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民泊を始めよう!

作者: さきら天悟
掲載日:2017/09/18

「俺、民泊をやろうと思ってるんだ」

友人のKの顔は真剣だった。


俺はグラスを置き、

「民泊?」

眉間に皺を寄せる。

Kが、そんな話をするのは初めてだった。


「東京オリンピックがあるから、

客には困らないんじゃないかな~」

Kは俺の顔色を窺った。

俺の鋭い意見を聞きたいようだ。


「まあそうだな。

でも、管理とか面倒じゃないのか」

Kにお金のことは聞かない。

Kの実家は資産家だ。

マンション、商業ビル、駐車場など多くの不動産を所有している。


「そういうのを扱う管理会社があるから」

子犬のような目をしてKが俺を見つめる。


「でも、トラブルとか大丈夫か?

ゴミとか騒音とか」

あの国の旅行者を思い浮かべる。


「そういうのもやってくれる。

管理会社が。

でも、利益率は良くないけど。

でも・・・」


部屋が空くよりはいい、と言うKに、

俺はアドバイスした。


「あの部屋を民泊にしたら、いいんじゃないかな。

赤坂のタワーマンション」


「ダメだよ。

あのマンションに外国の旅行者なんて入れられない。

セキュリティが売りの超高級マンションだよ。

芸人や俳優など芸能人が数人、それに作家や政治家や大企業の役員もいる」


「でも、2部屋空いてるんだろう」


Kは渋い顔をした。


「だから、その部屋を民泊にすれば・・・」

俺は詳しく内容を話した。


すると、Kの顔はあかるくなった。







「先輩ッ」と今売り出し中の芸人Jが、中堅芸人Lに声をかけた。


「先輩、あそこの民泊、利用したことありますよね」


「あそこか」とLはすぐに察した。

Lの頭の回転の速さは業界で有名だ。


「予約を入れたいのか?」

Lはニヤリとする。


「お願いします」とJは頭を下げる。

「紹介がないとダメですよね」


「まあな。

いつがいい。

でも、ちょっと高いぞ。

まあ、今のお前なら大丈夫か~

相手は誰だ?

噂の彼女か?

前のドラマで共演した?」

Lは矢継ぎ早に問うた。


Jは苦笑いで答えた。





こんなやり取りがありらこちら。

舞台は、もちろんKの超高級タワーマンション。

俺のアドバイス通り、Kはそこで民泊を始めたのだった。

外国人旅行者相手ではなく、

芸能人や有名人に対して。



芸能人が某記者につけられているのに気づかず、

ホテルには入ったことろをパシャリ(実際は動画だろうが)。

こんなことを防ぐため。


普通のマンションなので、別々に入れば、

恋人や不倫相手の待ち合わせだとバレない。


もし記者に写真を撮られても、

「友人の家に遊びに行っただけ」と答えればいい。


オーナーのKが友人と証言してくれるし、

女性にはKの恋人が。


「ゲス不倫」を恐れている芸能人のみなさん、

俺が考えた民泊を利用してみませんか。



たぶん、それに近いものが実際にあるんじゃないのかな~

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