55話 雑誌ってすごい
「ふあ〜ぁ…眠い……」
金曜日の朝は本当にツライ…
この身体になってからと言うもの早起きしなきゃだし今までの30倍くらいツライ…
それでも昔よりかは起きれるようになった気がする…
さすがに昔みたいに半分眠ったまま登校したりは出来ないから必死に起きてるだけなのかもしれないけど…
だって流石にわたしだって自分が周囲からどんな風に見えてるかなんてわかるもん。
あれだけナンパやらスカウトやらされるんだからそんな子がポヤポヤ半分眠ったままお外を歩いていたらすぐにさらわれてしまうだろう事くらい理解してる。
「あーかねっ!」
そんなことを考えながら歩いていたら後ろからそう声をかけられた。
この声はきっと紀穂だなぁ。
まあ、わたしにそんなフランクに挨拶してくる女の子なんて紀穂か奏くらいなんだけど…
「おはよ。紀穂。」
「うーん。1日ぶりの茜はやっぱり可愛いなぁ。
スリスリしちゃおうか。」
なんだか先週あかちゃんが学校に行ってからと言うもの紀穂の性格が崩れてきたような気がする…
なんて言うか奏のほうが常識人なんだなって感じがする…
紀穂は気を許すとこうやってデレデレしてくるタイプみたいで奏にもたまにこうなるって奏が言ってた。
「やーめて?こんなところでそんな目立つ事してたら余計目を引くでしょ?」
「そっか。ごめん。」
雪ねぇとかと違ってちゃんと常識人だからそう言ったらやめてくれる。
うーん。雪ねぇにもその常識を少し分けて欲しいくらい…
「それにしても今日はいつにも増してなんだか視線が多い気がしない?」
「そうなんだよねぇ…なんでだろってさっきから考えてたんだけどわかんないんだよねぇ…」
わたしと並んで歩き始めたからか紀穂もわたしに降り注ぐいつもより多い視線に気がついたようだ…
言った通りわたしには視線が増えるような心当たりはない…と思う…
レイクモールで騒ぎになったのは先週だし今日は髪型だっていつも通りのサイドポニーだし…
いつもと比べて当社比3倍以上の視線を感じる理由が本当に見当たらない…
「あの!サインくださいっ…!!」
本当に突然だった。紀穂と視線について話していると前からきた身長でいうと紀穂くらいなうちの制服を着た女の子に声をかけられた。
制服を着慣れてない感を見るに一年生っぽい…
まあ、それを言ったらわたしなんかはもっとそう見えるのだろうけど…
「えっと…別にいいんだけどそう言うのは学校とか登校中とかはやめて欲しいなぁ…わたし別に芸能人とかでもないんだし…
どれにサインしてあげればいいの?」
「はい!わかりました!今度からはしない様にします!サインはこれにお願いします!」
そう言って軽く窘めながらもサインを書いてあげる為に聞いて見るとその女の子は嬉しそうにバッグの中から雑誌を開いた。
「ん?…コレって…」
紀穂と二人で渡された雑誌を見てみるとそこに写っていたのは確かにわたしだった。
「茜ってモデルさんだったのね…」
ちょっと!!変な勘違いしないでよ!!
紀穂はわたしの置かれてる状況知ってるでしょ!!
「ち、違うって!これは前にレイクモールでお願いされたスナップ写真だって!」
「あー。あの湖の乙女の起こりね。」
「ここにサインお願いします!!」
わたし達が会話してる中にもズケズケと入ってくる女の子の図々しさにはすこしびっくりしたけど確かに放置してしまってたのはわたし達なのでここは早めにサインを書いてあげなければ…
「あ、ごめんね?
えーと。ここの隙間でいいの?「はい!!」
わかった…お名前は?」
「琴音です!」
「うん。ありがと。
じゃあ、はい。本当に今回だけだからね?」
そう言いながら琴音ちゃんへってしっかり書き足して雑誌を渡してあげる。
「はい!ありがとうございます!家宝にします!」
そう言って走り去っていく女の子を見つめていると紀穂がわたしの袖をチョンチョンとするから何かと思って紀穂の方を振り向こうとしてわたしも紀穂の言わんとすることを理解した。
立ち止まってサインしてあげてたからか遠目にわたし達を見つめる視線が倍増していた…
このままだとまたサインとかで前みたいな事態になりかねないのは容易に想像できる…
「いそごっか。」
「うん。」
紀穂にそう促すと紀穂もそのつもりだったとばかりに頷くから二人して早足で学校まで急ぐ事にした。
走ったりしたらなんか追っかけられそうだから不自然に見えないくらいのペースで学校まで急ぐ。
幸い学校までそんなに距離がなかったから教室に着くまで声をかけられたりすることはなかった。
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「大変だったな。」
教室に急ぎ足で滑り込んできたわたし達を見て先に学校に来ていた大和はそう零した。
「見てたの?」
「そりゃあ、あんな所で立ち止まってたら嫌でも目につくだろ。」
そうなのだ…恐ろしい事にうちの学校は少し高台にあるから教室の場所によっては登校してくる生徒が丸見えなのだ。
しかも学校までは一本道の軽い上り坂。そんな所で立ち止まってたら確かに目立つ事この上ない…
「まあ、位置的にはっきりあの道が見えるのはこの教室の上下くらいだしそこまで騒ぎになったりはしないだろ…」
「お姫ちゃーん。お客さんだよー?それも大量の。」
大和が作ったフラグを盛大に回収する様に廊下側の席の女の子達からそう声がかかった。
お姫ちゃんなんて恥ずかしいあだ名で呼ばれるのは心外だけどなんだか浸透してきてしまったから反応しないわけにもいかない…
廊下をちょろっと見て見ると本当に大量と呼ぶに相応しい人が押し寄せてきていた。
しかもほとんど女の子…
「流石にあの量は捌ききれないでしょ。」
「うん。お断りしてもらおう。」
紀穂の意見にわたしも全面同意して廊下側の女の子達に目配せしてお断りしてもらった。
クラスのみんなもなんだか慣れてきた様で未だにこうして告白にくるバカどもを突っ返して貰ったりしてるからスムーズにお断りする事に成功した様だ…
「さすがうちのクラスの姫さまね。」
「ちょっとその呼び方やめてって。」
紀穂までそんな呼び方するぅ…むすっ…
まあ、冗談はさておき
流石にあの状況はマズイなぁ…
まさか雑誌の効果があんなにもあるなんて…
うちの学校は別に芸能活動禁止とかでもないし問題はないと思うけどここまでの騒ぎになるのは問題なんじゃないだろうか…
うう…後でさっちゃんに怒られたりしないか心配だ…
「ねえ。お姫ちゃん。あの子達にはお断りしておいてなんだけどわたし達にもサインしてくれないかなぁ…
ちゃんと雑誌買ったんだよ?」
騒ぎが収まって廊下をみんなが帰った頃に廊下側の女の子達がやってきてそんなことを言い始めた。
まあ、わたしとしてはそんな大量になったりしない限り別にいいんだけどクラスメイトにサインっていうのもなかなか恥ずかしい…
「わたし芸能人とかでもなんでもないんだけどいいの?それに毎日顔合わせてるんだし…」
「雑誌に出た記念っていうかさ?
ね?お願い。」
「お願い!!」
3人組の彼女達が3人してお願いしてくるからもうどうでもいいからサインでもなんでもしちゃえって気分になった。
まあ、なんでもはしないけどね…
「はぁ。わかった。その手に持ってる雑誌でいい?」
「うん!!」
「ありがとう!!」
「お姫ちゃん大好き!!」
そう言う3人の笑顔を見たらまあいっかって気になってしまったから不思議だ…
えーと。白石さんと…ミカちゃんと…田邊さん…だっけ…
クラスメイトに名前を聞くのもあれだからもう記憶にある名前を書いてしまおう…
あ、一応クラスメイトだしこれからもよろしくねって書き直しておこう。
「はい。サイン書いたからってよそよそしくしないでよ?今まで通りに接してね?」
「ありがとう!!」
「当たり前じゃん!」
「これからもよろしくね!」
そう言って嬉しそうに自分達の席の方に戻っていく彼女達をみればわたしも嬉しくなるって事を考えたらアイドルとかタレントっていうのはわたしに合ってるのかなって思ってきてしまう。
「おはよ〜。なんかすごい人だかりできてたけどなんかあったのか?」
登校時間5分前くらいにやってきた日向はさっきの女の子達の大群を見ていたのか席に着くなりそんな事を言い始めた。
「茜に群がってたのよ。」
「あー。そういう事?それにしてもなんで今日いきなり?」
紀穂の一言で理解してしまった日向。
さもわたしに人が集まるのは当たり前みたいな反応じゃん!!
「コレ。」
「ほーん。」
そう言って紀穂が日向に差し出したケータイの画面に映し出されてたのはわたしの載った雑誌らしき写真だった。
「ちょっと紀穂!なんでそんな写真持ってるのさ!!」
「インターネット社会って怖いわね〜」
「ぐぬぬ…もう出回ってるのか!」
「やっぱ雑誌とかの力ってすごいな。
この茜かわいいじゃん。」
ぐふっ…日向はいつからそんな天然ジゴロになったのさ…そんな自然に言われたらいくらわたしでも嬉しくなってしまうじゃないか。
「当たり前でしょぉ?あんた何言ってんのぉ?
茜はいつも可愛いじゃない。
まあ、それでもこの服装は茜っぽくなくてとっても映えてるわよね?
あれ?そういえばこれって橙哉くんがよく着てたやつに似てない?」
そこに気がついてしまったか。
まあ、日向とかじゃなければこの前用意した言い訳で切り抜けられる。
「似てるも何もそれそのものだよ。お前も知ってるだろ?ブルシムのリミテッドパーカーだよこれ。
ってかなんでお前クラスも違ったし接点もなかったのに橙哉のお気に入りパーカーまて知ってるんだよ。怖っ…」
日向はそう言ってまるで紀穂がストーカーじみた事をしていたんじゃないかとでも言いたげに身を仰け反らせて恐怖を表現した。
「ファンなら当たり前のことでしょ?
しかも学校で見かけるくらいに近しい存在なんだし。
それにしてもなんで橙哉くんのパーカーを茜が?」
あ、当たり前の事なんだね。
わたしでもさすがに自分のライブで他のバンドのグッズを着たりするほどアホじゃないから案外知られてないもんだと思ってた。
「お兄ちゃんが退院祝いにって貸してくれたの。
俺が家に戻ったら返してくれよなって言って…」
ちゃんと用意していた設定でそう返した。
これなら何にも心配いらないよね。
まあ、この言い方だと形見みたいになってしまうけど…
「そっか…なんかごめんね?そんなこと思い出させて。」
ちゃんとそう取った紀穂は申し訳なさげにそう言った。
あー。変に気を使わせちゃったかなぁ…
「じゃあそろそろホームルーム始めるわよ〜!」
変な空気になったところでいつの間にか教室に来ていたさっちゃんがそう言って着席を促した。
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「茜すごい事になってるじゃん」
「ホント困っちゃうよぉ〜」
やっと4時間目も終わったところでいつも通り奏がやってきてそう言ったからわたしはぐったりとに突っ伏したままそう返した。
朝のあの騒動のあとも休み時間のたびに結構な人がやってきてサインをせがんでいくという事が続いていた。
さすがに教室に入る前に毎回お断りしてもらっていたけどそれでもやってくる人は減らないし全くどうしたものだろうか…
うちの学校は1学年300人くらいいるマンモス校とはいえこんなにも人が集まるなんて怖い…
「今日は教室の中でゆっくりするしかないね。」
「ううむ…せっかく天気いいんだからお外でご飯食べたかったなぁ」
そんな叶わない事をうわ言のようにこぼして窓の外を見る。
今日は晴れてて気持ちいいなぁ〜。
「茜?あかねぇ?…またかぁ…」
「いや、あれはどっちかというと現実逃避でしょ…
気持ちはわかるもの。」
「どっちでもないってそれにわたしはそこまでのトリップガールじゃないからね?
たまーに考え込んじゃう時があるだけだから!」
『えーそれでは今週も始まりましたぁ。放送部ラジオ!お相手は3年のエドモンド成田と』
『2年のシオンと〜!』
『あ、えと…1年の平塚直宏です…』
わたしが奏と紀穂にそう返したのとほぼ同じタイミングでお昼のラジオが始まった。
「あ、そういえば今日から1年生も金曜ラジオデビューかぁ」
「私たちも去年はあんなだったのよね。懐かしいなぁ…そういえば茜って部活とかどうするのよ。」
ラジオから聞こえる初々しい声を聞いて二人はそんな事を言い始めた。
「え?わたし?…うーん…出遅れちゃった感もあるしバンドもやりたいしそれに今の状況で部活とかって迷惑かからないかなぁ…」
紀穂から放たれた爆弾にわたしはアワアワしながらもなんとか返すことに成功した。
「そうよね。バンドやるなら部活は大変よねぇ。
でも軽音とかだったらいけるんじゃない?」
「お兄ちゃんからうちの軽音はダメだからやめとけって何回も釘刺されてたから考えてなかった…」
これも実は用意していた設定だ。
さすがにわたしたちくらいのレベルでいる場所じゃないから勧誘されてもこう断ることにしていた。
「そういえば橙哉くん達軽音じゃなかったもんね。」
「じゃあ、茜も放送部入ればいいのに。」
不意に奏の口から出た言葉だったけど確かにそれは楽しそうではある。
「確かにそれは楽しそうね。私達はいつでも大歓迎だからね?」
二人のそんな軽い気持ちであろう勧誘はとっても魅力的でそれでいて嬉しいものだったからわたしも悩んでしまう。
「うーん?やっぱり部活とかはすぐには決められないしそれに迷惑とかもかけちゃったら嫌だから考えてから決めるよ。」
「まあ、バンドも部活も勉強もってなったら大変だもんね。」
「そうね。ゆっくり考るといいと思うよ?」
「うん。そうするね?」
わたしの意見をこうやって尊重してくれるのはやっぱ二人のいいところだろうなぁ。
放送部なんてわたしみたいなの一番欲しいだろうに…
『あ、そういえばなんですけどぉ。二人はAKANEちゃんって知ってますか?』
『もちのロンだとも。あんな可愛い美少女ワタシが知らないわけないでしょう。』
『うちのクラスも女の子達が朝雑誌見てざわざわしてましたけどあの湖の乙女さんの事ですよねぇ?
その…あかね?さんっていうのは…』
『そうそう。あの子どうやらうちの学校らしいのよー!しかもあの”お姉様”の妹さんらしいんですよー』
『今度ワタシのラジオでゲストに呼んじゃおうかな?』
『成田さんそれで下手な放送したら全校生徒から叩かれますよー?』
わたし達の話を聞いていたんじゃないかってくらいのタイミングでラジオの方でもそんな話を始めてしまった。
うう…こわ…
「なんかラジオでも話題になってるじゃない。」
「こんな話全校生徒に向けて放送されたらまた凄いことになるんじゃない?」
「はぁぁ。それ考えるとちょっと憂鬱…」
お弁当に手をつけながらそんな話をするわたし達…
「もう割り切ってうまくいなして行くしかないのかなぁ…」
「もうこの際芸能人ですって言った方が断るのも楽なんじゃない?」
「ちょっと奏!それはダメな冗談でしょ」
紀穂が気を使ってそんな風に言ってくれるけどわたしはそんなに気にしてない。
「わたしはそんなに気にしてないからいいよ?
それになんか外堀からどんどん埋められてる気もしてなんだか逃げられないのかなって気にもなってきてるし…
それにもうここまで来たらどうしたって騒がれるんだし割り切っちゃおうかなって。」
こうして誰かに話してみるとわたしの気持ちは案外流されて決まって来ているような気がしてならない。
「茜にしては前向き発言ね。」
「わたしそんな後ろ向きじゃないでしょ。」
「まー。あたしは流されて決めるより自分でしっかり悩んで決めるべきだと思うよ?こればっかりは茜の人生が大きく変わるわけだし。」
紀穂もわたしも軽くおふざけモードで喋っていたら奏がすごく真面目な顔をしてそう言った。
「え?あ、うん。もうちょっと真剣に考えないとだよね?…」
「そうだよ。いくら茜がこれだけ人気で知名度があっても茜はまだ一般人なんだもん。」
「そうだね。ありがと。そう言ってそう扱ってくれる人がいるって事だけで自覚できるよ。」
本当にわたしの気持ちはそんな感じだ…
だって家族にだってああやって囃し立てられてて周囲の人が群がってくるわけじゃん?…
その中でわたしは一般人なんだって何も特別なんかじゃないんだって言ってくれる友人がいるだけでわたしも冷静になれる。
『それじゃあそろそろ恒例のあだ名命名の時間だな。』
『え!?なんですかそれ!聞いてないですよ!!』
『平塚くーん。諦めなさいってー。これは恒例行事なんだからー。』
ラジオからは賑やかな声が聞こえてきててなんだか悩むことがバカらしく感じてしまう。
『そうだぞ!ワタシだってラジカだってシオンだって通った道だぞ?』
『エドモンド先輩?あたし忘れてないですよ?
去年先輩にテキトーでアニメキャラの名前つけられた事。』
「こりゃ平塚くん可哀想だね」
「うんうん。今ではシオンも納得してるけど去年大変だったもんね。」
そんな二人の言い草からこれが放送部の伝統なんだなってくらいはわたしでも読み取れる。
「へー。二人は去年変なあだ名つけられなかったの?」
ってことは二人にも変なあだ名があるのではないかと思って二人に聞いてみる。
「二人ともセーフだったわよ?去年の3年生の先輩方はいい人ばっかりだったし。2年生は私はゆみかさんで奏はラジカ先輩だったもん。」
ん?やっぱり話が見えてこない…
「去年は成田先輩に当たったシオンくらいよ?変なあだ名つけられたの。」
「ほんとに私あの時は自分のくじ運の強さを褒めてあげたもん。」
ん?どういう事だろ…くじ運?…
「やっぱりそのネーミングの仕組みが見えないんだけど…」
「うちの部活ではね?金曜のラジオは1年生と2年生と3年生がランダムでやってるんだけど一年生が慣れるまでの2ヶ月くらいは金曜ラジオのメンツを固定してるの。」
「そうそう。それで1年生が初めてラジオに出た時は先輩方のタイミングで先輩方が1年生にあだ名をつけるのがなんていうかしきたりみたいになってるの。」
あー。そーいう事か。
くじ運ってそのメンツを決めるくじ引きの事か。
「それでくじ引きってことね。」
「そうそう。それで私達はうまいこといい先輩を引き当てたって事。」
「まあ、シオンはシオンでいいキャラ生み出せてあたしは良かったと思うけどなー。」
「確かにわたしこの子のキャラ結構好きかも。」
「あ、そろそろあだ名発表するみたいだよ?」
紀穂がそう言ったから3人でラジオに集中する。
『じゃあそろそろ発表しよっかねー。』
『そうだな。じゃあ、平塚くん。心の用意はいいかい?』
『はい!』
『いい返事だ!君の名前は!』
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
「いやー!また成田先輩もすごい名前つけるよね〜。」
「流石に男の子につけるのは可哀想だよね。」
ラジオが終わって二人ともそんな会話をはじめた。
わたしもそう思う。
「そうだよね。流石になぁちゃんはないでしょ。」
彼のあだ名は「なぁちゃん」に決まってしまった。




