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茜色で描く未来  作者: みやしろましろ
橙哉→茜 茜の過去と今
34/68

34話 落ち着いて話を…

10/11

橙哉と茜の関係性を修正しました。


従兄弟→双子の妹でずっと入院していた。

「そろそろ落ち着いた?」


涙も止まって少し日向に甘えていると日向がそういってわたしの顔を覗き込んできていた。


その視線で我に返って今までの日向の言動とわたしの言動に急に恥ずかしくなってきた。



「うん。ご、ごごごめんね…

わたしなんかの彼氏役なんてやらせちゃって…気持ち悪かったよね…」


そうだ、友達だと思っている相手からこんなことされたりしたら普通気持ち悪いだろう。

そう思って日向から離れて高速で謝った。


「いや、そんな謝らなくって大丈夫だよ。

俺がやりたくってやったことなんだから。

それにこんなこと言うのはなんだけど弱ってる茜は割とかわいかったよ…」


日向が少し顔を赤くしてそういった。


「よかった。気持ち悪く思われてたりしたらわたし立ち直れないところだったよ…」


「そんな事俺が思ったりするわけないじゃん…

とりあえずここにいても目立っちゃうだけだしさっきの交番いこっか」


そういって日向は席をたった。


「そうだね。早めに行かないと大和たち待たせちゃうもんね…」


大和たちのことも思い出してわたしは早く済ませないとっていう思いが大きくなった。


「それは大丈夫だよ!トラブルに巻き込まれて遅れるってあいつらには連絡してあるから…」


そういって日向は笑った。ほんと仕事が早いこと…


そんなこんな話しているうちにさっき指さされた交番についてしまった。


交番の奥のほうからはなんだか怒号が聞こえてきている気がする…


「ごめんね―うるさくって。

ちょっと奥で取り調べ…事情聴取してるから騒がしくなっちゃってね

とりあえずそこにでも座って。」


交番に着くとさっき声を掛けてくれたお巡りさんがそういって中に入るように促してきた。


「いえ、大丈夫ですよ。

ちょっと人を待たせてるのでなるべく早めにしていただければと思います。」


「うんうん。わかった。じゃあ早速話を聞かせてもらおっかな…」


とりあえずそのままわたしはことの顛末をさっきの恐怖をときどき思い出して震えながらもゆっくりと話していった。



「そっかぁ…じゃあ、ナンパされて手を捕まれてちょっとお尻を触られているところにこの彼氏くんが助けに入ったらあーゆう状況になったってことね…はいはい…じゃあ、特に脅されたりってことはなかったってことかな?」


「はい、されたのは腕を強く握られたのとちょっとお尻を触られたくらいですね…」


「わかった。とりあえずこの件はあずからしてもらいます。

たぶんあのオラついたほうは暴行でチャラチャラしたほうは痴漢になるかなぁ…たぶん裁判になったりはしないだろうから何にもないと思うけどなにかあったらもう一回ちゃんとお話を聞くことになると思うから一応形式上ではあるけど二人ともここにサインしてもらってもいい?」


「「わかりました。」」


二人でそう頷いて差し出された紙にサインをして電話番号を書いた。


「うん。じゃあ、とりあえずこれで大丈夫かな…ごめんね。時間取らせちゃって。

お詫びにお兄さんから飴ちゃんとアドバイスをプレゼントしよう。

『女の子はしっかり男の子に守ってもらわなきゃだめだぞ』」


お巡りのお兄さんはそういって飴を渡してくれた。


「ありがとうございます。」


若干引き気味にそう答えたら日向が愛想笑いをしているのが見えた。


「うん。じゃあ、もう行っていいよ。気をつけて楽しむんだぞ!」


そう言われてわたしたちは交番を後にした。




「大和たち反対側のゲーセンで遊んでるっていうからとりあえずそっち合流するか」


交番を出てすぐに日向がそう切り出した。


「うん!そうしよう!

あ、でもわたしがいきなり行ったらまた喧嘩にならないかなぁ…」


すぐにそう返したけどよくよく考えると少し不安になる…


「まあ、大丈夫だと思うよ?

一応茜がいることは言ってあるし」


日向はそういったけど本当に大丈夫だろうか…

3日前のこともあるし大分心配だよぉ…


まあ、どうせ会って仲直りしなきゃいけないんだしこんなこと言ってられないよね。


そんな事を言ってるうちにわたし達がよく遊んでいたゲーセンに到着してしまった。

見慣れた風景のはずなのにあいつらがいると思うとどんどん鼓動が早くなる。


「あいつら2階で格ゲーやってるってさ。」


日向はそういってすいすいと階段を昇っていく。


「うん。そっか。久々にわたしもやろっかなぁ…」


学校帰りとかスタジオ帰りはよくこのゲーセンで格ゲーをして遊んだもんなぁ…



「久々対戦する?茜が入院してる間に俺はだいぶ上手くなったんだぜ。」


日向がそんなことを言ってる間に向こうのほうにいた大和と目が合ってしまった。


「あ、大和たちこっちくるみたい…」


向こうもわたし達を認識したようでこっちに向かって歩き始めた。

二人がどんどん近づいてくるにつれてわたしの鼓動も大きくなっていく。



「おつかれ、大変だったな…」


「もー!心配したんだよ?」


近づいてきた二人はいたって普通に声をかけてきた。


「ごめんな。待たせちゃって。」


日向もいたっていつも通りそう返したからなんだか頭が混乱してきた。

あれ?わたしと大和たちって喧嘩してるんじゃなかったっけ?


「とりあえず茜とこれ対戦するから待っててくれない?」


日向はそういってわたしが一番得意なゲームを指さした。


「お前それで対戦したら絶対負けるんだからやめておけって」


「この休み俺は特訓に特訓を重ねたからいい勝負ができると思うんだ。」


「絶対負けないから!コテンパンにしてあげるね」


まずは言葉でジャブを撃ち合いながらお互い対面に座ってゲームをスタートした。



「あっれぇ?おっかしいなぁ…」


お互い真剣にやった結果わたしがコテンパンにされてた…


「へっへん…どうだ俺の特訓の成果は!」


日向のキャラクターの必殺技が決まって同時に日向の勝利も決まった瞬間に日向はそういった。


「いや…、日向がうまくなったっていうよりは茜ちゃんが下手になってるってかんじだろ…」


「やっぱり感覚とか違ってきてるからかなぁ…」


大和と和希は冷静に今の試合を振り返っている。


「やっぱブランクって大きいんだね…

とりあえず話し合えるとこ行かない?ここじゃうるさいし」


そういってわたしはゲーム機の前から立ち上がった。


「そうだねぇ…いつものとこでも行こっか」


和希もわたしの意見に同調してくれた。

ちなみにいつものとこっていうのはいつも行くスタジオの隣にある喫茶店のことでわたしたちのたまり場になっているのである。

(ちなみにそこの喫茶店はスタジオのおっちゃんの奥さんが経営しているのでわたしたちも存分に溜まれるのである。)



「そうだな。ゆっくり話するならあそこが一番だな。」


「あ、おばちゃんにツケてある分下ろしてからに行かなゃ…」


大和と日向も同意してくれる。


「日向はお金ないくせにいろいろ頼むもんね」


そんな風に話を膨らませながらわたし達はいつもの喫茶店に足を向けた。


歩いて5分くらいの距離なのであんまり深い話にも発展せずに喫茶店についてしまった。


カランコロン…


「いらっしゃいませーってあんたたちか…ん?その子は?」


店に入るなりおばちゃんはそんなことを言ってきた。


「あ、初めまして。橙哉くんの双子の妹の宮代茜と申します。ずっと入院してたんですけどやっと最近退院したんですよ…」


とりあえずこれに関しては誰に対してもこういう建前で行こうと思ってるので真っ先にわたしがそういった。


「あらぁ…そうなの…そういえば橙哉君は大丈夫なの?」


おばちゃんはすぐに橙哉の話題を振ってきてくれた。

きっとおばちゃんも心配してくれてるんだろう…


「橙哉くんはまだまだ悪いみたいでアメリカに行って治療するみたいです…

何だかわたしと入れ替わりになっちゃったみたいで寂しいです」


こういう時のために家族で考えたでっち上げの橙哉の状態とわたしの来歴を目いっぱいに使ってそう説明した。


「そうなの…お大事にしてねって伝えておいて。」


「はい、わかりました。」


「おばちゃん。奥の席使ってもいい?」


わたしとおばちゃんの会話が終わったと見越した日向がそういって奥のほうへ進み始めた。


「はいはい。あそこはあんたたちのために開けてあるようなもんなんだから使って大丈夫ですよ。」


おばちゃんが優しい笑顔でそういった。



「「「ありがと!」」」


「ありがとうございます!」


わたし以外の3人はそろってそういった。

わたしもそろってしまうのはなんだか不自然なような気がしたのでちょっと遅らせてみた。


「橙哉って一応そういうことになってるんだね…」


わたしたちの特等席に座ったところで日向がそんなことを言い出した。

一応この席はこの喫茶店の一番奥の壁を隔てた先にあって秘密の会話用スペースみたいな使われ方をされている場所なので防音性もばっちりだし店員もよほどのことがなければ入ってこないのでこんなことを話すのにはうってつけなのだ…


まあ、ここの喫茶店の客は隣のスタジオ利用客ばっかりだしここらのバンドで人目を気にしなきゃいけないバンドなんてわたし達ぐらいだったのでしたがってこの席はわたし達の特等席と化していた…


「まあね、わたしもこのまま女の子として生きていくわけだし…

このことを知ってる人はやっぱり少ないほうがいいと思うからね…」


こういう言い方をするとまた大和達に火をつけてしまうかと思って内心ドキドキしてしまう…


「そっか、茜ちゃんはもうずっとそのままなんだもんね…

いろいろ考えたらそうするのが一番なんだよね…」


和希が割と理解を示してくれている感じでそういってくれた。


「茜ちゃん…ごめんね…

俺たちもあんな風に怒るべきじゃなかったなって反省してるんだよ…

また仲良くしてくれてもいいかな?」


あの意地っ張りな大和がそういって頭を下げてくれた。それに続けて和希も頭を下げてくれた。

その感動と仲直りできたことへの安堵で少し涙があふれてくる。


「もちろんだよ!これからもよろしくね!」


涙をぬぐいながらわたしは仲直りの意味も込めて握手を求めた。


「ありがとう。なんだかまだ慣れないけどこれからもよろしくな」


「よかったぁ…前のことで愛想をつかされちゃってたらって少し心配してたんだ…」


二人はそういってわたしが差し出した手をぎゅっと握り返してくれた。


「あははっ!わたしもおんなじ心配してたよ…

あ、あとさ、なんか違和感だからわたしのことは呼び捨てで呼んでくれない?」


わたしはいたって昔通りのようにそういった。

やっぱりこの二人からちゃん付けされるのは割と違和感がある…


「そっか。わかった。

それとさ、この前のお詫びと快気祝いってことでプレゼントを買ってきたんだ…」


わたしがそう言ったらもじもじしながら大和がそういってちょっとした小包を渡してくれた。


「オレと大和二人からのプレゼントだから!大事に使ってね。」


和希もいつもの高めのテンションでそういって身を乗り出してそうって来た。


「うわぁ!ありがとう!ねぇ!今開けてもいい?」


思いもよらなかった状況に思わずテンションがダダ上がりしてしまう…


包みを破ったりしないようにそっと優しく開けてみるとそこに入っていたのはわたしが最近好きになったバンドのラババンと可愛らしいシュシュだった。


「かわいい!かわいいっ!!すっごいかわいいよ!ありがとう!!」


割とほしかったラババンとわたしの趣味を踏襲したとってもかわいいシュシュにテンションが崩壊しかける。


「そんなに喜んでくれてうれしいよ…」


大和が若干引いてるのがよくわかった。


「あ、ごめん…はめ外しすぎた…これ今つけていい?」


「もう茜のものなんだから自由に使いなって」


いつもテンションの高い和希でさえも温かい目でそういってくる。


「ありがと!!… うん。可愛い!

それにしてもこんなかわいいの探すの大変だったでしょ…特に男だけじゃ…」


早速シュシュを付けてみてケータイで可愛くつけられていることを確認してわたしは世間話に会話を戻した。


「昨日レイクモールまで買いに行ってたんだけどさー。

もうほんと女の子の店に入った時の気まずさヤバかったよね!」


「うん、わりと入っていった時の視線がすごかったな…」


ふたりともその時の様子を思い出したのか少しげっそりしてしまっている。


「そういえば昨日といえば緋那ちゃんにあったぞ。

話も聞いたよ…茜もたいへんなんだな…」


昨日の話ってことで思い出したのか日向が不憫な子を見るような目でわたしを見ながらそういってきた。


「ああ、黙ってて悪かったねぇ…それに関してはなんて言ったらいいかわかんなかったんだよね…」


わたしはそんな顔しなくてもいいんだよっていう意味を込めてあっけらかんとそう言い放った。


「まあ、正直本人を見ないことには信じられなかっただろうしあのタイミングだったからこそ看護師さんの説明も聞けたわけだしよかったと思うよ」


大和が冷静にそう答えてくれてなんだか安心感がある。



「そうそう。それに緋那ちゃんとも軽くおしゃべりできたしよかったよ。

わりと緋那ちゃん可愛くってびっくりしたよ。」


和希はちょっとほっぺたをポリポリしながらそういった。

この和希の行動は照れ隠しだってのを長い付き合いで知っているのでなんだかほほえましくなる。


「それはあたしもかわいいって思ってるってことの裏返しってことでいいかな?」


わたしはそんな和希がなんかかわいく見えていじりたくなってしまって少しイジワルなかんじで言ってしまった。


「そんなつもりで言ってないし!!

それに茜と緋那ちゃんじゃ見た目は一緒でも全然違うでしょ…」


和希は顔を真っ赤にしながらそう言った。

それはかわいく見えて別にいいんだけどほかの二人がうんうんといった感じでうなずいていたのがなんだかムカつく…


「もうっ!!二人もおんなじ感じでうなずいてるのなんだかムカつくんだけど!!

わたしはかわいく見えないっていうの!?」


癇癪をおこすようにわたしはそういった。


「ごめんって…ちゃんと茜もかわいく見えてるって…

ただ昔からの仲だからそういう風に見えないってことを言いたいんだよ…」


「ごめんな…茜を傷つけるつもりとかはなかったんだ…

それにしても茜もかわいいとか思われたいってのはあるんだな…」


日向はそれとなくフォローしてくれたけど大和はイケメンらしい誠実な謝罪の後に少しデリカシーのないことをぶっこんできた。

まあ、それに関してはそう思われても仕方ないことだと割り切ってたし割と自分でも理解できていないところなので腹が立ったりはしなかった。



「うーん…もちろん可愛いって言われたりすればうれしいし可愛くないって言われたら落ち込んじゃうよ…

わたしでもよくわかんないんだよね…その辺…まあ、だんだん思考とか好みも女の子になってきてるわけだしそもそも脳がもう女の子だから仕方ないのかなってわたしは思うんだよね…」


「そうか…これからどんどん橙哉としての面影はなくなっていっちゃいそうだな…」


「まあ、これからも俺たちは仲良しなわけだしそのうち慣れることだとは思うけどね!!」


「わがままかもしれないけど茜のためにも橙哉がいたってことは劣化させたくないんだよね…俺…」


これに関しては三者三様の意見をもってそうだな…

まあ、これに関しては誰に言われようとわたしは揺るがないつもりだけどね…


「わたしは今も昔もわたしだよ…姿とかどうでもいい気がするんだ…

それに三人がわたしが橙哉だったことを覚えててくれればそれでいいよ」


わたしはわたしなりの答えを三人に話した。


「そっか。俺たちは絶対忘れないと思う…どれだけ茜が女の子になろうとも橙哉だったことは忘れないと思う…

あ、そういえば日向も買ってたよね…プレゼント…渡さないの?」


和希はにやにやわっるい笑みを浮かべながらそういった。


「えっ…今渡さなきゃダメかなぁ…」


日向はなんだかもじもじしてしまって少し気持ち悪い…


「楽しみだなぁー…日向も買ってくれてたなんて…

いったいどんなのなんだろう!!」


日向を少しいじってやるような気持ちと純粋な本音を半々ぐらいにわたしは日向を急かした。


「わかったよ!!はい!俺からも快気祝いってことで…」


そういって日向は少し細長い包みを取り出した。


「開けてもいい?」


「仕方ないなぁ…どうせ開けないと三人とも満足しないだろ?」


流石日向だね…いじられ慣れてるだけあって流れがつかめている。


正直細長い箱っていうのがちょっとだけ違和感だよ…

いったい何が入っているのかわからなさ過ぎて怖い…


さっきみたいに包装紙を破ったりしないように慎重に開けていく…

包装紙を開けるとそこには黒いスウェット地の箱が入っていた…


「えっ…これってもしかしてアクセサリー!?

高かったんじゃないの?」


まさかの高級感にわたしもテンションが上がっているけどそれ以上になんか申し訳なさが襲ってくる。



「まあ、安い店だったし…それに茜に似合うと思ってさ…

まあ、とりあえずつけてみてよ…」


真っ赤になりながら日向が急かしてくるのでその勢いにのせられた形で箱を開けた。


「ええええ!!これ可愛い!!……どうかな?」


箱の中に入っていたのはガラスのようなもので作られた茜色の雫のモチーフが付いたネックレスだった。

わたしは思わずそのまま身に着けて感想を求めてしまった。


「か、可愛いよ…やっぱり名前の通り茜にはそーいう色が似合うね」


「うん。さんざん日向悩んでたけどこれにして正解だったと思う…」


「この可愛さは割と反則だね!!中身とかどうでもよくなっちゃうよ…」


もうっ…みんなしてほめごろしすぎて恥ずかしくって仕方がないよ…


「もうっ…褒めてばっかり…

こんなに高そうなの貰っちゃって本当にいいの?」


「ぶっちゃけるとそれセールに出てたやつで結構安かったんだよ。」


「それを日向が見つけてビビっと来ちゃったみたい」


「そんなことまでばらさなくていいだろ?!」


大和がぶっちゃけて和希がそれをフォローして日向が二人にツッコむっていうわりとよく見るパターンがとても心地よい…

まあ、いつもはわたしが日向をいじり始めたりっていうきっかけが多いけど…


「ふふふっ…あはははっ…

やっぱりこの4人でいると楽しいなぁ…」


「そうだな。橙哉がいなかったから俺ら寂しかったよ…」


「そうそう。心配しまくってたんだからな!」


「茜が戻ってきてくれた本当に良かった。」


そういってみんな涙目になってしまう…

ちょっと…わたしまでもらい泣きしちゃいそうになるじゃん…


結局わたしはもらい泣きのはずが一番号泣してしまい3人を困らせることになってしまった。



☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆



「そういえばバンドのほうはどうすっか…

どう考えてもこのままじゃ活動できないよね…」


みんなが落ち着いたところで日向がそんな話題をいきなり振ってきた。


「ずいぶんいきなりだね…

まあ、わたしもバンドはみんなと続けたいって思ってるけどどうしてもいろんな問題が出てくるよね…」


ちょっとびっくりしつつもちょうどわたしもおんなじことを考えていたところなのでそっちの話題に持っていく


「そうだな…続けるにしたってメンバー交代とかってことになるだろうし…

そもそも茜の状態で橙哉のころのようなパフォーマンスはできないだろうし…」


「そうなんだよ!そこが問題だと思うんだよね!

だっていくら中身が橙哉だったとしてもどこにもその面影はないわけじゃん?」


大和も日向もおんなじように考えていたようで似たようなことを言ってきた。


「やっぱりそうだよねぇ…はぁ…

どうしよっかなぁ…」


「そういえば茜ギター弾いたり歌ったりできるのか?

体が変わっちゃったらやっぱりいろいろ変わるもんだろ?」


大和が痛いところをついてくる…

そうだよねぇ…そこなんだよね…


「正直なとこなんだけど…ギターは帰ってから一回も触ってないし歌なんて病院で歌ったときに錯乱して代理人格呼び覚ましちゃったくらいだし…正直わかんないんだよね…」


「じゃあそこわかんないとそもそも話にならないよ…

そこ一回確かめてみてからもう一回話そうぜ」


「そうだな。じゃあこれでこの話はおしまいってことで!」


いろいろ調べなきゃいけないってことが分かったことで日向が話を終わらせてくれた。


「あ、そういえば大和に彼女ができたって聞いたんだけど本当ぉ?」


ちょうど思い出したので直接大和に聞いてみた…

正直自分でも感覚があるくらい顔がニヤニヤしているのが分かる。


「なっ…なんでお前が知ってるんだよ!!!…

和希にも日向にも言ってなかったのに!!!」


あの冷静な大和が顔を真っ赤にしてそういった。


「え!!本当だったんだ!!

まさかこんな時期にとは思ったけど…」


「ええっ!!お前いつ彼女作ったんだよ!!」


日向は知らなかったみたいだけどやっぱり和希は情報仕入れてたんだね…


「わたしはおととい学校行ったときに保健室の小悪魔から聞いたの!

まあ、誰が相手なのかまでは特定してなかったからそこまでは知らないけど…

どうせ相手は希穂ちゃんでしょ?」


「んぐっ…」


わたしが相手を特定したら図星だったようで言葉をなくしてしまう大和。


「まあ、それしかないよね…」


「うん。どうせそんなこったろうと思ってたよ」


和希も日向もあきれたような表情をしている。

みんなどうせいつかくっつくと思ってたんだ…


「落ち込んでた俺を献身的に慰めてくれてさ…

ここまでしてくれる子だったらって…勇気を出して告白したんだ…」


大和は顔を真っ赤にしたままぼそぼそとそういった。


「お前もやっと気持ちに気付いたか!」


「これで希穂ちゃんも報われるね。」


「うんうん。いつかこうなるとは思ってたんだよね」


「そろそろ店しめるってよー。」


そんな話をしている最中に希穂ちゃんの声が聞こえた。


「噂をすればなんとやらって奴だね。」


そんな事をわたしが言ったところで希穂ちゃんがわたし達のテーブルゾーンに入ってきた。


「あれ、見ない顔だね…

3人でナンパでもしてたぁ?」


わたしを見るなり希穂ちゃんは少し機嫌悪げにそういった。


「あ、わたし橙哉の妹の宮代茜って言います。4月からみんなと一緒の学校通うからよろしくね!」


わたしは咄嗟にそんな風にしか言えなかった。


「そう。よろしくね!

とりあえずもう締めるから出てってもらえる?」


そう言った希穂ちゃんの目は大和を取らないかどうか見定めているように見えた。

少なくともわたしの目にはそう見えた。


「じゃあ出ますか。

とりあえずあの話は考えておいて。」


「じゃあまた学校始まったらね。」


「希穂。あいつはそーゆうのじゃないからな」


「わかった。信じるてるからねっ!」


そういって希穂ちゃんはわたしを睨んだ

わ、わたしは大和をとったりはしないから!


結局その場の空気に飲まれてこの場で解散となってしまった。


大和の雰囲気を見る限り希穂ちゃんと埋め合わせのデートでもこれからするんだろうね。

いいなぁーデートとか…羨ましーなぁ…


結局大和は残して3人で帰ることになった。

まあ、いつも通り何もなくただおしゃべりをしながらうちまで帰った。


いつもと違うのはいつもなら途中で別れる和希もうちまでついてきたことくらいだった。



この日は結局二人に送ってもらって家に帰った。


「あれ、このスーツケース…ひーちゃんのかな?」


玄関入ってすぐの所に可愛らしいスーツケースが置いてあったけどさほど気にも止めずにスルーしてしまった。


疲れてしまっていたのかとりあえず汗を流そうと思ってお風呂に入ったらなんだかすごく眠気が襲ってきてご飯も食べずに寝てしまった。

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