掃除機
それはすごい掃除機だった。
ある博士が発明した掃除機
ダイソンでもなければ
ルンバでもない
また、レイコップでもない。
そもそも、この博士が発明した
掃除機は、ゴミを吸わない。
この掃除機が吸い取るのは、
”悩み”そう、人間が悩んだとき
この掃除機で吸われると
悩みが解決する。
解決すると言うより、
悩んでた気持ちが吸い取られる感じ
なので、根本的に解決するわけではない。
例えば、お金が無いのが悩みで
この掃除機に吸われると
お金のことで悩む気持ちはなくなるけど
お金が手に入るわけではない。
しかし、人はこの掃除機を欲しがる
のである。
なぜなら、人は心で左右されるからだ。
例え実際お金が無くてもその悩みが
消えたら、お金なんてどうでもいいのである。
そしてこの掃除機は、世界中に
普及していくのである。
つまり、人類の悩みは
この掃除機が普及すればするほど
無くなっていくのである。
正確に言うと悩む気持ちだけが
無くなっていくのである。
仕事のない人はいつまでも
働こうとはしない。
だって仕事が無くても平気だから、
恋人のいない人はいつまでも
ひとりである。
だってひとりでも平気だから
会社が倒産しても平気
家族が亡くなっても平気
食べ物が無くても平気
熱くても、寒くても平気
戦争は起きないしかし
何の発展も進歩ない。
悩みがないから
解決することがないのである。
人類の心は豊かになり
世界はどんどん荒廃していく
もうそれを止めるものもいない。
そして、人類は滅びた
でも平気なのである。
悩むことがないのだから。。。。。