48話 わたしの将来
「えー。せっかくあたし帰ってきてるのに明日出かけちゃうの〜?」
「ごめんね?午前中ちょっと日向とお茶してくるだけだから。」
宝永堂のフルーツタルトを食べながら話題は明日の予定の話になった。
(夜にケーキとか食べたら太るとかそう言う言葉は全員が飲み込んだのだ…)
明日は少しだけ日向にアイドルとか事務所とかそう言う相談がしたいから日向とお茶に行こうと思ってる。
「まあ、いいんじゃない?今日の騒ぎもあるからレイクモールも行けないしどうせ今日はお家でゆっくりするつもりだったんでしょう?」
「どこかひっそりとしたところでお茶したりしようかと思ってたのに…」
「ほんとごめんね?…へくちっ…」
政寿司から帰ったわたし達は一階部屋に戻って順番にお風呂に入った後こうしてお茶を始めたんだけど部屋に戻ってしばらく色々考え込んだりウトウトしてるうちにわたしの順番は最後になってしまった。
正直何を言いたいかと言うとわたしはお風呂上がりで髪とかも完全に乾いてはいないのだ…
「ほらほら、ちゃんと乾かさないと風邪ひいちゃうし綺麗な髪がボサボサになっちゃうわよ?」
それは困る…案外この茜色の髪の毛は気に入っているのだ。お母さんから貰ったこの名前と一緒の美しい色の髪の毛だもん。
「タルトは逃げないからちゃんと乾かしてきなよ?
あと、洗面台のところにわたしのトリートメント置いてあるから使ってみたら?髪の毛サラッサラになるよ?」
「それってあの話題の洗い流さないやつ?」
「うん。結構いいんだよ?本当はスプレーも一緒にするといいんだけど忘れてきちゃった。
お姉ちゃんもよかったら使ってみる?」
「うんうん。是非!」
二人がなんかとても女の子な会話を始めてしまったのでわたしはいそいそと洗面所に行って髪を乾かしてしまう事にした。
もちろんさっき言ってたトリートメントは使おうと思うよ?せっかく使わせてもらえるみたいだし…
はあ…日向になんて話すべきなんだろ…
アイドルになるかもしれないって言うの?…
それじゃわたしがなんて言うかアイドルになりたがってるみたいだし中身がそこまで女の子なのかって感じもあるし…
「はぁぁぁぁ…なんて言えばいいんだろ…」
「なんの話だ?」
突然お父さんの声がしたと思って振り向くとちょうどお風呂から上がって腰にタオルを巻いただけのほぼ裸のお父さんの姿があった
「きゃぁぁぁ!!」
ペチン…。
驚きとお父さんの裸を見てしまった恥ずかしさから勢い余ってお父さんの顔…は届かないのでむき出しのその胸にビンタをかましてしまった。
ビンタをしたはずだけど軽い音が響き渡っただけでお父さんはケロッとした様子だし鳴った音だってとても情けない感じの音だったし…
自分の非力さを実感するよ、はぁ…
「ああっ、ゴメンゴメン…
って男の裸なんて見慣れてるだろ?…」
またこの男は…デリカシーのない発言を…
「お父さんわかってないなぁ!
わたしはもう女の子なんだよ!?これが普通の反応です!それに誰だって親の裸は恥ずかしいでしょ!」
「そ、そうか…ごめん…」
わたしの激しい剣幕にお父さんもタジタジと行った様子で謝ってくれたけどなんだか空気は微妙なものになってしまった。
「まあ、さすがに大事なところ隠してくれてただけよしとするしか…あ、…」
「あ…」
わたしがお父さんにそう赦しのコメントをしようとした刹那…
お父さんの腰に巻かれていたタオルがはらりと床に落ちた…
もちろん隠すもののなくなったお父さんの大事なところは丸見えになってしまって…
「きゃぁぁぁぁぁ!!」
ドスン!
今度は勢い余ってお父さんのお腹にグーパンを叩き込んでしまった。
「うっ……」
今度はちゃんと威力があったようでお父さんはその場にうずくまってしまった…
「えっ!…あっ…ごめんなさいっ!」
もうわたしはよくわかんなくなっちゃってそのまま洗面所から立ち去ることしかできなかった…
「あっ…あかっ…」
バタンッ!
そんなお父さんの呻き声が聞こえた気がするけど恥ずかしさでどうにも出来ないよ。
それにしても久々にアレを見た気がする…
昔はわたしにもついてたのになぁ…
1ヶ月前の事なのに全然思い出せないや…
まあ、思い出したら思い出したで恥ずかしさに悶えることになるんだろうけど…
「あーちゃん大丈夫だった?なんか悲鳴聞こえたけど…」
「またお父さんになんかされた?…」
リビングに戻るとわたしの悲鳴にも割となれたのか二人ともケロっとしてそんなことを聞いてきた…
「あっ、いや…わたしは大丈夫だよ?…お父さんは大丈夫じゃないかもだけど…」
わたしはそう返すけどまたお父さんの裸を思い出してしまって恥ずかしくなってきてしまう…
「あ〜ちゃん真っ赤になってるけど大丈夫?」
「お父さんになんかされたって事ね。とっちめておかなきゃ…」
「あっ!いや、事故だから…なんでもないからお父さんは悪くないから…
それにお父さんにはわたしがパンチ叩き込んじゃったし…」
なんかひーちゃんと雪ねぇが物騒な表情をしてそんなことを言い出したから焦ってわたしはそう付け加えた。最後はモジモジしながら言ったから二人に届いたかはわからないけど…
「私とりあえずお父さんの様子見てくるね?
さすがにあーちゃんのパンチではダウンしないと思うけど…」
「まあ、お父さんなら大丈夫でしょ」
リビングから出て行く雪ねぇにひーちゃんはそう声をかけた。
「ねぇ、明日午前中は日向くんに譲ってあげるから午後はあたしに付き合ってよ?外に行くのもいいし家でひーちゃんにピアノ弾いてもらうのもありかなって思うし…」
「うん。わかった。ちゃんと帰ってくるから。」
「約束だよ?ちゃんと帰ってきてね?」
「もちろん。可愛い妹との約束を破るものですか。」
「んふっ♪ありがと、茜お姉ちゃん。」
なんて言うか男だった頃のようにひーちゃんに接することができた気がする。
…まあ、身長はわたしの方が低いしスタイルだって…げふんげふん…身長はわたしの方が低いからなんて言うか様にならないけど…
スタイルはわたしはまだ成長途中なだけだもん……
ぐすん…
「どっちかといえばあーちゃんの方が妹なんじゃないの?それに双子なんだからそんなに明確に妹とかあるわけじゃないでしょ?」
「見た目じゃなくて中身の話だもん。」
いきなり会話に入ってきた雪ねぇにわたしは少しだけムスッとしながらそう返した。
「そうだよ?お兄ちゃんはいつでもあたしを守ってくれてカッコ良かったんだから!
あーちゃんはすっごく可愛いけどちゃんとお兄ちゃんみたくあたしをささえてくれてるんだもん。
だからやっぱりあーちゃんがお姉ちゃんなんだよ?」
ひーちゃんもわたしに続いて雪ねぇにそう返してくれた。
確かに雪ねぇからしたら二人とも妹だしあんまりわかんない感覚なのかもしれないけどわたし達の中には確実にどっちがどっちっていう感覚があるんだ…
「まあ、当人達がそう言うならそうなんだろうね。
でもねぇ。あーちゃんはわたしの妹だからね〜。
可愛いよ?可愛くて食べちゃいたいくらいだよ?あーちゃん?」
「うわぁぁ!変態がでたぁ!ひーちゃん助けて!!」
「お姉ちゃんも程々にするんだよ?気持ちはわかるけど…うふふ…」
なんかひーちゃんはひーちゃんで怖いよぉ…
「た、助けてぇ〜〜。」
今日も宮代家にはわたしの悲鳴と雪ねぇとひーちゃんの楽しそうな(少し気味の悪い)笑い声がこだまするのだった。…
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「おっすぅ。おはよ。」
「んば?おはよ…」
「あのさ、茜…さすがに女の子がそれはまずくない?…」
玄関先まで迎えにきてくれた日向はわたしの姿を見るなりそう言った。
「んば?たびしょーぶだほ…ふぁぁ…ほてーひゃんがひゃっへくべたふか…ふぁぁぁ…」(ええ?大丈夫だよ…おねーちゃんがやってくれたから…)
「俺じゃなかったら今の解読できてないからな!?
お前本当に朝弱いよな?せめてその開いてない目くらいは開けてから出てこいよ」
「ほへ?たびしょーぶだっへ…ふぁぁ…ひえへふほん…」(なんで?大丈夫だって見えてるもん。)
「そーいう問題じゃないって。いーから顔洗ってこいって。」
「日向よく解読できるわねぇ?
でも顔洗ってもこれだから…日曜日は割と起きられないみたいでね…」
「あ、雪菜さんおはよございます。
まあ、こいつとの仲は長いっすから。
とりあえず店まで行くまでに起きると思うんでちょっとコイツお借りしてきますね?」
「あ、もしかして日向くん?やほー。お久しぶり。」
「やほーって緋雪ちゃん!めっちゃ久しぶりじゃん!覚えててくれたんだね。」
「あったりまえじゃん。お兄ちゃんの親友のこと忘れるわけないじゃん。
それに小学校時代はたまに遊んだじゃん!幼馴染の顔を忘れるほどアホじゃないって。
まあ、日向くんもだいぶ雰囲気明るくなってて正直声聞くまでは分かんなかったけどね。」
「まあ、それはお互い様じゃない?俺も緋雪ちゃんも変わったってことで…」
「んまあ、それもそうだね。まあ、お互い触れないってことで。」
「そーいうこと。
そんじゃあ、手っ取り早く行って早く帰ってきますわ。緋雪ちゃんに早く茜を返してあげないとだし。」
日向はそう言ってわたしの手を引いて家を出た。
「んあぁぁ…日向ぁ…わたしはものじゃないんだぞぉ?」
やっと目が覚めてきたわたしはさっきの日向の発言にそう抗議した。
「はいはい。ごめんごめん。」
「むふぅ。ちゃんとそう思ってるぅ?ちんちくりんだと思って…」
あれ…なんていうか日向にイジられてるって…
むしろ逆だよな…普通…
「朝だけはこうやってお前をイジれる時間だもんなぁ…最近朝はちゃんと起きてくるからなんだか寂しかったよ。」
「むむっ。日向がそうやってわたしのことイジって遊んでたなんて初耳だぞっ。」
わたしはそう言って少し頬を膨らませて不満げな顔を演じてみる。
「あははは。ごめんごめん。いつもの軽い仕返しって事で許してくれよ」
「どうせわたしは覚えてないしコーヒー奢りで手を打つとしよう…
それにしても迎えに来てくれるなんて一体どんな心境の変化なのさ。」
「ん?まあ、今日はお昼には帰んなきゃって言ってたしあんまり時間ないし朝も早かったから寝坊するんじゃないかって思ってね。」
「全く…失礼だなぁ…ちゃんとスタジオとかライブとかバイトの日は朝早くても起きてたじゃないか」
(ぐぅ…全く図星だよ…わたしは今日朝寝坊をしてしまったおかげで日向の前であんな醜態をさらしてしまった。)
「図星だって顔してるぞ?…」
「ぎくっ…でもちゃんと時間には出てこれたもん…」
「はいはい。ちゃんと起きれたってことにしておいてあげるよ」
日向は必死に笑いをこらえながらそう言った。
「わ、笑うなぁぁぁ!!」
恥ずかしさのあまり日向に襲いかかろうとしてしまったけど寸前でなんとか思いとどまることに成功した。
昔だったら肩を組んで頭をグリグリする事も出来たから良かったけど今の身体だったら日向の胸元をポコポコ叩くのが精一杯だし下手したら抱きつくような体勢になってしまう。
それにわたしが襲いかかろうとした瞬間にだいぶ身構えている日向の姿を見て少しショックだった。
はぁ、危ない危ないまた日向に嫌な思いをさせるところだった。
「茜。別に俺にそんなに気を使わなくたっていいんだぞ?昔の通りに…は出来ないだろうけど茜の自由に接してくれていいんだぞ?」
「だからと言って日向の嫌がることをたとえ日向が嫌と思ってなくてもやるのは気がひけるし…
それに…変な誤解を招くのも…あれじゃん?」
日向が昔の通りに…のところで顔を赤くしたのを見逃さなかったわたしは少しもじもじしながらそう言った。
この言い方で日向がわたしの言わんとすることに気がついたのは言うまでもない。
うん。これで気がつかなかったらただのバカだもんね
。
つまりはイチャイチャしてるカップルみたいに見られたら嫌じゃん?って言うことだ。
昔みたいにわたしが後ろから肩組んだりしているのをわたしの姿で想像しただろう日向ならこのメッセージをちゃんと受け取ってくれるはずだ。
もちろんわたしの気持ちとしては日向を怖がらせたりしたくないって言うのが一番だけどこれはこれで困る問題なのだ。
「そ、そうだナ…あはは…別に想像したわけじゃないからなっ!」
なんて言うか日向が変な感じだ…よく言うツンデレ的なこれも日向がやるとなんて言うか軽くキモい…
「はいはい。顔を赤くしてた日向くんっ♪」
「うわぁぁ!!みられてたぁぁぁっ!!」
「道路で騒ぐのもほどほどにしようね?」
まあ、日向が顔を赤らめたって事は普通にちょっとムフフな想像をしたって事だからちゃんと女の子がニガテなのは少しずつ治ってきてるって事だ。
昔だったら女の子とそう言うことになる想像をするだけでじんましんが出てたくらいだし。
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「お前よくそんなの飲めるよな」
「はぁ?ストバに来たらフラペチーノ一択でしょ。」
「いやいや、それはないって。
で?話って?葬式についてとか?」
8時開店の駅前の某カフェで飲み物を頼んで席に着くとすぐに日向は真面目な顔をして本題に入った。
さっきまで顔を真っ赤にして道路で恥ずかしさにのたうちまわっていた日向からの落差でなんだか面白い…
「いや…そうじゃなくって…うぷっ、うぷぷ…
ぷはっ!あはははっ!!」
最初は真面目にわたしも返そうとしてたけどジワジワ面白くなってきちゃってついには耐えきれなくなって声に出して笑ってしまった。
日向は面白くなさそうな顔をして口をとんがらせて拗ねてしまっていた。
「せっかく真面目に話し出したのにさー…」
「ごめんね。ちょっといきなりの真面目顔が面白くって。今度はちゃんと真面目に答えるからさ。それでね話っていうのはこれの事なの…」
そう言って日向に湖の乙女についてまとめられたページを見せた。
「これって…今話題の…ん?…お前じゃんこれ。
パーカーの写真見れば一発だわ。」
「そう。わたしが世間でこんなに騒ぎ立てられてるからか色々とあってさ。」
含みのある言い方でそう言うと日向も上手い具合に食いついて来た。
「色々っていうと?」
「昨日日向レイクモール行ったとか行ってたけどひーちゃんがイベントしてたの見なかった?」
「んや?見てないぞ?俺は昼頃には帰ったしな。」
なんだ。まあ、確かに日向らしいかな。
「なんだ…ひーちゃんがイベントやってたおかげで昨日はレイクモールにも事務所の人とかといてさ。」
「スカウトされたってわけか。」
「まあ、間違ってないけど正しく言うとわたしが囲まれてたのを事務所の人達に助けられてそう言う事態になる事の対処の為にも事務所に入らないかって。」
キャラメルフラペチーノをストローでかき混ぜながらわたしはそう日向に言った。
「それで俺に相談ってことか。
でもよ。その人達ってお前の事知ってんのか?」
「流石にひーちゃんも言ってないと思うし知らないと思うけどタチが悪いのがお父さんが絡んでるって事。」
「え!?どう言う事?…お前のとーちゃんフリージャーナリストじゃなかったの?」
「自称フリーカメラマンね。」
日向の間違いを訂正したらなおさら頭に?マークを浮かべていたからちゃんと日向には説明する事にした。
お父さんの仕事の事とか色々と。
「まさか茜の親父さんがあの伝説のプロデューサーアカヤだったとは…」
「そんなにお父さんって有名なの?」
「そりゃあ音楽を志す者なら一度は耳にしたことがあるだろ。売れっ子バンドもバンバン見出してるしアイドルを手がけりゃトップアイドル。ユニットを手がけりゃ3ヶ月で武道館。数々の伝説を打ち立てた有名人だぞ?」
「わたし全く知らなかった…」
「その親父さんが娘をアイドルにさせようって?
成功は約束されたレールみたいなものだし乗らない手は無いと俺は思うけど茜はどうしたいんだよ。」
「わたしは…日向達とバンドがやりたい…
自分の音楽を貫きたい。」
「一生歌を歌って生きるチャンスをフイにしても?」
正直日向のこの言葉はグサッときた…
確かにわたしはそう言う生き方がしたいって歌ってないと音楽してないと死んじゃうとまで言ってきた。
でも、いざそのレールを前にしてみるとなんだかとても違和感なのだ…
「やりたい方向じゃなくてもその道に進むのかそれともやりたい音楽を貫くのか。
つまりはそう言うことだろ?俺はやりたい音楽で食っていくなんてなかなか出来るものじゃないって思ってる。バンドでやりたい方向に進んで行ったとしてやりたい音楽だけ出来るわけじゃないしこう言う経験は今のうちにするのもありなんじゃねえの?」
日向はそう言うけどアイドルになったら色々制約だってあるだろうしバンドだってできなくなるかもしれないし…
「それにアイドルになったとしてお前はまだ学生なんだし今の学校に残るって言う選択肢を取れば俺たちとの時間は取れるだろうしバンドだってできないってことはないだろ。」
そう言う考え方はなかったなぁ…
でもそれ以外にだって問題はあるもん。
「でもさ、あのアイドルのバンドがってなるのはわたしだって心外だし日向達だってそうじゃないの?」
「それを払拭できるくらいの音楽を作ればいい。
いろんな気持ちを、いろんな経験を込めるのが音楽だって橙哉は教えてくれたぞ?
だったら出来ることはなんでもした方がいい。
”空をかけろ大きな空へいま羽ばたけ”なんだろ?」
SKYの歌詞を引用してそう行ってくれる日向はなんだかとてもとてもカッコよく見えた。
ズキンっ…
あれ、なんだか胸が痛い気が…
気のせいか…
「そ、そうだよね。何事もチャレンジだよね。
ちょっと前向きに考えてみるね。
それにアイドルになるにしても歌えないとどうにもならないから歌の練習をきっちりしなきゃ。」
「うんうん。果てしなく前を向いてるお前の方がお前らしいよ。」
「明日からおじいちゃん家行くみたいだから帰ってきたらカラオケ一緒に行こうね。」
「そうだな。和希と大和も誘って行こうぜ?」
「いいねぇ〜。あ、ギターは昔と変わらず弾けるからスタジオだって入りたいなぁ。」
「ありだね。しばらくは俺が歌ってもいいわけだしな。」
「うんうん。そうだよね。日向のスカーレットすっごく良かったもん。カッコ良かったしそれにすごいいいシャウトだった。普通に日向のシャウトありきの曲も描きたいなぁなんて思ったくらいだし。」
「照れるなぁ…でもまあ、やっぱ俺の本職はベースだからさ、やっぱベースで魅せたいわ。」
「そんな話してたら曲書きたくなってきちゃった。
日向達の曲もすごく良かったしわたしもうかうかしてられないなぁ…」
「でもやっぱお前の曲が一番だよ。スカーレットの音楽性はお前が担ってるんだなって実感したよ」
「そんな事ないと思うけどなぁ。」
そんな感じで喋ってるうちに時間はお昼近くになってしまっていた。
ひーちゃんが怒るのも怖いし日曜の昼前ともなるとストバもコミコミなのでそろそろ帰ることにした。




