24話 レイクモールへGO! 前編
「んああ…
朝起きるのつら…やっぱ毎日はムリ…」
今日も朝ご飯を作ろうと早起きして支度を始めたのだけれどもともと朝が弱いわたしは2日目にして毎日朝ご飯をつくるのは無理だと悟った…
「むしろ今日も起きれたってのがあーちゃんにとっては奇跡なんじゃない?」
珍しくわたしが準備を始めた音で起きだしてきた雪ねぇがミルクたっぷりのカフェオレを飲みながらそう返してくれた。
「もー。そんな事言うならわたし起きなきゃよかった…わたし頑張ったのに…」
「わかったわかった。ごめんねっ?
わたしも手伝うから…許して?」
わたしが拗ねたように振る舞うとさっきまでニヤニヤしていた雪ねぇは手のひらを返したように態度を変えてきた。
「わかった。じゃあお箸とか出しといて〜。
あと、終わったらお父さんとひーちゃん起こしてきて!お味噌汁作ったらあとは並べるだけだから」
雪ねぇが手伝ってくれるっていうからキッチン周り以外のこと全て押し付けた。
これでわたしはあとお味噌汁を作るだけになった。やったね。
「わかったわ…お父さんは起きないかもだからひーちゃん先に起こしてくるわねっ!!」
雪ねぇはニコニコしながらトタトタと階段をのぼっていった。
「はぁ…お父さんにケータイ新しいのねだろうと思ってたのに…起きなかったらどうしよ…」
「何をねだろうって?…」
ぶつぶつと呟きながらお味噌汁の準備を進めているといきなり後ろから疲れ切った男の人の声が聞こえた。
「おっ、お父さんっ…聞いてた?
なら、仕方ないや…お父さんっ!!ケータイ新しいのにしたいの!!お願い?」
わたしはおどけるように甘えるように努めて可愛らしくそう返した。
「んぐぅっ… そ、そんなに可愛らしく言ったところで何もでないぞっ!!
まあ、緋雪とか雪菜ならそう言ったところだけど茜の事だからきっと何か理由があるんだろ?その理由次第では考えてやってもいいぞ?」
わたしがお味噌汁を作る片手間で淹れたお茶を啜りながらそう言ったお父さん。
雪ねぇとひーちゃんはどれだけ信用がないのだろう…
チラッと廊下の方を眺めると雪ねぇとひーちゃんが階段から降りてくるのが見えた。
「まあ、それはご飯食べながら話すよ…
二人とも降りてきたみたいだしねっ!
ひーちゃんおはようっ!!」
わたしは話を逸らすように階段から降りてきたひーちゃんと雪ねぇを出迎えた。
「おはよっ!!」
「あれっ!お父さん起きてるじゃん…珍しいこともあるもんだね…」
朝からかなり元気なひーちゃんとお父さんを見て驚く雪ねぇ。
「もうお味噌汁できるから座って待ってて!」
三人にそう声をかけてわたしはお味噌汁ができるまでの間にご飯をよそって卵焼きを作ってテーブルに並べた。
並べ終わったところでちょうお味噌汁がいい感じだったので火を止めて味をみた。
「うんっ!美味しいっ!」
テキパキとお味噌汁をお椀についでテーブルに並べる。
そしてそのままわたしが席に着くとみんなでいただきますをしてごはんを食べ始める。
「ところでさっきの話の続きをしようじゃないか。」
わたしがお味噌汁をすすっているタイミングでお父さんはさっきの話を切り出してきた。
「そ、そうだね。簡単に言うとこれから女の子として生きていくのに昔のケータイのままじゃ橙哉だった事ばれちゃうなぁって思って…
それに、橙哉だったことを隠すうんぬんももう一回日向達と会ってみてから決めようかと思って…」
「「あー、そういうこと。」」
お父さんのいきなり振った話題についていけてない雪ねぇとひーちゃんだったけどわたしの切り返しを聞いて事態を理解したようだ。
それにしても2人して同じ反応でハモっているのがとても面白い。
やっぱりこの2人も似たもの姉妹だよなぁ…
「そうかぁ…橙哉だったことをどうするかによってはそのケータイも使えなくなるもんな…」
「ってかむしろ今の今までそのケータイだった事が不思議だよ…
いくらそのケータイで連絡するのが家族と楓さんくらいだったとしても普通気づくよね…
あ〜ちゃんさすがにそれはおバカでしょ…
あたしはきっと考えとか思い入れがあるからそのケータイを使い続てるのかと思ってた。
そうじゃないならお父さんはあ〜ちゃんの事見てなさすぎ…」
お父さんが考え込んでいるとひーちゃんがズバッと鋭い言葉を放り投げた。
「そうよね…普通気づくわよね…
私はなんで気付かなかったのかしら…」
その横で雪ねぇはボソボソと自問自答を繰り返している。
「普通だったら気付くかあ…そっか…そうだよね…」
私も少し凹んでいる。
でも、きっとわたしは女の子としてこれから生活していく実感がまだまだないんだろうなあ…
「まあ、あ〜ちゃんも大変だったろうしお父さんも書類申請とか頑張ってたみたいだから仕方ないよ…
それにお父さんとあ〜ちゃんが和解したのも最近だもんね。」
「じゃあ今日はケータイを契約しついでに買い物でも行くか。」
「「「やったー!!!」」」
珍しくわたし達3姉妹の返しが揃った。
「じゃあ、食器片付けたら着替えなきゃだねっ!!」
「あ、そういえばあ〜ちゃんのクローゼットにパーカーに合いそうなのと病院で着てたやつとか入れてあるから自分でコーディネートしてみたら?」
「そうね。何事も慣れだからね。
まあ、最後はわたし達が手を加えると思うけどやってみたら?」
ひーちゃんに食い気味に迫られて雪ねぇにとても楽しそうにそう言われちゃ断れないよぉ…
まあ、二人の着せ替え人形にされるよりはマシだしこれからは自分で服を選んでいかないといけないんだからいい経験か…
「わかった。サイコーに可愛くブルシムパーカーを着こなしてみせるわっ!」
そう言ってわたしは急ぎ足で部屋へと歩を進めた。
「お姉ちゃんはどんなスタイルでくると思う?」
「うーん。私はひーちゃんの桜色のふんわりミニとわたしの白のブラウスの上にブルシム着てくると思うわ。」
「いやー、あ〜ちゃんでもそれは合わないってわかるでしょ。
あたしはデニムのショーパンにロゴTにブルシムに黒ニーソ!!
やっぱりこれに限るでしょ!!!」
「いやいや、それってもはやひーちゃんの趣味じゃん…見たいだけじゃん…
まあ、私もそれは見たいけど…」
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「うーん…
結局このコーディネートしかないかなぁ…」
わたしは姿見を見て軽くポーズを決めながボソッとつぶやいた。
結局わたしはえんじ色のスカートみたいな見た目のハーフパンツとタイツを履いて上はヒラヒラした丈の長いロゴTシャツにブルシムパーカーを合わせた。
「うん。これでいこう。これなら少し気合入ってるように見えるでしょ…
でもやっぱりプルオーバーの方が可愛いよなぁ…」
そんなこんなでようやく腹を決めて階段を降りてリビングへ向かう。
「おっ、あ〜ちゃん可愛いっ!
全然アリじゃん!!わたしじゃ思いつかなかったかも…」
「あらっ、これはわたし達が手を加えることもなさそうね…
じゃあその分軽くお化粧してあげよっか!」
「えっ!!いいよっ!!恥ずかしいもん…」
「いいからいいからっ!!」
リビングに着くととっくに着替えてくつろいでるひーちゃんと雪ねぇに褒め倒されたあげく雪ねぇによってほぼ強引にお化粧をされる事になった。
「行ってらっしゃーい。」
リビングで悠長に手を振るひーちゃんを尻目にわたしはずるずると雪ねぇの部屋まで引きずられていく。
「やっぱりこのコーディネートのイメージに合わせて少し活動的な印象に仕上げようかな…」
雪ねぇはなにやらぶつぶつ言いながらテキパキとお化粧の準備を始めた。
「とりあえず教えたりはしないからどんなことするのかとかだけ見ておいて。」
雪ねぇはそう言うと化粧水やらなにやらをわたしの顔につけ始めた。
「んんっ…こそばゆい…」
「あんまり動かないで」
どうもこのお化粧されてる感じは慣れないなぁ…
そっちばっかりに気がいって雪ねぇのメイクに集中することができない。
これじゃあいつまでたっても出来るようにならないよ…
ここで集中するのよっ茜っ…
「はいっ、終わったわ。
あーちゃんはまだまだ綺麗なお肌だし元が可愛いから少しのメイクで済んじゃったっ!」
雪ねぇは病院でバッチリメイクしてもらった時の半分くらいの時間で仕上げてしまった。
こんなに早くってもちゃんと女の子らしい顔に仕上がってるから不思議なもんだ。
きっとわたしがわかりやすいように簡単なメイクにしてくれたんだろうな。
コンコン…
「はいっていい?」
「いいわよ。」
ガチャ…
「あ〜ちゃんの準備できた?
もしよければでいいんだけどさ…
あたしにもメイクしてくんない?」
ドアを開けてそろ〜っと顔を出したひーちゃんはもじもじしながらそう言った。
「あらっ、珍しい…自分で出来ないの?」
「その…メイク道具も持って来てないし…
メイクさんに教えてもらってはいるんだけどまだまだ苦手なんだよね…」
たいそう不思議そうな雪ねぇにひーちゃんはもじもじしながらそう答えた。
「そっか…ひーちゃん不器用だものね。」
うんうん。と頷きながら雪ねぇはサラッとひどいことを言った様な気がする…
「だからさ、お願いっ!!
せっかくあ〜ちゃんがこんなに可愛いんだからあたしも可愛いあたしであ〜ちゃんの隣に立ちたい!!」
ひーちゃんは顔の前で手を合わせながらとても真剣な表情でそう言った。
「ひーちゃんの気持ちはとってもわかるわ。
どうせなら三人で美人姉妹って言われたいものね。
それじゃあいつもの宮永緋雪のメイクでいく?」
雪ねぇが頬を赤らめながらそんな事を言っている。
そーゆう顔の時の雪ねぇはだいたいヤバイ妄想をしている…
ちなみに宮永緋雪とはひーちゃんの芸名である。
「なるべくばれない様にしたいからいつもとは違った感じにしてほしいな…」
「わかったわ!お姉ちゃんに任せなさい!!」
そう言って雪ねぇはまたテキパキと準備をこなし始めた。
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「おとーさーん。準備できたよー。」
全員分のメイクを終える頃にはお昼になってしまっていた。
早起きしておいてよかったぁ…
「おっ、なかなか準備に時間かかってたみたいだけど大丈夫だっ…」
お父さんは口をあんぐりと大きく開けて固まってしまっている。
「お父さん!?どうしたの!?…」
「あちゃー、あたし達の可愛さでお父さんフリーズしちゃったよ。」
「全くお父さんらしいったら…」
「お、お前らちょっと気合い入りすぎじゃないか?…
どこに行くつもりなんだよ…
たかだか駅前のエオンに行くだけだろ?」
わたし達が三者三様の反応を見せたところでお父さんが現実に帰ってきた。
「ええっ、エオンじゃ可愛い服あんまり売ってないじゃん!!
せっかくあ〜ちゃんの服も一緒に買おうと思ったのに!!」
「そうだよ、お父さん!
せっかくこんなに可愛いあーちゃんと一緒なのにエオンなんかじゃもったいないわよ。」
「お父さん、わたし…
レイクモール行きたいなぁ…」
3人でお父さんを落としにかかる。
女の子になった事を悪用するようで気がひけるけどこの際仕方ないと割り切って祈るように手を組んで上目遣いで目をウルウルさせながらおねだりをした。
「うぅっ…こりゃあ反則だ…
わかったよ…今日の行き先はレイクモールにしよう。
レイクモール行くなら俺着替えてくるわ、さすがにこんな格好じゃいけないだろ。」
お父さんはヨレヨレになったシャツの裾を摘みながらそういって寝室へと消えていった。
お父さんが着替え終わるのを3人で喋りながら待っていると玄関の方からお父さんの声が聞こえる。
「おーい、靴はどっちがいいと思う?」
「「「お父さんが一番気合い入ってる…」」」
わたし達は口を揃えて呆れを口にした。
「その服ならコレでしょ。」
雪ねぇが的確に靴を当てはめる。
「おお、これいいな…さすが雪菜だ。
じゃあ行きますか。車は家の前につけてあるから荷物持ったら早くこいよー。」
そういってやたらと気合いの入った服装のお父さんは玄関から出て行った。
「うん。じゃあ私達もいこっか。」
「うん」「りょーかい。」
雪ねぇの問いかけにわたしとひーちゃんは二つ返事で返してカバンをリビングに取りに行く。
ひーちゃんから借りた可愛いバッグを持ってわたしは玄関に向かう。
橙哉だった頃はカバンとか絶対持たなかったのになんだか少しの違和感を感じる。
女の子は持ち歩くものが多いからカバンを持たないと大変だ。
まあ、わたしはまだまだ持ち歩くものは少ないしカバンの中はお財布くらいしか入ってないのだけれど、雪ねぇにカバンを持つ習慣をつけろって言われたのでわざわざひーちゃんから借りてまでカバンを持ち歩く事にしたのだ…
「よし、じゃあシートベルト止めたかぁ?」
「「「はーい。」」」
「しゅっぱーつ」
助手席には雪ねぇが座り、後部座席にわたしとひーちゃんが座るという形で車に乗り込むとお父さんが張り切って車を発進させる。
うちの車はまだお母さんが元気だった頃に買ったものなのでファミリータイプの大きい車だ。
なのでいっぱい買い物しても荷物を持って帰るのに困らないのだ。
「そういえばあーちゃんケータイはまたリンゴのmyphoneにするの?」
「そうだねぇ…一個上のモデルが出てるみたいだしそれにしようかと思ってるよっ
やっぱりリンゴ社の製品が一番だと思うもん。」
「で〜たよ、あ〜ちゃんのリンゴ盲信。
さすがに信者すぎて怖いんだけど…」
「俺もリンゴの製品はいいと思うんだけどなぁ…俺なんてパソコンはwacじゃないと仕事ができないくらいだぞ。」
「ここにもリンゴ信者がいたか。」
「私もケータイの支払い切れたしそろそろmyphoneに変えようかと思ったんだけれど…」
「え、じゃああたしだけドロイド?
そんならあたしもmyphoneに変えようかな…」
「結局ひーちゃんはどっちでもいいんじゃん」
「「「「あはははっ」」」」
宮代家の車の中はレイクモールに到着するまで笑い声が絶えず響いていた。
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「つーいたー!!」
ひーちゃんは車から降りるなり車止めの後ろのスペースまで駆け寄って大きく手を広げながらそう言った。
御影山レイクモールはわたし達の住んでいる県で一番大きい山の御影山の麓にある湖の湖畔にある超大型ショッピングモールで駐車場が湖畔と直結しているところが大きなウリとなっている。
「やっぱりレイクモール来たら最初に湖行きたくなるよね!!」
「うんうん!!ここ風が気持ちいいもんね!」
わたしもひーちゃんに続いて湖まで駆け出して一緒になってはしゃぎ始めた。
「もうっ!今日の目的はお買い物でしょ?
ケータイなんて先に行かないと時間かかるんだからね!!」
湖畔ではしゃぐわたし達に雪ねぇがお姉ちゃんらしく急かしてくる。
「こうやってみるとあいつら似てるよなぁ…
やっぱり双子なんだなぁって実感するよな」
お父さんはなんだかわたし達をみて感慨深いといった様子だ。
「そうだ…ケータイ行くなら早くしないとっ!」
「あんまり遅くなっちゃうと大変だしね!」
湖畔ではしゃぐわたし達は雪ねぇの言葉で本来の目的を思い出して慌てて車の近くまで駆け寄った。
「あんまりはしゃぎすぎるとひーちゃんはばれちゃうかもしれないんだからほどほどにしときなよ?」
建物に向かって歩いている途中に雪ねぇに怒られてしまった…
まあ、ひーちゃんにとっては大事なことだしわたしも少しはしゃぎ過ぎたっていう実感はあるから仕方ないか…
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「それでは85番でお呼びいたします。
そちらでおかけになるか他の店舗をご覧になってお待ちください。
番号になりましたらお電話でお知らせいたします。」
ケータイショップに行くと受付のお姉さんが手早く手続きを済ませて番号札を渡してくれた。
ちなみに呼び出し番号が表示されるモニターには番号は56番、待ち時間は1時間30分と表示されている。
「じゃあ先にごはん済ませてこようか。」
「「「うん」」」
お父さんの提案で待ち時間でお昼ごはんを食べに行く事になった。
「ここのフードコート広くて凄いんだよねぇ!あたしもうお腹ペコペコだよ!!」
「わたしオムライスが食べたい!」
「フードコートならみんな食べたいもの食べられるんじゃない?」
そんなやり取りをするわたし達を見て心なしか受付のお姉さんが懐かしげに微笑んでいる
「じゃあフードコートだな。俺は何にしようかな…」
「あたしはパスタがいいかなぁ…」
「私はあんまり混んでないところがいいかな…」
「オムライス…」
そんな感じで各自に昼食を考えながらフードコートまでいくとちょうど4人席が空いていたのでダッシュで席を確保する。
「取れたよー!!」
「ありゃ、取られちゃったか…
って…え?…茜ちゃん?」
席に荷物をおいてお父さん達にアピールをすると後ろからなんだか聞き慣れた声が聞こえた。
「あれ、なんでわたしの名前を?」
そう言って振り向くとそこにはアホ顏をした日向の姿があった。
「え、日向…くん!?」
「あ〜ちゃんまた何かやらかしたの?
うちの茜ちゃんがごめんなさい…って日向くんじゃん…」
わたしもあんぐりと口を開けてアホ顏を晒していると駆け寄ってきたひーちゃんが呆れ顔で話しかけてきた。
「あらあら、二人とも大丈夫?」
「茜、あんまり人様に迷惑かけちゃダメだぞ」
そこに雪ねぇとお父さんも合流してきた…
「え、え?…なんで茜ちゃんと緋雪ちゃんとか雪菜さんが一緒にいるの…?
それに…そのパーカー…リミテッドパーカーじゃん…入院してた茜ちゃんが手に入れられるものじゃない…」
日向はひーちゃんや雪ねぇを見るなり目を丸くして驚いている。
しかもわたしの着ているブルシムリミテッドパーカーの存在に気付いたらしく相当混乱している様子だ…
「あら…もしかして私達合流しない方が良かったパターンかな?…」
混乱してる日向をよそに雪ねぇはボソッとそう言った。
過ぎたことを言っても仕方ないよぉ…
それにしてもどうしよう…
「しかも橙哉が入院してるって言うのにこんなところでみんなと茜ちゃんが集まってるなんてありえない…もしかして…」
「日向。話があるんだけど…」
このままだと遠からず茜が橙哉だという結論に至るだろうしそうなるくらいならわたしからカミングアウトするべきだろう…
「とりあえず座ろっか?」
「お父さん達はごはん買ってくる。
茜はオムライスでいいか?」
「うん、ありがと。デミグラス乗ってるのがいいなぁ…」
「わかった。ほら、行くぞ。」
わたしが日向に座るように提案するとお父さんは気を使ってひーちゃんと雪ねぇを連れてごはんを買いに行った。
「日向少し時間取れるよね?」
「うん。和希と大和には野暮用って言って先に飯食ってもらってる。」
わたしが落ち着いて問いかけると日向も至って落ち着いた様子で返してくれた。
「そっか…二人も来てるんだ…
後で二人にも話さなきゃね…
もう気づいてると思うけどね…
わたしが橙哉なんだ。」




