ノノちゃん
−銃弾が、四方八方から、矢継ぎ早に飛んでくる。
私はそれを、ヒョイヒョイ、とよけながら必死に機械を操作する。
あとひとつボタンを押せば・・・
というところで記憶が途切れ、
私が倒れていくのが見えた。
・・・私が倒れているのが、見えた?
じゃあ、私は誰?
私は、海上奈那架。
ならば、今倒れたのは?
あれも、海上奈那架。
私が、二人・・・?
*
「・・・なか・・・ ナナカっ!」
「ん・・・」
眩しい光が差し込む部屋の中。
と言っても朝の清々しい光ではない。
「相変わらず眩しいいいいいー・・・!」
ここは、時空管理局F8。
部屋を覆うようにして高く積まれる大量の本と、
異様な光を放つこれまた大量な機械が所狭しとつまられている。
只今、朝・・・・・・4時。
「ここここ、こんな朝早くに起こさないでよぉっ!?」
朝4時に起きたことなんて、多分ない。
「朝からうるさい。静かにしてよナナカ」
ひどい。朝4時なんかに起こして、さらに超冷たく怒られた。
うぅ・・・眠い・・・。
「準備出来てるの?」
「できたよ~・・・多分・・・」
「知らないからね、忘れてても。」
「・・・・・・ケチぃ・・・」
「忘れたら自分の責任でしょ。」
のそのそと動き出し、鞄を探る。
えっと・・・
食べ物と、服と、ライト・・・
大丈夫、かな。
どうせ本当に向こうで過ごそうとも思ってないし。
いいんだ、こんなもんで。多分。
・・・それにしても、ノノのカバンはでかい。
キャリーバッグ(大)・カバン(中・小)ウエストポーチ(×1)
何が入ってるんだか。
「あとどれぐらい・・・?」
「2時間31分45765秒」
「細か・・・ってかあと2時間半寝られたじゃん・・・」
「ナナカなかなか起きないし。」
まぁ、いいか。
起きられなくなるのが目に見えてる。
ノノの言うことが正しいし。
ノノは、途轍もなく不思議な少女だ。
移動するときは上記の荷物をすべて持ち歩いている。
(重くはないらしい。)
あと、すごく髪が長い。
髪は多分もうじき床につく。
いつから切ってないんだろう・・・
髪の量も多くてモッサモサなのに(笑)
綺麗な顔してると思う。
羨ましい・・・
あと、ノノは
いつも多量の装飾品を身につけている。
きらっきらのイヤリングにネックレス。
腕時計もラメが入ってキラキラしてる。
おまけにカチューシャまで縁にキラキラの飾りが付いてる。
どこまで光らせたいのか知らないが、
何があっても取りたくないらしい。
ノノがなぜ、異常なほどに装飾品に執着するのかは・・・
私には、わからない。
ただ、この話をしようとする時、
心の中にひどく嫌そうな顔を隠していることは、
嫌でも、よくわかった。
おつきあい、ありがとうございました。
まだ、続かせたいと思っております・・・
さすがに、ここで終わるわけにもいかないので、ね。