30話 日向と制服とわたし
「はい、じゃあまずはその可愛らしいお洋服を脱ぎましょう。それじゃ測れないから。」
オロオロするわたしとさっちゃんを連れて保健室に入ってドアに鍵をかけた国広先生は開口一番そう言った。
「そうですよね。宮代くんものすごく可愛くなっちゃいましたよねっ。
正直さっきびっくりしちゃいましたもん。」
国広先生の言葉を聞いてさっちゃんがそう返す。
いやいや、それ答えになってないよ…
「そうねぇ、わたしとしては少し残念だけどこんな可愛い茜ちゃんの面倒を見れるなら構わないわっ♪
茜ちゃんは早く脱いじゃいなさい?じゃないと脱がしちゃうわよ?ふふふっ…」
国広先生はお上品に笑ってみせてるけど怖いって…目が血走ってるもん…語尾に♪とかつけてるけどこの人結構血走っちゃってるもん…
なんだかこの人に脱がされるとあれよあれよと言う間に全裸にさせられそうなのでさっさと脱いでしまうことにした。
「「うわぁ……」」
わたしが着ていたブラウスを脱いでキャミソール姿になると二人して絶句してしまった。
あれ、そんな驚くほどのなんかあったかなぁ?
「き、綺麗…」
わたしがオロオロしているなか先に口火を切ったのはさっちゃんだった。
「え、綺麗?……??」
わたしは最初言っている意味がわからなかった。だって所詮キャミソール姿になっただけだしそれにわたしの身体は確かに可愛らしくは見えるけど綺麗だと感じたことはなかったから…
「ええ、とっても綺麗よ。しっかりと整ったプロポーションにほんのりピンクに染まった真っ白な肌がとっても美しく見えるわ。」
国広先生がまるで口説き落とすような口調でそう言ってきた。
今は同性だってわかっていてもドキッとするくらい色気たっぷりだったから今でも心臓がバクバクいってる…
「まるで美しい絵とか彫刻みたいです…」
さっちゃんはぽけーっと惚けてしまっている
「じゃあ採寸に入りましょっか。あんまり遅いと心配されちゃいますからね。」
そう言って国広先生は腕周りから採寸し始めた。
「あの…そう言えば話さなきゃいけない事があったんです…」
軽く世間話をしながら採寸を進めて最後足回りのサイズを測っているところでちょうど日向達のことを思い出したので切り出すことにした。
「ん?どうしたの?さっきの話にまだ続きがあったとかってこと?」
ぽやーっとわたしの採寸を見ていたさっちゃんがそう聞き返してきた。
「まあ、そうなりますかね。わたしの正体を知ってる人がこの学校にいるって話なんですよ。お姉ちゃん以外で…」
さっちゃんがお姉ちゃんじゃないのって言いたげな顔をしたので最後に付け足した。
「って事はそれを私達にも知っておいてできれば色々共有しておいてほしいって話よね。」
最後まで採寸し終えたのかさっきまでわたしの足回りのをゴソゴソやっていた国広先生が顔を上げて話に入ってきた。
「まあ、そういう事になりますね。でも少しもめてるっていうか…喧嘩になっちゃってて…」
「それで私達から話をつけてほしいってことかしら。」
少し国広先生の口調がキツくなった気もするけど怯まず行くしかない…
「そーゆうわけじゃないんですけど…もし仲直りできなかった時にはお願いしたいなぁって…」
ここで必殺うるうる上目遣いで落としにかかる。
「そんな顔しても私は落とせないわよって言いたいところだけど今回ばかりは仕方ないわね…
でもちゃんと仲直りできるように頑張るのよ?」
「はい!ありがとうございます!」
落としてから上げてくるなんてやっぱりこの人はやり手だなぁ…
まんまと引っかかっておきながらそんな事を考えてしまう…
「それで誰なの?知ってる子ってのは。」
わたしが座る横に足を組んで腰掛けてそう問いかけてくる国広先生。
いちいち仕草が色気たっぷりなんだよなぁ…
「わたしがバンド組んでる3人です。2組の汐崎日向と3組の籠原大和と中本和樹です。」
「ああ、よく一緒にいるイケメン達ね。」
「本当に仲良しなのね〜。」
二人ともある程度3人の事を知っていたらしく芳しい返答が帰ってきた。
「そう言えば最近大和くん彼女できたらしいじゃない!茜ちゃんは知ってた?」
「ええっ!やっぱりあいつら出来てたか…」
国広先生からわたしの知らなかった事実を教えられて素っ頓狂な声を出してしまった。
それにしてもやっぱり大和と希穂ちゃん出来てたかぁ。
最後のスタジオでいじられた時案外顔真っ赤だったもんなぁ…
怪しいなぁって思ってたんだよなぁ…
「その感じだと相手が誰か知ってるわねぇ…
教えてちょーだい…誰にも言わないから…」
国広先生はすごい興味津々に尋ねてきた。
「国広先生すごい興味の持ちようですねぇ…
その辺は養護教諭の性ってやつです?」
いや、どう考えてもこれは国広先生の趣味でしょ…それにしても養護教諭の性ってどーゆう事?
「まあ確かに往々にして保険室の先生にはそーゆう噂が舞い込んでくるものだし恋愛の相談に乗ったりもするから保険室の先生はそういう事に興味を持ちがちだけど私の場合は完全なる趣味よ。
それで、誰なの?大和くんの彼女」
国広先生はスパッと切り捨てて話をぶり返してきた。
「3組の矢沢希穂さんだと思います…
あくまでも確証じゃないですけどどっちにもその気があったっぽいんで多分間違いないと思います。」
「大和くんはあーゆう大人しめな子が好きなのね…そっかそっか…
とりあえずこの話はここまでにしましょう。とりあえず大和くん達の件に関しては茜ちゃんがうまく仲直りできそうでもダメそうでも一回全員でお話をする機会を設けましょう。
それと校長に言ってなるべく3人と同じクラスになるようにしておくわ。
それじゃあとりあえず戻りましょっか。
あっ、ちょっと待っててね。」
いつの間にか状況をまとめてくれた国広先生は何かを思い出したように保険室の隅の棚を漁り始めた。
「あったあった。とりあえず制服できるまではこの貸し出し用でいっぱい着こなす練習するといいわ。なんなら今教えてあげるから着て帰ったらいいと思うわよ。」
そう言ってせっかく着なおしたブラウスを脱がされてしまった。
「そうそう。まあ、セーラー服とかじゃないから簡単でしょ?あとはスカートの調節とかをうまくやれば…ほら、かわいい!」
少し困惑しているうちにスルスルと制服を着せられてしまった…
気を持ち直して目の前に出された姿見を覗き込むとまるで新入生のようにそわそわしながらこちらを覗き込むわたしが立っていた。
不思議とちゃんと女子に見えるのが救いだった。
「もっと男の子の女装っぽく見えるかと思ってました…でも、案外そう見えないもんですね…」
「そりゃあ茜ちゃんくらい可愛ければ少し着方とかが辺でもちゃんと可愛く見えるわよ。」
国広先生はそういうけど変に見られないかとても心配になる。
「まあ、私にはよくわからない話だけどそういう違和感みたいなものは慣れでなんとかなるものだと思うから制服着ていっぱい出歩いてみるといいわ。
じゃあ、校長室に戻りましょっか。」
そう言って国広先生はさっと保険室の扉を開けて促してくる。
言いたいこともわかるけどやっぱりそこを踏み出すのは少し怖い…
「茜ちゃん、私達もついてるから安心してね。いつでも茜ちゃんを守れるように私達がいるんだから。」
いつも頼りないさっちゃんがとても頼れそうに見えたし、その優しい語り口になんだか楓さんと似たようなものを感じて不思議と不安はなくなってきた。
「わ、、わかりました…頑張ってみます。」
わたしはモジモジしながら小さくそう返事して国広先生が開けた扉の方へ進みに保険室から一歩踏み出した。
「あれ、もしかして茜ちゃん?どうしたの?そんな格好で。」
踏み出した先の廊下に人がいると思ったら日向の声が聞こえてくる。
少し俯きながら歩いてたから日向の姿が見えたわけじゃないけどこの声は確実に日向だ。
「え、ああ…ひな…た…なんでここに…」
少しパニクりながら顔を上げるとやっぱり日向がキョトンとした顔で立っていた。
「それはこっちのセリフだよ。それにちゃっかり制服着て…どうしたの?」
「……あっ……ううっ…」
動揺したのと日向にこんな姿を見られた恥ずかしさから言葉というより雑音と言ったほうがいいような声しか出てこない…
「ん?どうしたの?…って言うか茜ちゃん制服似合うね。すごく可愛いと思うよ。」
日向がそんなこと言うもんだからさらに言葉は出なくなってくるしおまけに顔が熱くてたまらない…顔が真っ赤になってるのは明白だよね…
結局堪らなくなったわたしは保険室の中にそそくさと逃げ帰るっていう選択を取ることにした…
「日向くんって天然のジゴロなのかしら…」
とりあえず保険室の中に逃げ帰って扉を閉めて少ししたところでさっちゃんがそんな事を言い出した。
ちなみに扉の外では国広先生が日向に事情を説明してくれている。
「日向本当は女の子苦手だからあんなに自然にあんな言葉でてくるとは思わなかった…」
わたしもやっと落ち着いてきてはいたのでさっきの日向への対応を後悔しながらさっちゃんにそう返した。
「確かに日向くんは女の子と一緒にいたりだとか見たことなかったし浮ついた話とかも一切聞いたことないわね…
そういえば橙哉くんも…」
さっちゃんが最後一瞬ニヤッと笑ったのがわかったけどなにも反応しないでおこう…
きっとあれは触れちゃいけないやつだ…
「そうでしょ?それにあんなに女の子扱いされるとこっちも困っちゃう…」
思い出したらなんだかまた恥ずかしくなってきちゃって顔が熱くなってくる。
ガラガラ…
「まあ、困惑するのはわかるけどそれも慣れていかなきゃいけないことよ」
ドアが開いたと思ったら国広先生がそう言いながら入ってきた。
国広先生の後ろから状況を説明されて少し申し訳なさそうにしている日向が保険室に入ってくる。
日向が保険室の中に入ってくると国広先生がまた保険室に鍵をかけた。
「あのさっ、さっきはいきなりごめん。なんか俺もどう接したらいいか少しわかんなかった…」
「わたしこそごめんね。日向から女の子扱いされるのがなんだか恥ずかしくなっちゃって…」
なんだか二人してモジモジしてしまった。
きっとお見合いで打ち解ける前みたいになってるんだろうな…
「茜ちゃん。いきなりだけどさ、茜って呼んでいい?その方が昔みたいに接せられそうなんだよね。」
「えっ!?う、うん。いいよ?
わたしもその方がやりやすい…かな?
それにちゃん付けで呼ばれてたらわたしもどう接すればいいかわかんなかったからわたしとしても嬉しい話だよ。」
わたしはできる限り昔に近い感じで笑って見せた。
それを見た日向はなんだか顔を赤くしている。あれ?どうしたんだろ…
『あれは反則でしょ…可愛すぎっ…
あんなに爽やかに微笑まれたら可愛すぎるでしょ…茜は一体俺をどうしたいんだよっ!…』
日向は顔を真っ赤にしながらなんだかブツブツ言っている。
「初々しくて甘ったるい空気はそこまでにしてもらえるかしら?」
見かねた国広先生が少しむすっとしながらそう言ってきた。
「あっ、ごめんなさいっ…」
「すみません…」
二人同時に謝るような構図になってしまった。
「まあ、それに関しては半分冗談だけど正直二人がうまくやっていけそうで安心したわ。
それに日向くん、あなたの反応は正しかったと思うわよ?男のコとして。」
国広先生が場を和ませようとしたのかわからないけどそんなことを言ってきたからなおさらわたし達は恥ずかしくなってしまう。
「たぶんずっとこんな調子だと思うけど末永く仲良くしてあげてね。」
国広先生は日向の手を握って真剣な表情をしてそう語りかけた。
国広先生に詰め寄られたからかそれとも女性に囲まれていることに気づいたからか微かに日向が震えているのが見て取れた。
「大丈夫ですよ!日向とは昔みたいにやってくって決めたんですから。」
とにかく国広先生を日向から引っぺがそうとなるべくわたしの方に注意がいくように身振りを大きくしてそう言った。
「茜ちゃん健気ねぇ。でも大丈夫よ、私だってそのくらいのこと知ってるわ。
私は知っててどれくらいの距離感か試してるのよ」
国広先生はわたしの方を一瞥するとなんだか小さい子でも見るような目でそう言ってきた。なんだか少し腹がたつ…
「茜、大丈夫。俺だって慣れていかなきゃいけないことだし…
それに前に国広先生に相談した事あったから国広先生はこのこと知ってるから。」
少し弱々しい声で日向はそう言った。
日向のその様子が少し心配だったけどそれよりも保健室の小悪魔こと国広先生にその相談をしていた事の方がよっぽど驚きだった。
「まあ今日はこんなとこにしておいてあげるわ。詳しくはあと2人も交えてお話ししましょう、新学期初日に全員保健室でお話ししましょう。」
国広先生の方を見てみるとさっきまで女豹のような顔をしていたのに気づいたらいつものほんわかした雰囲気に戻っていた。
「じゃあ私達は一回校長室よるから。日向くんはどうするの?」
さっちゃんが日向にそう問いかける。
「じゃあ、茜のこと待っててもいいかな?一緒に帰りたくって…」
日向は少し恥ずかしげにそう言ってくれた。
わたしとしてももちろんOKだし日向がそう言ってくれた事がなんだか昔に戻ったみたいで嬉しかった。
「うん、いいよ!じゃあ校門のところで待ってて。わたし職員玄関から出なきゃいけないし…」
「わかった、俺も荷物取りに行かなきゃいけないからたぶん同じくらいだと思うけど待たせちゃったらごめんな。じゃあ、また校門で!」
そう言って日向は荷物を取りに向かって行ってしまった。
「じゃあ私達も行きましょっか。」
廊下を歩いていく日向の背中を眺めていると国広先生からそう声がかかったのでわたし達も保健室を閉めて校長室へと歩を進めた。
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「では、何かと大変だとは思いますが娘を宜しくお願い致します。」
お父さんは普段見せないしっかり社会人な雰囲気で丁寧に頭をさげる。
それに続いてわたしも頭を下げた。
「いえいえ、本当に大変なのは宮代さんの方でしょうからこれくらいはなんともありませんよ。大切な娘さんはしっかりお預かりさせていただきますので安心してください。
じゃあ茜さん、始業式の日は早めに学校に来てここに顔を見せてください。一応転校生という事になってますから。」
校長先生の優しい口調とその真面目な表情が信用してくださいとわたしに訴えかけてくる。
校長先生や国広先生やさっちゃんに全幅の信頼を寄せるわけじゃないけどこの人達なら信頼してもいいのかなって感じる。
「わかりました。いろいろありがとうございます!」
信頼の証って言ったらなんだけど信頼と感謝を込めて今出来る最高の笑顔で頭を下げた。
先生方はうんうんと頷くばかりだった。
「では、私達はこれで失礼させていただきます。」
お父さんがそう言って校長先生へもう一度頭を下げて校長室を後にした。
わたしもお父さんに続いて頭を下げて校長室を後にした。
頭を上げるときにさっちゃんが軽くこちらに手を振ってるのを見て少し笑いかけてしまった。
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「いい先生達でよかったな。それに制服似合ってるじゃないか。雪菜もいることだしこれで学校生活も心配ないな。」
職員玄関まで歩いてる途中にお父さんはそんなことを言ってきた。
「うん。そうだね。
…あのさ、帰り歩いて帰ってもいいかな?」
いいタイミングだったので聞いてみた。
「ん?まあ構わないけど俺は車で帰るからな?ここに置いていくわけにはいかないからな」
意外とあっさり許してくれた。
まあ、わたしも高校生だしさすがに夕方4時に1人で帰ることを止められるほどじゃない…
まあ、1人で帰るわけじゃないけど…
「うん。そのつもりだったよ?
お父さんについてこられても困るだけだし」
「その言い分は男とでも約束なんかしてるんじゃないだろうなぁ?」
お父さんは割とすごい形相でそんなことを言い出した。
「いやいや、この状況で逆に女の子と帰る約束してるほうがおかしいでしょ…わたしさすがにそんなプレイボーイじゃなかったけどなぁ…
それに日向と帰るだけだし別に男が出来たとかじゃないから…」
わたしはそう弁明するしかなかった。
「茜、男ってのはみんな狼なんだからな。
いっくら汐崎くんが幼馴染だからって…」
元男のわたしにそれ言ったところで意味はさほどないと思うんだけどなぁ…
「だぁーかぁーらぁ。日向とは何もないから!それにわたしが誰と恋しようが勝手でしょ?それに今はそれどころじゃないもん!」
なんだか本当に娘と父親の会話のような気がして少し笑ってしまいそうになる。
わたしとお父さんの関係もしっかり変わってくんだなぁ…
まあ、もともとお父さんとの関係なんてこの姿になってからようやく治ったようなものだけど…
「じゃあ、わたし校門で待ち合わせしてるから」
職員玄関を出るとわたしはそう言ってお父さんと別れた。
「気をつけて帰ってこいよ。」
お父さんのそんな声が後ろから聞こえた。
校門の方に目を向けると日向が自転車にまたがってケータイをいじっていた。
「お待たせ。」
「ん?おお、早かったじゃん。」
近づいて声をかけるとあまり待ってませんアピールのように白々しく返してきた。
「そう?待たせちゃったんじゃない?
あれ?日向ベースなんか持ってどうしたのさ?珍しいじゃん。」
普段学校に持ってこないベースを背負っていることが気になっていたので話題を振ってみた。
「え?ああ、これ?
軽音の奴らに新歓のサポート頼まれちゃって
今日もその練習で来たんだよ」
自転車を押しながら歩き始めると日向はさらっとそういった。
わたし達スカーレットは学校の軽音楽部には所属せずに活動していたのでお互いの仲はなかなか険悪だったはずだ…
「え、軽音の奴らからそんなこと言ってきたの?」
だから軽音の奴らからサポートの話が来るなんて正直信じられない。
「うん、なんか俺らが解散したと勘違いしてるみたいでさー。
忙しくないなら手伝ってほしいって言われちゃって」
日向が少し照れながらも困った様子でそう言った。
それだけ評価されているってことでもあるから良いことだと思うけどなぁ…
「わたしは解散したとか思ってないよ?
でもさ、色々あるから今はそれぞれ力を蓄えれば良いと思う。だから…日向も今できることを頑張れば良いさ!」
「そうだな、じゃあ茜は二人と仲直りするところからだな。」
「うん。そうだね…」
なんだか気分は昔に戻ったようだった。
「明後日暇か?あいつらと遊ぶからさぁ、そこで少し話をできればって思ったんだけど…」
「え?うん。空いてるよ。じゃあ色々言いたいこと考えておかなきゃっ」
わたしの家がもうすぐって所で日向はそんなことを言い出した。
きっと言い出し辛かったのだろう…
「じゃあ、また明後日だな。詳しくはメールするわ。」
「うん。じゃあね!」
家の前に着くとわたし達はそう言って別れた。




