42話 ラジオと茜と三人のスカーレット
「それにしても新歓楽しみだね!」
「うん。それにしても茜本当に大丈夫?」
「そうだよ。見るの辛いんじゃないの?」
「そんなことないって。それにいくら見るのが辛くたってわたしは見なきゃいけないんだよ。
まあ、日向達がどんなに楽しませてくれるのか楽しみってのもあるしね。」
そんな話に花を咲かせているとすぐに講堂に着いてしまった。
「そう言えば放送部は出し物しないの?」
運動部とかっぽい子達がポロポロと着替えに席を立ち始めたので気になって二人にそう問いかけた。
ちなみに席順はクラスごとに場所が決められているだけで自由なので三人並んで座っている。
うちの学校はこういう所自由って言うかテキトーって言うか…
「するよ〜。まあ、それとほかに今年は部活発表の進行は先輩達がやりたがってたから先輩達がやるんだけど有志発表の進行をわたし達がやる事になってるの。」
「ちなみに先輩達がそっちに尽力してたから部活発表自体の中身は軽〜い感じでラジオの公録するって聞いてるわ。」
「軽い感じですること!?大掛かりなことしてるじゃん!」
「ちなみに軽音部と合同でラジオ中の音楽とかは全部生らしいよ?」
「どう考えてもメインイベントだよ!!」
この二人のボケ強烈すぎるでしょ…
普段ツッコミなんてしないわたしがツッコミに回るなんて…
「まあ、そんなだからわたし達は最後の方いなくなっちゃうんだよね。」
「あ、そっか…それはちょっと寂しいかも…」
「ごめんね〜。本当は一緒に居たいんだけどね〜」
「大丈夫!しっかり出し物に集中するから!」
そうだよ!今年こそはちゃんとどんな部活があるか把握しておかねば!
1年通った学校の放送部事情すら知らなかったんだもん!
「そっか。じゃあ、まあ安心かな。
まあ、幸い周りの席は女子ばっかりだし男子に変に言い寄られることもないよね。」
「そんないろんな意味で失礼な輩がいたら無視しちゃうよ。」
「最近はあしらいも慣れてきたもんねっ。」
そうなのだ!最近は声を掛けられることとかが多すぎてあしらうのも上手になってしまった。
下手にフランクに接するのはまあ、ダメに決まってるけど拒絶しすぎるのもダメみたい…
なんか拒絶されるのに快感を覚えるようになったのか何回も告白まがいな事を言ってくるバカまで出始めたから困ったものだ…
キーン…
楽しく会話していると講堂の壇上に生徒会の人達がやって来たので一気に講堂は静まり返った。
「それでは、星稜高校第53回の新入生歓迎会を始めたいと思います!
まず始めに、本日の主役新入生に入場していただきましょう!みんなで温かく迎え入れましょう!!」
生徒会長らしき人がそう言うとファンファーレ的な音楽が鳴り始めてそのまま講堂の後ろ扉が開いて胸元にリボンをつけた新入生が列を作って入ってきた。
最初に新入生が通る三年生のブロックでは通路側の一部の三年生が紙吹雪みたいなのを撒いて新入生を歓迎している。
「うわっ!成田先輩またあんな調子こいた事してるよ!」
「あの人はお調子者でどうしようもないからね…」
その人達の中でもひときわ目立って紙吹雪を撒きまくっている先輩をみて奏と紀穂が呆れた顔をしている。
っていうかあの一角すごい楽しそう…
「へー。あの人放送部なんだね〜…って隣で楽しそうに撒いてるのって…お姉ちゃん!?」
奏と紀穂のセリフにつられてもう一度一番目立ってる人の方を見たら隣で二番目くらいにはしゃいでるのはあろう事か雪ねぇだった。
「えっ、あれって雪菜先輩じゃん!
もしかして茜ってお姉様のリアル妹なの!?」
「あれ、言ってなかったっけ。
あれがうちのお姉ちゃんだよ。最近は本当にわたしにべったりで苦労しちゃうよ。」
「ちょっと羨ましいかも…
ラジオで何回かゲストに来てもらったけど緊張しちゃってとてもじゃないけど普通に話せなかったもん。」
「そんないいもんじゃないって。
あ、新入生達こっちの方まで来たよ〜。」
何故だかわたし達は3組なのに2年生でも一番前のブロックになっていてやっとこさ新入生がわたし達の近くまでやって来た。
わたし達が優しく手を振っていると通りかかる新入生達がわたし達の方を見てはヒソヒソ話しているのがちょくちょく見て取れた。
「早くも新入生にまで噂されてるわね茜。」
「まあ、これだけの美少女なら目立つでしょうからね。それにうちのクラス運動部多いから今スカスカだし…」
「え、またぁ?今度は新入生から声かけられまくる日々がやってくるのぉ?…」
「まあ、最近減ってきたんだしなったとしても一過性のものでしょ」
(まあ、どう考えても親衛隊とかいうやつらの仕業よね。)
(うんうん。なんだか着実に勢力を増やしてるみたいだもんね…)
紀穂と奏はわたしが少し肩を落としたら軽く返して少しヒソヒソ話を始めてしまう。
きっと声掛けられる数が減ったのはなんか裏があるんだろうな…
しつこかった奴ですら今日は一回も声を掛けて来てないわけだし…
「ねー。やっぱりなんかあるんでしょ?」
「ん?あ、ごめん。軽く部活の話をしてたの…」
紀穂がそう言って軽く流してしまった。
まあ、言わないって事はわたしが知るべき事じゃないんだろうし仕方ないか…
『それではここからは司会の方を生徒会から受け継ぎまして放送部ことラジオ研究会から私エドモンド成田と』
『河合すみれでお送りしたいと思います。』
そうこう考えてるうちに色々校長先生やらの挨拶も終わってさっきの目立ってた先輩がなんとも派手な格好と目だけを隠すマスクをして現れた。
それとは真逆に普通に制服を上品に着こなしたキレイな人が一緒にステージに立っているのでなんだかテンションに差がありすぎてカオスだ…
「なんていうマジシャンっぽい衣装だね…
司会者って言うより奇術師だよね…」
「その上あのキャラだからね〜…放送中はウザいことこの上ないよ…普段は普通のいい先輩なのに…」
「まあ、あれでもうちの学校のNo. 1パーソナリティだからね…」
「相方のすみれさんの苦労が伺えるよ…」
あっ、あの人相方なんだ…
すごいコンビだな…どんなラジオするんだろ…
『それじゃあ、さっそく今日のメインイベント行っちゃおうぜ!すみれちゃん!説明ヨロシクゥ!』
No. 1って規模と奏が言うとおり所々から「成田ぁ!」とか「エドモンド先輩〜!」とかが聞こえてくる。
綺麗ドコロのすみれ先輩への歓声より大きい歓声が響いているあたり本当に人気なのがよくわかる。
『はい。という事で今日は新入生歓迎会って事で晴れて私達の仲間になった君達に楽しい楽しい部活動の紹介をしちゃいまーす!』
『と、言うわけだ!それじゃあまずは運動部からだ!
テニス部〜ぅcome on!!』
そんなこんなで始まった部活ごとの出し物は運動部から始まった事もあってくだらないものばっかりでちょびっと飽きてきて眠くなってきた。
野球部の汚ったない女装ACB48とかサッカー部の放送コードスレスレのセクハラ漫才とか弓道部のさくら独唱とか誰が喜ぶんだよ…
ベタだったけどテニス部のボレーラリーとかの方が面白かったよ…
「あ、そろそろ運動部終わるわね。じゃあ、私達そろそろ行かなきゃだから行くね。」
「茜!寝てて放送部見てなかったとかしたらあたし達怒っちゃうからね?」
「うぇっ!?うん。わかった。楽しみにしておく。」
飽きが来たからか少しウトウトしていたわたしは紀穂と奏のそんな声に起こされた。
そっか、もう折り返しまで来たのか…
『次はぁ〜我らが放送部と軽音部となんとなんと今さっき決まった吹奏楽部の特別コラボ!』
『これで最後の部活動紹介だから目一杯楽しんでくださいねっ!』
そんな事を考えながら最初の方の文化部の活動をぼんやり見ていたら最後のコラボ発表になってしまっていた…
って言うか吹奏楽部すごいな!このタイミングになってコラボするとか正気の沙汰じゃないでしょ…
しかもラジオ公録なのに!
『それじゃあこれからは新入生歓迎会記念!
かさねとラジカのどりーむラジオの公開収録をはっじめたいと思いま〜す!!』
『先に新入生のみんなに説明しておくね。
私達放送部はお昼の時間にラジオ放送を行ったりこういうイベント事でラジオ放送をしたりさっきみたいに司会をしたりする部活だよ〜。
だから今日もお昼のラジオ「かさねとラジカのどりーむラジオ」の公開収録に協力してね。』
『とまあ、そんなわけで今回は軽音部と吹奏楽部の皆さんをゲストに迎えまして特別放送となります!
この模様は来週から水曜日のラジオ放送で2週に渡ってお届けするから楽しみにしててね〜!
それじゃぁ、行っちゃいましょう!』
『『かさねとラジカのどりーむラジオ!!
略して〜カラドラ!!』』
プロの様なタイトルコールの後にはしっかりちゃんとしたプロ並みの効果音も出されてまるで本物のラジオを聴いているかの様だった。
『それじゃあまずは今週の一曲目に参りましょう!
吹奏楽部でディ○ニーメドレーです!どうぞ!』
流れる様なトークから見事に曲振りを決めると舞台の幕が上がって吹奏楽部の演奏が始まった。
「す、すごい…ラジオって面白いかも!」
ちょっとラジオに感化されて見入っているといい感じにラジオは進んで次が最後の曲って感じになってしまった。
そう言えば日向出てきてないなぁ
軽音部で出るって言ってたのに…
『それじゃあ今回のゲストは軽音部の部長の郡山君でした〜最後は軽音部部長のバンドで締めてもらいたいと思います!曲はLOWSTANDARDでGOLD!』
そう振られて袖から姿を現した日向はガチな機材でワイヤレスなんかも導入しちゃって周りからかなり浮いていた。
まあ、周りがあまりに平凡でいかにも高校生バンドって感じの機材だからなのかもしれないけど…
演奏が始まってみて改めて実感けどやっぱり軽音部の人達と日向のスキルじゃレベルに違いがありすぎる…
軽音部の人達の演奏がかなり日向の演奏の足を引っ張っているように見える。
それに曲は乗りやすくって激しい曲なのに肝心のボーカルもギターもイマイチ普通って感じで激しさが見えてこない…
まあ、ドラムはベースに引っ張られてるからか割と安定しているように見えるけど実際ビミョーだなぁ…
まあ、調子こいて遊びを入れまくってリズムがよれたりしてないだけいい方か…
「んぐぐ…うーむ……」
なんか変な声聞こえるなぁ…
そう思って周りを見渡してみるとちょっと離れたところに座ってる男子のクラス委員の…名前なんだっけな…き…き…きむらくんだっけ?…
まあ、名前はどうでもいいや…そのクラス委員のきむらくん(仮)がステージを見ながらなんだかやきもきしているのが見えた。
なんだか嫌なものでも見るような顔をしているのがよくわかる…
そんなにこーゆう音楽嫌いなのかなぁ…
まあ、真面目そうだもんね。きっと静かな音楽が好きなんだろうな…
ちょっとよそ見をしているうちに日向達の演奏は終わって発表も締められている所だった。
『それじゃあ、部活紹介はここまでとなります。』
『でもなぁ!まだまだ楽しみたいだろう?
そんな君たちの為に盛り上がる余興を上級生が用意してくれたぞ!?サイコーに楽しんでくれ給え!』
『はーい。それじゃあここからの有志発表の司会は放送部の椎名奏と!』
『矢沢紀穂でお送りしたいと思います!』
『先輩たちはどうぞすっこんでてくれて構わないですよ?』
あははっ!奏すごい物言いじゃん!
また笑顔との対比が面白すぎっ!
『ぬぉっ!ものすごい物言いだなぁ…
まあ、そういう事なら君たちに任せようじゃないか…
それではまたラジオ放送で会おう!』
『またね〜!』
『それじゃあド派手な先輩方がいなくなった所でさっそく有志発表に進みましょっか!』
先輩たち二人がはけたと同時に進行を始めた紀穂もなかなかのものだと思う…
それに紀穂もなかなかの物言いでみんなの笑いを誘っているのがすごい…
『ちょっとその前に番宣させてね〜。
わたし椎名奏のソロラジオ『奏ちゃんのドキドキラジオ』が来週火曜日からお昼の時間に放送されます!
もちろん毎朝のモーニングラジオのレギュラーもまだまだ渡さないからね〜!』
『じゃあ番宣も終わった事だしさっそく有志発表行きましょう!まずは2年生女子の合同発表でダンスです!』
『『どうぞ〜』』
二人の絡みも振りもほとんど完璧じゃん…すごいよ…
まあ、これだけの先輩達に囲まれてたらそりゃこれだけ上達するか…
ダンスの発表が何個か続いたあと漫才研とか言う人達のコントや漫才が続いた。
漫才研の人達は個々で一つのお笑いだから部活発表よりこっちの方がいいって事で部活発表を蹴ってまでこっちに出ているらしい…
『時間も時間だからそろそろ最後にしましょうか』
『そうだね!最後はここら辺では結構有名なバンドさんが新入生の為にって事で一肌脱いでくれるみたいだよ?』
『そうなんです!実力的はプロ顔負け!
でもちょっとボーカルが休養中なので今日はベースの方が歌うみたいですよ!そこも必見ですね!
それでは、いいですか〜?…
スカーレットメモワールの皆さんです!』
ズクダンッ!!ジャーン!
奏と紀穂のちょと言いすぎ感まである振りが終わったちょうどそのタイミングで和希のドラムが入って三人でキメてEのコードをかき鳴らした。
かき鳴らしている間に幕が開いて三人の姿が露わになる。
って三人ともマジ衣装じゃん!?機材がいつも通りなのはそりゃあわかるけどってか和希バスドラとタム以外全部持ち込みじゃん!
『うぉらおら!お前達そんなとこで座ってるんじゃねぇぞ?サイコーに楽しむ為にはなぁ!席とかどうでもいいから前に来いや〜!』
ジャカジャーン!!ズクダッダッダダッダッダジャーン!!
日向の煽りと共に始まった曲はスカーレットでもしょっぱなに持ってくる事が多いナンバーのNOVAだった。
演奏を聞いて本物だと理解したからかはたまたテンションが上がったからなのかはわからないけど徐々に上級生達が前に集まり始めた。
『いいじゃねえか!もっと楽しもうぜ!ほら、新入生ももっと前で遊ぼうぜ〜!』
そう日向が煽ったからか上級生達に感化されたのかわからないけど新入生達もポロポロとステージ前に集まりつつある。
「わたしも行っちゃおうかなぁ〜…
でも最前男の子ばっかだし行ったら目立っちゃうよね…」
そんな風にやきもきしていると新入生が男子も女子も入り混じって最前に行きだしてわりかし最前が人でいっぱいになってきたのでわたしが混じっても大丈夫だと思って意を決してわたしも最前に駆け出す事にした。
『いい子達じゃないか。尺の都合であと2曲しか出来ないけど全力で遊んでこう!』
『って言っても最後の曲はバラードだから次の曲に全力をだしてね!!』
大和も和希もしっかりMCをして盛り上げてくる。
『それじゃあ行くぞ!盛り上がれぇ!SKY!
イェーアァァァァァァ』
ちゃんと日向もボーカルとしての役目を果たして最高の”叫び”を見せてくれた。
正直日向がこんなにいいシャウトを持っているとは思わなかった。
デスボイスでもなく、高すぎるわけでもなくなんとも絶妙なシャウトだった。
音的にもちょっぴり薄い感じは否めないけどそれでも普通にカッコイイしこんなのもありかと思ってしまう。
『空をかけろ!大きな空へいまー羽ばたけっ!ジャンプ!』
ここでジャンプをさせるところっていう所できっちり煽ってきてくれたおかげでみんなもポイントがわかったのかちゃんと飛んでくれた。
もちろんダイバーとかはいないけどそれでも限りなくスカーレットのライブって感じがする。
あれ、わたしの入る隙ないじゃん…
橙哉ならまだしも…自分の曲をまともに表現できないわたしなんて…
『最後の曲だけはさぁ、君達新入生じゃなくってある人に向けてやってもイイかな…
多分ビデオの先で見てるんだろうけど俺たちの大事なフロントマンと最近長い闘病を終えて慣れない学校生活を頑張ってる俺たちの大事な大事な友達に向けて…
普段フロントマンのそいつが曲を書くんだけどさ…
今回、俺たちだけで新しい曲を書いたんだ…
俺たちからのメッセージソングを。
不安な新入生のみんなの力にもなれたらいいなって思うからさ。全力だしきるからさ、聞いてほしい。』
少し涙ぐみながら言う日向に感化されてしまって周りの子達も少しずつ涙ぐんできている。
わたしもその例にもれず溢れる涙を抑えられないくらいに揺れ動かされている。
『じゃあ、歌うね。for friends』
そう日向が言ったことをきっかけに始まったイントロはしっとりしているのになぜだか激しくってメロディアスでとても心を打たれる…
わたしの引き出しにはない曲ってのがすぐにわかったしそれと同時にわたしが一番好きな部類の曲だった。
”100年先も一緒に笑おうって約束したあの日
君は僕らの前から姿を消した
僕らはいつも一緒にどれだけの努力を重ねただろう…
夢なんて現実にすぐ負けるんだなんて言われたって君が一番諦めなかった
今君が現実に押し潰されそうなら僕らが背中を押そう
今君が夢を諦めそうなら僕らが手を引こう”
AメロからBメロにかけてはなんだか手紙かのように一言一言語りかけられてる気がした。
日向が書いたであろう歌詞は
Bメロからサビに向けて盛り上がってくる曲調もベタではあるけど最高に気持ちを盛り上げてくれる。
”forfriends 一人じゃないから
forfriends 僕らがいるから
forfriends 君らしくいてほしい
forfriends 前を向け!!!!”
サビで感極まってわたしが下を向いた瞬間日向の前を向けっていうもはやシャウトな歌詞がグサッと心に刺さる。
それでも溢れてくる涙は止めらんなくってでもステージから目をそらすことなんて出来なくってどうしようもなくってぐしゃぐしゃになりながら曲が終わるまでステージを見つめ続けた。
2番もソロもアウトロでさえもカッコ良くってそれでいて三人の魂みたいなものが伝わってきて涙は止まる事を知らなかったみたいにずっと溢れ続ける。
『それじゃあ、ありがとう!
きっと伝えたい人にはちゃんと届いたはずだ!
君達新入生もいい友達をもってさ…時にはこうやってエールを送ったり送られたり、そんな素晴らしい毎日をここ星稜高校で過ごしてください!
どうも、スカーレットメモワールでした!』
ノイズが走るなか日向は最後のメッセージを残して最高に締めてくれた。
ズクダンッ!……
ジャァァァァン!
ウワァァァァァァァァァァァ!
最後の言葉をきっかけにしたキメも完璧でものすごい歓声があがったのに圧倒された…
『…あっ、はいっ!スカーレットメモワールさんありがとうございました!
もう一度大きな拍手をお願いします!
それじゃあ、皆さん席の方に戻って頂いて…
最後、生徒会からのメッセージで新入生歓迎会を締めたいと思います!それでは、生徒会長。お願いします。』
三人に圧倒されていたのか余韻に浸っていたのか三人がはけた後もしばらくぽかーんとしていた司会陣だったけど少しして奏が復活してそう繋げた。
『どうも、生徒会長です。ん?派手だって?
気にしない気にしない。ってうわぁ!』
『全くこいつは…どうも、本物の生徒会長です。』
席を立って前に集まっていた全校生徒の半数はいるのではないかというほどの数の生徒が戻るまでの少しの時間を軽いボケでエドモンド(笑)先輩が和ませてくれる。
『僕も色々喋ろうか考えてたんですけどね…
やめましょう。あれだけいいこと言ってくれたんでね!
新入生の皆さん!ご入学!』
おめでとうございまーす!!
パァン!
長々と喋りそうな感じで入った生徒会長の音頭で上級生みんなでそう言うとジャストなタイミングで新入生達の席の上に設置してあったくす玉が割れて紙吹雪が落ちてくる。
『それでは、新入生退場!
あ、紙吹雪で足元すべりやすいから気をつけてね!』
紀穂がそう言うといかにも退場な感じの音楽が流れ始めて。前の方の新入生達から退場していく。
そんな事が起きてる中わたしは席に戻っても涙は止まらず周りの女の子達に慰められながら泣いてることしかできなかった。
その後の事はどうも覚えていなかった…
意識が戻ったのは家に帰ってからだしどうやって教室に戻ったとかどうやって帰ったとかすらも覚えていなかった。
緋那ちゃんが助けてくれたんだったらいいんだけど…




