53話 日常に戻って…
「じゃあ、おじいちゃん・おばあちゃんバイバイ!」
「また来るからね!!」
「ありがとうございました!また来ますね!」
「こちらこそありがとうねぇ。
元気にするんよ?」
「またいつでも来るといい。いつでも待ってるからね。」
昨日の宴会が終わったあと夜遅かったのでそのまままた宮代のおじいちゃんおばあちゃん家に泊まって今日も少しだけお寝坊して10時くらいにおじいちゃん家を出る事になった。
ひーちゃんも今日のお仕事は夕方からラジオが一本だけみたいだから一緒に出てひーちゃんを東京まで送ってから帰る事になった。
「おし。じゃあそろそろ行くかね。
じゃあまた来るわ。」
お父さんがそう言って車に乗り込んだのでわたし達も続いて車に乗り込む。
「まーたねー!」
「気をつけるんよ〜」
窓を開けておじいちゃん達に手を振っているとそのままお父さんは車を発進させた。
おじいちゃん達が小さくなって見えなくなるまでわたしは手を振っていた。
「あーちゃん短い間にほんと懐いちゃったね。」
「おじいちゃんもおばあちゃんも喜んでたぞ?
また早いうちに来て欲しいって。」
「そーだね。また早いうちに行かないとね?
あと風上のおじいちゃんおばあちゃんの方もちゃんと行かないとだね?」
「そうだねっ!今度は先に風上のおじいちゃんおばあちゃんの方に行ってあげなきゃだね。」
「あー。俺は留守番でもいいかい?」
お父さんはバツが悪そうにそう言ったけど良い訳がない。
「ダメよ〜。ちゃんとお父さんも一緒に行って顔だしてあげないと。お母さんの代わりに私達だけじゃなくってお父さんも元気な姿見せなきゃ。」
「あー、わかったよ。仕方ないなぁ。
じゃあ今度は夏休みくらいに顔出しに行こうか。
緋雪のスケジュールが空いたところに合わせるようにするから。」
「はーい。わたしも早めに喜多山さんに言って何日か開けておいてもらうようにするね〜」
「まあ、私達は大丈夫よね。夏休みになんか予定ある訳でもないしね」
「お姉ちゃん今年の夏は受験勉強なんじゃないの?」
「うぐっ!痛いところを突いてくるわね。」
「そういえばお前達ちゃんと勉強してるのかぁ?
まあ雪菜はそんなに心配してないけど茜はお父さん心配だよ。」
お父さんはしみじみといった感じでそう言った。
「まあ、お姉ちゃんは学校でも優等生だし大丈夫だよっ!ってわたし?」
いきなり飛んで来たわたしへの暴投にわたしはまるで対処もできなかった。
「あ〜ちゃん勉強大丈夫なのぉ?
勉強できるってイメージ全然ないんだけど…
ビリでもおかしくないんじゃないかと…」
「失礼だなぁ。わたしより下はいっぱいいるんだぞ?わたしは日向とか和希みたいにおバカじゃないもん!」
軽く失礼なことを言い出すひーちゃんにわたしは少しだけヘソを曲げながらそう返した。
「あの二人ってほんといつも成績悪いわよねぇ。」
「そうなの?なんかそんな風には見えなかったけど…
3人ともお兄ちゃんより勉強できるもんだと思ってた。」
「あー。ひーちゃん今わたしのこと少しバカにしたなぁ!」
そう言ってひーちゃんに軽く襲いかかる。
「うわぁ!ごめんねって!!やめてぇ。」
ひーちゃんがあんまりに可愛く情けなく叫ぶから可愛くってやめるしかわたしには手段はなかった。
「まあ、大和は見た目通り頭いいけど日向と和希は結構なおバカなんだからね?わたしの方が下とかありえないって。」
「その二人がダントツすぎて茜のバカが目立たないって感じだろ。」
「もー!!お父さんまでそういう事言う〜!!」
「そうよ!あーちゃんは案外頭いいのよ?
学年でだって中間よりちょっと上だし現代文と英語の成績なんて学年トップクラスなんだからね!」
「そうだそうだ!!英語と現代文なら大和にだって負けない成績なんだぞ!!」
そう言ってわたしは胸を張るけどよくよく考えてみたらなんで雪ねぇが張り出されたり教えたりしてないわたしの成績を知ってるんだ…
「ってなんで雪ねぇがわたしの成績知ってるのさ!」
「成績くらいの基本情報ならお姉ちゃんには筒抜けよ?」
「ゴミ箱漁って書類系調べてるなぁ!?」
絶対そうだ!わたしの部屋に勝手に進入してくるくらいだそこまでやっててもおかしく無い。
「え!?ち、違うわよ?ゴミ出しの時にたまたま…」
しどろもどろになってオロオロしている雪ねぇ。
こりゃビンゴだわ…それにしてもここまであからさまな反応を示すとは…
「今度から部屋のゴミ出しも洗濯も個別にして早めに部屋に鍵を取り付けなきゃ。」
「いやぁぁ!私の楽しみを取らないでぇ!」
「そんな最悪な楽しみなんてポイだよ!!」
全くせっかくいいお姉ちゃんなのに台無しな変態だよぉ…
そんなこんなでお喋りしていたらもう東京都内に着いてしまっていた。
「えぇ〜もう東京なの〜
またひーちゃんとしばらく会えなくなると思ったらさみしいよ〜」
「まだ首都高降りてないわけだしもうちょっと時間はあるんだからいっぱいお喋りして寂しくないようにすればいいって。」
「そうよ。それにメールだって出来るしMINEだって電話だって出来るんだから。」
最近作った3人のグループMINEもあんまり動いてはいないけどしっかり稼働してるわけだしそう言われたら確かにそんな気がしてきた。
「離れててもあたし達は姉妹の絆でつかなってるでしょ?」
「ふふっ。そうだね。じゃあパワーをもらうためにもいっぱいくっついておこっ!」
そう言ってわたしはひーちゃんに抱きついた。
「あー!!ずるいい!!
わたしもあーちゃんとイチャイチャしたいぃ!!」
ひーちゃんに抱きつくわたしを見て助手席で暴れる。
危ないって雪ねぇ。
「えへ。ごめんね?お姉ちゃん。でもさすがにわたしの特権でしょ?お姉ちゃんは毎日一緒にいるわけだし」
「ぐぬぬぬぬぬ!!」
抱きつくわたしを撫でながらそう正論を返すひーちゃんを見て雪ねぇは後部座席の方を覗きながらとても悔しそうにそう言って今にも暴れ出しそうな衝動をこらえていた。
「雪菜。少し大人しくしておいてくれ。
このままじゃ事故りかねない…」
「はぁい。…ひーちゃん降りたら絶対後ろ座るんだから…」
お父さんに窘められて雪ねぇはシュンとしてしまったけどなんだか少し怖いセリフを言いながらニヤニヤしてる…なんだか少し怖いよ!
「あたしがいなくなったからってあ〜ちゃん襲ったりしたらダメなんだからねぇ?」
「あ、当たり前じゃない。わ、私はそんなことしない…わよ?」
「雪ねぇのその言い方怪しくって仕方ないよ?」
「お姉ちゃんがそう言ったらなお怪しいよね。」
「二人してひどい〜。私はお父さんの近くで妹を襲うほど変態じゃないわよ?」
「だからって家で二人の時にやって良いわけじゃないんだよ?」
「「「え?」」」
「なんでひーちゃんとお父さんも反応してるのさ!!
お父さんなんてどこであろうとやったら犯罪だからね?有無を言わさず警察呼ぶからね?」
「雪菜ぁ。茜が冷たいぞ。」
「お父さん悲しそうに言ってもさすがに私は擁護できないわよ?」
「変態二人で仲良くしてれば良いじゃん。」
そんな風に喋っているうちに車は高速を降りて東京駅の近くの駅からすぐそばのラジオ局の前に着いてしまった。
「あ、もう喜多山さん来てるじゃん。
もしかしてちょっと遅れちゃった?」
「お父さん軽く挨拶したほうがいいか?」
「いいよ!!一般人ならまだしもお父さんなんか出て行ったら喜多山さんもびっくりしちゃうし恐縮しちゃうでしょ!!」
「そうか…」
そう言ってシュンとしてしまうお父さん。
なんだかんだ言ってお父さんはやっぱりひーちゃんラブなんだよね。
そんな事言ったら「お前達全員が大切だし愛してるんだぞ?」なんて言いだしそうだから絶対口に出さないどこ…
「じゃあまたね?今度はいつ帰れるかわかんないけどたくさんMINEとかで連絡するね!」
そんな妄想をしてるうちにひーちゃんは車から降りようとしていた。
「うん。頑張ってね。ひーちゃん。」
「あんまり頑張りすぎちゃダメよ?」
ドアを開けるひーちゃんにわたし達はそう声をかけて送り出した。
「うふふ。ありがと。じゃあまたね!」
そう言ってひーちゃんはラジオ局の建物の中に走って行ってしまった。
「うし。じゃあ帰りますか。」
コンコン。
お父さんがそう言って車を出そうとしたところで喜多山さんがさっきひーちゃんが出て行ったドアの窓を叩いた。
「おとーさん。ちょっと待って?」
「おお。わかった。」
わたしがお父さんに声をかけるとわかってるとばかりにそう返して喜多山さんが叩いた窓を開けてくれた。
「どうしたんですか?ひーちゃんの忘れ物とかですか?」
「違うわ。貴女に渡しておきたいものがあったのよ。
はい。コレ。葛原さんから預かってたの。」
わたしが尋ねるとそう言って肩にかけていたバッグから封筒のようなものを取り出してわたしに差し出した。
「コレ。なんですか?」
「それは開けてからのお楽しみね。
この前の事、いい返事期待してるわね。
あ、あと、お父さんにもよろしく言っておいてね。
それじゃあね〜」
そう一方的に言って颯爽とラジオ局の中に入って行ってしまった。
「嵐のような人ね。」
「前話した時はそうでもなかったんだけどね…」
雪ねぇが率直な感想を言ったから一応そう返したけどわたしの感想も概ねおんなじだった。
「まあ、時間なかったんだろうな。
彼女普段は結構おっとりしてる人だぞ?」
お父さんは喜多山さんについてそんな風に言って車を発進させてそのまま手慣れた感じで家路につくのであった。
東京で運転するお父さんは東京に慣れてる感じがすごかった。とても東京まで車でも2時間以上かかる田舎に住んでる人とは思えないドライビングでちょっとびっくり。
そういえば雪ねぇはひーちゃんが降りた時に後部座席に乗り換えなかったから高速のパーキングまで乗り換えられなくって悶々としてたみたい…
後部座席に乗り換えてからはやたらとベタベタして来て少しだけ気持ち悪かったもん。
まあ、変態モードにならなかっただけマシか。
帰ってからは帰ってくるのに疲れちゃっていたからかすぐに寝てしまって起きた時にはもう夜中だった。
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「あ、茜おはよ〜。……茜大丈夫?」
「え?なんのこと?」
久々に学校に行くと紀穂の席でボヤァっとしていた奏がそう聞いてきた。
…あ、そっか。昨日スカーレットのtwetterで発表したんだっけ。
学校も昨日お父さんが届出を出しに行ったから今日まで学校のみんなは知らないと思ってたのに。
「こんなこと聞くのもあれだけど気落ちしてるんじゃないかって…」
「うーん。確かに気持ちは落ち込んでるけどなんて言うか実感が湧かないっていうのが素直なところかな…まあ、お葬式でいっぱい泣いたしとりあえず少し落ち着いたかな…」
「そっかぁ。落ち込みまくってたらどうしようかって思ったけどある程度元気そうでよかった。」
「気を遣ってくれてありがと。
でもわたしは大丈夫だから心配しないで?
いつもどーりのわたしだから!」
『それでは次が最後の曲です。木曜日だって元気に行きましょー。今日の朝の放送は矢澤紀穂がお送りしました〜。バイバイ。』
わたしが元気な感じに心がけて軽く両手でガッツポーズをした瞬間に教室の放送が入って紀穂の声が聞こえてきて、曲振りと同時にお盆の時期に一日中やってる番組のマラソンの最後の方にかかる曲が流れて教室全体が変な感じの空気になる。
「そっかぁ…紀穂いないなぁって思ったら今日の朝ラジオの担当は紀穂だったかぁ。」
紀穂は朝ラジオの月曜と木曜の担当なんだっけ。
ちなみに奏は火曜昼のラジオと月曜と水曜と金曜の朝ラジオを担当しているらしい。
「そうそう。だからあたしがここに座ってたの。
なんて言うか狙ったかのような選曲だよね。」
「朝には似つかわしくないんじゃないかと思うよ。」
「それもそうだね。」
「「あはははっ。」」
なんかこうしておしゃべりするだけで楽しい気分になれる友達がいて助かったような気がする。
「おはよう。」
「んー。おはよっ…!!……どうしたの?その髪」
日向が来たと思ってた顔を上げようとしたら先に挨拶を返した奏が絶句して日向にそう問いかけた。
「!!…本当にひなた?」
わたしがワンテンポ遅れて顔を上げるとそこにいた日向はたいそう気に入っていたキレイなブロンドヘヤーを昔のわたしの様に赤メッシュを入れた奇抜な髪色に変えてしまっていた。
さすがにブロンドの部分は染めてない…って思ったらなんかいつもよりかなり明るい気がして来た…
「ブリーチまで入れちゃった。」
ああ、そうか。だからこんなに明るくなってるのか
「なんでそこまでしてるのさ!!
って言うか赤メッシュまで!」
「いやー。本当はさ〜。茶色もちゃんと入れようと思ったけど案外似合わなくって…」
いやいや、そう言うことじゃないでしょ!
なんでそんな髪型に…!!
「そんなに地団駄踏むなって。言いたい事はわかる。
でもな?これは俺のケジメで決意なんだよ。
俺はあいつを風化させるわけにはいかない。
俺があいつのやりたかった事を継ぐんだ。
あいつの音楽を…あいつの惚れた音楽をやり続けるんだ。」
わたしが言葉も出なくって暴れることしか出来なくなっていると日向はなおさら明るくなった髪の毛を弄りながらまるで自分に言い聞かせる様にそう語った。
「それでも普通そんな髪型にはしないと思うけど。
それに不謹慎だと思わなかったの?茜の気持ちは考えなかったの?」
奏が少し怒った様子でそう言った。
わたしの為にそこまで仲良くもないこんな見た目のクラスメイトに怒ってくれる女の子…
いい友達を持ったと思う…
「でもね。…奏?わたしは大丈夫だから怒らないで?
日向の言いたいことも気持ちもよく分かってる。
だから日向は責めないであげて?」
わたしは優しい口調でそう言った。
側からみたら日向の行動は兄を亡くした少女の前で兄を思い出させる行為だし褒められたものじゃないけど実際はそうじゃないし日向が言いたいのはどんな形になろうとも橙哉だった事実は変わらないってことだと思うしそれを少しでも残したいんだろう。
ある意味橙哉だった自分が生きていた証みたいで嬉しくもあるんだ…
「うう…茜がそう言うなら…」
「ごめんな。変な誤解させちゃって。」
少しショボンとしてしまった奏に笑いかける日向の顔はとても優しくってなんだかとても格好良かった。
笑いかけられた奏も少しだけ赤くなってしまって平静を装ってるけどなんだか恥ずかしそう。
ズキッ
あれ?なんでだろ。
胸が痛いや。またあかちゃんのお世話パターンかなぁ。
「茜?」
「大丈夫ぅ?」
日向と奏の呼びかけで我に戻ったからなんとかなったけどあのままじゃ危なかった気がする…
それにしてもなんであんなに胸が痛んだんだろ…
「茜?大丈夫かよ?」
そう言って日向がわたしの顔を覗き込んで来た。
ちょっ!!顔近いって…!!
なんだかとても恥ずかしくなってしまって日向を直視することもできなくなってしまってこの場から逃げ出したくなった。
「と、といれ…」
そんなわかりやすい言い訳を残してわたしはこの場を去る事を選択してしまった。
「あ、茜おはよー。ってどうしたの?」
教室を出るとき紀穂とすれ違ったけど応える余裕もなくわたしはスルーして教室から逃げ去ることしか出来なかった。
ごめんね。紀穂。
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「ねぇ。日向くんって実際どうなの?
茜をあんなに真っ赤にさせて…」
「ん?茜は親友だよ。大切な友達だ。
まあ、あんだけトイレ我慢させちゃったのは悪いと思うけどな…」
「はぁ。日向くんってドンカンなのね。」
(まあ、あの様子じゃ茜にはその気がありそうだけどね…)
「そうか?」
「ちょっと!茜になにしたらあんなになるのさ!!」
そういって紀穂が駆け込んで来た。
「なにしたって…トイレ我慢できなかったんだろ?」
「はぁ…あんたってステージに立ちゃあれだけかっこいいのに普段がニブニブデリカシーなし男だからダメなのよねぇ。
普通女の子がそんな素直に言うわけないでしょ?
我慢して漏れそうならなおさらよ。」
「なんだとぉ?茜はストレートな奴なんだよ!」
「その発言すらデリカシーなし男だって言ってんのよ!」
「はいはい。そこらにしときなよ。ほら、大和くんも来た事だしわたしも席戻るから。」
「おはよ。」
「「こいつが間違ってんだよな(ね)!大和(大和くん)!!」」
「そんなん正直どうでもいいわ。あれ?茜は?」
「お花摘み。」
「そっか。ごめんな。めんどくさいこいつらの相手させちゃって。」
「いやいや。大丈夫だって!あたしも長らく紀穂の親友やってるわけだし。」
「そっか。」
大和と奏ちゃんがそんな会話を交わして奏ちゃんが席に戻るとさっちゃんが入って来た。
さっちゃんは予鈴より早く来るタイプだからまだなんとか大丈夫だけど茜早く戻ってこなきゃまずいんじゃね?
「まだ来てない人もチラホラいるけどもうちょっとで予鈴なるから座っちゃってね〜。」
さっちゃんもそんな事言ってるわけだし。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
はぁ。トイレに行くって行って逃げて来たけど本当にトイレに行くのもなんかなぁ…
女子トイレに入るのもまだなんだか抵抗あるしなぁ…
そんな事を思ってフラフラしてたらもう予鈴がなる時間になってしまっていた。
「うっ!やばっ!
急がないとさっちゃんに怒られちゃう!!」
急いで教室に戻るとやっぱりホームルームを始めるところで教室に入るのに結構勇気が必要だった。
ガラガラ…
「あら、宮代さん。心配してたんですよ?」
あ。さっちゃんが苗字呼びするって事は怒ってるんだ…
「あの…ちょっと迷っちゃって…」
わたしはそんなわかりきった言い訳で逃げることしか出来なかった…
そのあと校内で一人でいるとクラスメートのみんなからやたらと迷ってないか声をかけられるようになったのはご愛嬌って奴なのだろうか…




