ…?? 」
セロフィート
「 ゾンビの首は斬り落とせました? 」
マオ
「 まぁ…大体はな〜〜。
キリがないから、土魔法で巨大な穴を作ったんだ。
──で、ゾンビもゾンビ(?)も穴に誘導して落としてやったよ! 」
セロフィート
「 ははぁ…。
頭を使いましたね。
穴の中に落ちたゾンビ,ゾンビ(?)の首は未だ付いたままです? 」
マオ
「 うん。
1体づつ首を斬り落とすの大変だからさ、付いたまま穴の中に放置してるよ。
首を斬り落としたゾンビの体は≪ 廃村 ≫の彼此に落ちてるよ 」
セロフィート
「 そうです?
マオ、君が土魔法で作った穴へ案内してください 」
マオ
「 任せろ! 」
優しいオレは、セロの要望に素直に応えると、穴迄案内してやる事にした。
マオ
「 此方だよ! 」
オレはセロの右腕に両腕を絡めて歩き出した。
マオ
「 ──セロ、≪ 街 ≫でさ、にゅいを精製してくれたろ?
もう1回だけ賢者の石を精製してくれないかな? 」
セロフィート
「 はい?
何故です? 」
マオ
「 ゾンビとゾンビ(?)を食べてもらうんだよ!
本当はにゅいに頼めたら1番良いんだけど、今はトイチとフィンと居るから頼れないだろ。
だからにゅいみたいな賢者の石を精製してほしいんだ。
賢者の石の体内に入ったら溶かされて消化されるだろ?
≪ 廃村 ≫からゾンビが消えて、片付く!
どうだよ、名案だろ! 」
セロフィート
「 良く思い付きましたね 」
マオ
「 凄いだろ! 」
セロフィート
「 成る程…。
其で何度もワタシを呼んでいた訳ですか… 」
マオ
「 そうだよ! 」
セロフィート
「 先ずは穴の様子を見てから考えます 」
マオ
「 ──え゛?!
精製してくれないのか? 」
セロフィート
「 『 しない 』とは言ってません。
必要あれば考えます 」
マオ
「 えぇ゛〜〜〜…… 」
直ぐに賢者の石を精製してくれるかと思ったのになぁ……。
お預けかよ…。
ガッカリだ…。




