57話 初めてのラジオ!?
わたしなんでこんなことしてるんだろ…
わたしの前には顔は知っていてもほぼ初対面のマジシャン風の先輩とわたしと先輩に向けられたマイク。
所々に私物らしきものが置かれた防音ブースの中でなんでこんな人と二人きりで向かい合っているのだろう…
思い返せば4時間目が終わってすぐのことだった…
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「茜!いくよ〜?」
「ん?どこに?」
「いいからいいから。」
いつも通り奏がわたしの席まで来たかと思ったらそのまま手を引かれてわたしは教室を連れ出されてしまった。
紀穂も同調してついてきてるからきっと放送部関連なことは確かなんだけど…
そんな考えを巡らせながら奏に引っ張られながら歩くとやっぱりと言うか辿り着いたのは放送室だった。
放送室と書かれた重厚な扉を奏が開けると放送室に入ったはずがまたさらに2つの扉に分かれていて1つには放送研究会って書いてあった。
奏が開けたのは隣の『放送部』って書かれた扉だった。
「ってまた扉ぁ?」
扉を開けた途端に見えた次なる扉を見てわたしは思わずそうこぼしてしまった。
「そうだよー。ちゃんと本格ブースなんだからね?」
奏がわたしの言葉にそう答えてくれたけどそもそもわたしにはなにが本格仕様なのか全然理解できなかった。
「ようこそ。放送部へ。なんて挨拶してる暇はないんだ。」
奏がブースと書かれた扉を開くとあのエドモンド先輩が鎮座した状態で両手を広げてそう言った。
『それじゃー準備しますよ〜。』
いきなりのエドモンド先輩に驚くわたしを部屋の中に押し込んで奏達はどこかに消えてしまったかと思ったら奏の声が聞こえてきた。
「さあ、早く座ってそこのへッドホンをしたまえ。」
わたしは訳も分からないままエドモンド先輩の言う通りにした…いや、してしまった。
『それじゃー行きますよー。茜!成田先輩はこんなだけど凄い人だから乗せられて喋ってれば大丈夫だから!緊張しなくて大丈夫だよ?
じゃあ、行きま〜す。3.2.1キュー!!』
奏にそうは言われても心の用意が足りないって!!
「みんな元気にしてるかねぇ〜。
元気が足りないんじゃない?そんな時はラジオでドーン!!今週もウザ絡みの時間がやってきたぞー。」
奏のキューにしっかり答えるようにエドモンド先輩が喋り始めた。
やっぱり…これは奏達にハメられたかな…
エドモンド先輩が喋り終わったタイミングでBGMみたいなものが入ってそのままの流れでエドモンド先輩がタイトルコールをした。
やっぱりこれはお昼のラジオ放送だ…
「ウザ絡む前にこの一曲を行ってみよう。
宮永緋雪でSAKURAクレッシェンド。」
先輩の曲振りからベストなタイミングで曲が始まった。
目の前で喋ってるはずの先輩の声がヘッドホンから聞こえてくるって言うのはなんとも変な感じだ…
「茜ちゃん…って呼べばいいのかな?
そんなに緊張しなくても大丈夫だよ。
僕だっているしこの窓の向こうには紀穂も奏もいる。
だから安心して僕に委ねてくれればいい」
エドモンド先輩がいきなりのそんな真面目な感じで言い出したから何事かと思った。
先輩の言った通りわたし達の隣にある窓の先では紀穂と奏がこっちにを振ってくれている。
って言うかこの人普通に喋れたんだ…
「ぷっ。ふふふっ♪
先輩ってそんな風に喋れるんですね。いっつもラジオ口調なのかと…ぷっ…うふふっ♪」
きっとガッチガチになってたであろうわたしだけど紀穂と奏の顔と先輩のまともな姿を見てなんだか笑いがこみ上げてきてしまう。
「僕だって普段からあんな喋り方を続けてる訳じゃないんだよ。」
「そうですよね。ぷくくっ…ありがとうございました。なんとか緊張ほぐれましたし覚悟もできました…女は度胸ですから。」
他でもない自分に言い聞かせるようにそう言ってわたしは気を引き締めた。
ぶっちゃけなんでここに連れてこられてるのかなんでわたしが喋ることになっているのか全然わからないけどやるしかないんだなって事だけはわかる。
全校生徒の前にポツンと立たされたような気持ちだけど先輩の言う通りだ。
紀穂も奏も他の放送部の人達も見守ってくれている。
頑張るしかない。
「そろそろ曲終わるから準備はいいかい?」
わたしは何も気にしないでのびのび喋るだけだ…
「はい。もちろんです。」
わたしがそう答えると曲もアウトロに差し掛かった。
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『今週のゲストは校内でも世間一般的にも一番キテいるであろうこの人。
湖の乙女こと宮代茜ちゃんだぁ。』
『み、みなさんどうも。そんな大層なものじゃないと思いますけど…宮代茜です?…』
「ぷっ!!いねぇと思ったらあいつラジオ出てんじゃん!」
屋上の学食で買ったパンにがっつきながら日向はそう言った。
「しかもあの感じだと何にも知らないで連れてこられたみたいだな。」
「そうだよね〜。茜って割と喋れる方ではあるしあそこまでキョドッてるなんてそれしかないよね。」
日向のその発言に大和も和希も同調した。
『いやー。凄かったネこの前は。』
『この前。ですか?』
『そうだよ!あのサインの列の事だよ!
もしかして全然気づいてなかった?』
『まあ、人が集まってることは知ってたけどそこまでとはー…』
『あー、教室からは見えなかったって事ですナ。
それにしてもあの後色紙と雑誌が校内持ち込み禁止になるくらいの事態だったんだから少しくらい自覚した方がいいのでは?』
『うそっ!そんなことになってたんですか!?
見ないと思ってたら…』
『まあ、そんな茜ちゃんに今週はウザがらんでいきたいと思います。
まずはこのコーナー!その子、どんな子ぉ?』
「なぁ、こうやって姿を見ずに声を聞いてるとなんだか遠くに行っちまったなって気がしないか?」
ラジオに3人とも耳を傾けていたら大和が座ったまま急に後ろに倒れかかって地面に仰向けになってそう行った。
「オレもおんなじこと思ってた!」
「あいついい声してるよな。」
和希も日向も大和に続くようにして仰向けになる。
「確かにな。甘く響くのに鋭さも美しさも兼ね備えてる…」
「鈴が鳴るようなってこういうことを言うんだよね」
「もはやそれ以上だと思うけどな。
つくづく茜の響かせる音楽が楽しみだよな。」
日向がそう言ったら今までの好きな女について語り合うような雰囲気は一気に張りつめたものに変わった。
「オレは今までのスカーレットが変わって行くのが怖い。」
「確かにそういう意見もあるよな。…大和は?」
「俺は…あいつの作る音楽が好きだ…
それがどんなであろうとあいつらしい音楽ならそれはそれで受け入れられる。」
「言うじゃん。大和らしい。
俺さ。ぶっちゃけさ。まだ少し茜のことが怖いんだ…」
「普通に振舞ってはいてもやっぱり頭によぎるものが結構あるんだよね。」
「「日向…」」
日向の一言で大和も和希も神妙な面持ちに変わった。
「でもさ。俺はさ、茜のあいつが奏でる声も歌も音楽も全部が全部素晴らしいと思ってる…
姿形がどう変わろうとそれは変わらないよ。
それに今の茜の声は橙哉に引けを取らない…いや、橙哉以上の逸材だと思うから。」
「だから自分がどうなろうとあいつの音楽について行くってか?」
「日向は無理しすぎなんだよねー。」
そう言って大和と和希は笑った。
日向にとって二人のその優しさは有難くもあり少し邪魔でもあった。
「ただ単に友達として辛い時にそばにいてあげたいってだけでもあるけどな。」
「日向はほんと優しいよな。」
「そうかもな。」
結局はそう言って会話は普段のものに戻ったものの3人の間に流れる空気は変なものになってしまっていた。
3人ともわかっているのだ。
橙哉が茜に変わってしまった事で自分達の関係が変わってしまうことを。
それが自分達の音楽を壊すかもしれないことを…
だから妙な空気を振り払うことすらできずにいる。
『げ、元気だしなよ?あ、…あたしがついてるからさ…』
日向達3人しかいない屋上に響く茜の声。
『ぐはぁっ!これはもうたまらないなぁ。』
『ほんと企画じゃなかったらこんな事言ってませんからね?ほとんど初対面の後輩にここまでできるなんて先輩どんだけなんですか!!』
『くははっ…ごめんごめん。
謝るからっ……くふふっ…
いやっ!ほんとごめん!そういう企画だとしてもやり過ぎました!』
『全くもう。もう出てあげないです。』
『そ、それだけは〜』
「ぷっ。茜何したらあんなにパーソナリティに食ってかかれるんだよ。」
「でもさ。ちょっと元気出た気がするよね。」
「確かに。あいつの声はやっぱり特別だな。」
「ほんと…つくづく楽しみだよなぁ。あいつ。」
ラジオから聞こえてくる声に感化されたのか3人ともさっきまでのように好きなアイドルの話でもしてるような雰囲気に戻っていた。
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「いやー。ほんと僕としてもやりやすかったよ。
どっちかというとモデルさんみたいな感じかと思ってたけど茜ちゃんはアイドルタイプだったんだね。
いいタレントを持ってると思うよ。」
放送が終わってブースから出るときに成田先輩がそう声をかけてくれた。
「ありがとうございます。先輩のおかげでわたしも楽しく喋れました!…って言ってもわたし未だになんで自分がここにいるのかわかんないですけど。」
さっきまでのトークのおかげで成田先輩との距離感も上手く掴めたのでこんな軽い冗談も飛ばせるようになった。
「あー。ごめんね。ちゃんと伝わってると思ってたんだけどね。雪菜が言い忘れてたみたいで…」
さっきまでの感じなら先輩も冗談かネタで返してくれるかと思ったんだけど案外真面目な答えが返ってきてちょっと驚いた。
「えっ。ああ…お姉ちゃんを通してだったんですね。
それなら仕方ないですよ。お姉ちゃんの事だからわたしをびっくりさせようとしたんですよきっと。
それにしてもお姉ちゃんとお友達だったんですね。
ちょっと意外です。」
「雪菜は去年からずっとクラスが一緒だからね。
お姉さんとは仲良くさせてもらってるよ。」
そう言いながら先輩はさっきは開けなかった方のコントロールって書かれた扉を開けて部屋に入っていく。
「あっかねー!!お疲れさまぁ!!よかったよぉ!!」
わたしも先輩に続いてその部屋に入ると奏が勢いよく抱きついて来た。
「ちょっと。かなでぇ。苦しいよ…」
「ふむふむ。やっぱり女子高生同士の絡みはいいものだねぇ…
ってそんな事言ってる暇はなかったんだった。
早く片付けて教室戻るぞ〜。」
「「はーい。」」
先輩のそんな声に紀穂も奏も元気に答えた。
紀穂の方を見てみるとスタジオとかにあるマイクミキサーみたいなやつに布をかけてるところだった。
「あー。パソコンはつけたままにしておいていいよ?
ちょっとやる事があるから。戸締りはやっておくから3人はもう教室に戻りな?」
そんな紀穂の行動を見て先輩は少し慌てた様子でそう言ってそのままわたし達を出口に促した。
あ、怪しい…途轍もなく怪しい…
「はーい。じゃ、お先でーす。」
「お先に失礼しまーす。ちゃんと授業出なきゃダメですよ?先輩。行こっ?茜。」
奏も紀穂もそんな感じで何事もなさそうに行こうとするからわたしも二人について行くしかなかった。
「ねー。流石にさっきの先輩の行動怪しくなかった?」
放送室から出たあたりでわたしは二人にそう聞いて見た。
「あー。あの人結構いつもそうだよ?自分の放送終わったら放送データ一人でチェックしてるみたい。
一人でやらないと集中できないんだってさ。」
「へー。成田先輩って努力の人なんだね。」
そんな話を聞いてしまうと変なことでもするんじゃないかと疑ってしまったのが少しだけ申し訳なく感じる。
「それはいいんだけどそのせいであの人5時間目はサボりがちみたいなのよね。あの人受験生なのに大丈夫なのかなぁ。」
紀穂がポロッと言った一言で初めて雪ねぇが受験生であるってことに気がついた。
「あー。そっか。雪ねぇ達受験生なのか…」
「まあ幸いウチの学校はユルいから3年生になっても勉強勉強言われないみたいだけどそう考えると私達もあと一年で受験生なのか…」
「だからこそ今楽しまなきゃなんだよ?」
紀穂がこぼした言葉に奏がそう返した。
そうだよね。せっかくの青春なんだから楽しまなくっちゃだね!
「そうだね!!」
奏に同調するようにわたしもそう返した。
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「あらお帰りなさい。」
「うん。ただいま。」
いつものように紀穂と奏と3人でお茶してから帰ると雪ねぇがもう晩御飯の支度を始めていた。
前までは晩御飯とかは用事とかバイトがなければほとんどわたしが作ってたんだけどしばらく雪ねぇに全部やってもらってたからか当番を決めるときに晩御飯まで半分雪ねぇに持っていかれてしまった。
まあ、そのおかげで遅くまで遊んでたり出来るようになったから嬉しいっちゃ嬉しいんだけど…
わたしが家にいるときは絶対わたしが作ってたから家にいるのに雪ねぇが晩御飯を作ってるっていうのがなんだか変な気分だ…
「ねぇ。あーちゃん?今日のラジオとっても可愛かったわよ?それはもう食べたくなっちゃうくらい。」
「えー?そう?先輩に助けてもらってばっかりだったしトークは変な方に行っちゃったし…」
「それでいいんじゃないかしら。放送部の人達がメインの番組なんだしそれくらいでいいと思うわよ?」
「そうなのかなぁ…
はぁー。わたしも雪ねぇみたいにしっかり自分を持てるようになりたいなぁ〜。」
着替えに部屋に行くこともなくソファに突っ伏して足をバタバタさせながらそう言った。
「あーちゃんは仕方ないわよ。女の子としての経験がないに等しいんだから。どう振る舞っていいかとかそういうのはこれからしっかり学べばいいんじゃない?」
「うーん。そうかなぁ。」
雪ねぇの言ってる事は確かにそうだと思うんだけどなんだかやっぱり実感わかないや…
「そうよそうよ。それにまだあーちゃんは高2じゃない。他の子だって案外そんな事で悩んでたりするもんよ?
それにしてもあーちゃんのラジオほんと可愛かったわぁ。あーちゃんはラジオとかも向いてるのね。」
「ねぇ、雪ねぇ。本当にわたしにそういう才能あると思う?」
唐突だと思ったけど思わず雪ねぇにそう問いかけてしまった。
「いきなりどうしたの?
まあ…私はあーちゃんはそういう才能の塊だと思うわよ?ちょっと妬ましいくらい。」
「それってわたしだからって事?
それとも茜になったからってこと?」
そんなことを言いたいわけじゃない…
わたしだってわかってる。橙哉だった頃はどう考えても凡才だった…才能があるとは言えなかった。
音楽的にも…演者としても…
ただ勢いでチヤホヤされてるだけだった。
「うーん。私は橙くんの頃からその才能の片鱗はあったと思うけどなぁ…
それがあーちゃんになったから偶々花開いたってだけで橙くんのままだったとしてもいつか花開いてた才能だと思うわよ?」
「雪ねぇ…」
雪ねぇはわたしが欲しかった言葉を言ってくれる。
でも雪ねぇはこの手の話にウソはつかない人だから…
きっと本当にそう思ってくれてるんだろうな…
「ねぇ。お姉ちゃん。ちょっと話があるんだけど…」
わたしは改まって軽くお外行きモードに武装して雪ねぇにそう問いかけた。
こうして武装しないと切り出せないんじゃないかと思うほどには勇気のいる話だから…
「いきなりどうしたの?今日なんだか変だよ?
そんな外行きモードになっちゃって。
…わかったわ。もうちょっとで準備できるから待っててね。」
そう言って雪ねぇはお鍋をコンロにかけた。
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「それで話って?」
カレーの匂いが漂う中雪ねぇはわたしの対面のソファにお上品に座った。
「あのね…葛原さんからの誘いの話なんだけど…」
「あー。事務所とかアイドルとかそういう話ね…
私はそこまで焦って決めなくてもいいと思うよ?」
わたしがそう切り出すと雪ねぇは少しだけその優しい笑顔を曇らせながらそう答えた。
「あのね。お姉ちゃん。わたし思ったの。
わたしはやっぱり音楽が好きで音楽で生きていきたくて…でもね。周りのみんながここまで期待っていうか…なんていうか…わたしを推してくれてるわけじゃん?
だからさ…それに応えたくて…
それに葛原さんが言うにはわたしがバンド活動をする事は構わないらしいしその時間も学校生活も全部保証してくれるって言うし。」
それに奏がわたしの事をまだ一般人だってなんの色眼鏡にもかけずにそう言ってくれたから…
わたしをただの宮代茜って言ってくれる人がいるってのをしっかり実感したからわたしは何にでもなれるとおもうんだ…
「うーん。あーちゃんがそうしたいって言うなら私は何にもできないけど…
それでもね?私は思うの。あーちゃんは音楽だけで大成できる。あーちゃんはバンドで生きていけるって…
だから…純粋に音楽だけ追っていてほしいなって。」
「お姉ちゃん…
わたしって欲張りかなぁ…」
「そんな事ないわ?あーちゃんならきっと芸能人としても成功できると思うしバンドでも成功できると思うわ。
でもね……いや…なんでもないわ…
あーちゃんの進みたい道に進めばいいと思うわ?」
そう言う雪ねぇの顔はなんだかお母さんのように暖かくって不思議と笑みが溢れてきてしまう…
「そっか…ありがと…ご飯あとで食べるね。
ちょっと一人で考えたい…」
そう言ってわたしは半ば逃げるかのようにリビングを出た。
今の会話で雪ねぇの気持ちは見えてしまった。
雪ねぇはきっとわたしが葛原さんの誘いに乗ることをお父さんの思惑にハマることを良くは思ってないんだろう…
純粋にわたしの音楽を好きでいてくれてその将来を期待してるんだよね…
だからこそ無駄な事はしてほしくないんじゃないかな…
でも雪ねぇはヤメてとは絶対に言わないしわたしの気持ちをいつでも尊重してくれる…
だとすればわたしのできることはなんだろう…
自分で考えて答えを出してそれに全力を出す事じゃないんだろうか…
そう考えながら階段を上るとさっきまで鼻をくすぐっていたカレーの美味しそうな香りは少しずつ薄くなって行った。




