表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新選組・業務改善日誌 ~転生沖田総司は合理的に幕末をデバッグする~  作者: 斉宮 柴野


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/4

池田屋デッドオアアライブ

六月の京都は、湿度と血の匂いがよく混ざる。


この物語は、歴史の隙間に落ちた一人の女が、

剣と論理と化粧道具を携えて、

「正しい仕事」をしに行く話である。


正義でも、忠義でも、愛でもない。

ただの業務だ。


もしこの先で、誰かが死に、誰かが笑い、

誰かが血に濡れたとしても、

それはすべて、合理的な結果に過ぎない。


さあ、労働時間はもう始まっている。

御用改めよりも先に、

まずは自己管理から始めよう。

六月の京都盆地は、巨大な加湿器の中にいるようなものだ。



空気が重い。水分含有量が飽和状態に近い。皮膚の表面にまとわりつく湿気が、不快指数を論理的限界値まで押し上げている。


ここ、壬生の前川邸の広間も例外ではない。閉め切った空間に、むさ苦しい男たちが密集している。酸素濃度が低下し、代わりに男臭さと油の匂い、そして緊張による発汗の酸っぱい匂いが充満している。


換気が必要だ。労働安全衛生法があれば、この環境は即座に改善勧告の対象になる。中央で揺れる蝋燭の炎が、網膜に不安定な光の波長を送ってくる。


このフリッカー現象は視神経を疲労させる。照明設備への投資をケチる組織に未来はない。


私は廊下を歩く。歩行動作に若干の違和感がある。骨盤底筋群に疲労が残っている。大腿四頭筋にも軽い張りを感じる。だが、これは名誉ある業務の代償だ。広間の前に立つ。中からは、男たちの低い唸り声と、感情的な議論のノイズが漏れ聞こえてくる。非効率だ。 会議という名の「お気持ち発表会」が開催されていることは明白だ。深く息を吸う。横隔膜を下げ、肺に酸素を取り込む。呼吸器系に異常なし。咳き込む予兆もない。よし、突入エントリーする。


襖に手をかける。摩擦係数を確認しながら、静かにスライドさせる。開口部から視線が集中する。男たちの視線。それは上司や同僚としての目線と、異性を見る目線が混濁した、非常に解析の面倒なデータだ。着物の襟元に手をやる。少し緩んでいる。直前の「業務」が激しかったため、着付けが崩壊寸前だった。鎖骨周辺の皮膚に赤い鬱血痕キスマークがないか、指先で触診して確認する。見えればセクハラの対象になりかねない。もっとも、この時代の倫理観コンプライアンスにそんな概念は存在しないが。


手には懐紙を持っている。体液を拭き取った残骸だ。これを焼却処分する前に、会議に遅刻しそうだったので持参してしまった。証拠隠滅ガベージコレクションが不完全だ。


土方さんが私を睨む。副長。この組織の実質的なCOO(最高執行責任者)。眉間のシワの深さが、彼のストレス値を物語っている。コルチゾールの分泌量が過多だ。


「……お前、会議の前に何やってんだ!この色ボケ!」


土方が吠える。音声デシベルが高い。鼓膜が振動する。「色ボケ」という評価は心外だ。私はただ、最適解を選んで行動しているに過ぎない。


「人聞きが悪いですね。これは『部下のモチベーション管理』および『性欲処理によるストレス値の低減』という業務の一環です。効率的でしょう?」


冷静に反論する。事実、一番隊の新人隊士(二十歳、男性、童貞)が、死への恐怖からパニック障害を起こしかけていた。「死ぬ前に女を知りたい」という彼のニーズに対し、最も手近で、かつ秘密保持契約(守秘義務)を遵守できる女性は私しかいなかった。


外部の遊女を雇えば経費がかかる。情報漏洩のリスクもある。私が処理すれば、コストはゼロ(私のカロリー消費のみ)。


しかも、隊長の私が直々に「指導」することで、彼の組織への忠誠心ロイヤリティは限界突破した。彼は今、賢者モードで待機しているはずだ。戦闘効率は飛躍的に向上する。私の行為は、極めて合理的なマネジメントだ。ついでに言えば、私自身のホルモンバランスも整った。オキシトシンの分泌により、精神が安定している。ウィンウィンだ。


「司は相変わらず色狂いばいねえ。……ねえ、歳三さん」


粘着質な声が部屋の空気を震わせる。鈴木樹。私のライバルであり、ストーカーであり、そして残念なことに生物学上は同性(女性)である。彼女の視線が、私と土方さんを往復する。その瞳孔が開いている。興奮状態だ。彼女は肥後弁という暗号強度の高い言語を駆使する。語尾のイントネーションが、生理的な不快感を誘発する。


「この事件ば鎮圧したら、ご褒美に私と一晩どうね?骨の髄まで愛してやるけん♡」


樹が土方さんに迫る。彼女の思考回路はバグだらけだ。「愛する」の定義が、物理的な捕食や破壊とリンクしている。カマキリのメスが交尾後にオスを捕食する映像が脳内に再生される。


土方さんの顔色が青ざめる。血流が引いていくのがサーモグラフィーなしでも分かる。彼は樹が苦手だ。無理もない。彼女のアプローチは、求愛行動というより狩猟行動に近い。


「……ははは。樹も司も、豪胆というか何というか。似た者同士だな」


近藤さんが笑う。局長。CEO。この男の現状認識能力シチュエーション・アウェアネスの低さは致命的だ。私と樹を「似た者同士」とカテゴライズするのは、雑なデータ分析の結果だ。私は論理ロジックで動く。樹は本能インスティンクトで動く。OSが根本的に異なる。互換性はない。


「近藤さんと一緒くたにせんでヨ。私は純愛派だけん」


樹が否定する。純愛。その単語の定義を広辞苑で引き直すべきだ。彼女の言う「純愛」は、対象を独占し、束縛し、最終的には標本にして飾るような類の感情だ。ヤンデレという属性タグでは処理しきれない。


土方さんが咳払いをする。話題の強制終了キルプロセス


彼は優秀な進行役ファシリテーターだ。


「無駄口はそこまでだ!問題は敵の潜伏場所だ。四国屋か、池田屋か……確証がねえ。二手に分かれるぞ。俺は二十四名を率いて四国屋へ行く。近藤さんは池田屋だ」


土方さんがプランAを提示する。戦力の分散。ランチェスターの法則を無視した愚策だ。 敵の勢力が不明な状態で、自軍を分割するのは各個撃破のリスクを高めるだけだ。それに、私には確定情報がある。この世界が「歴史」という名のシナリオに沿って動いているという事実。そして、私が前世でインストールしていた「知識」というデータベース。 検索結果は一つだ。池田屋。それ以外は404 Not Foundだ。


「はい却下!全員で池田屋に行きます。場所は池田屋で確定です」


即座に拒否権ベトーを行使する。食い気味に発言する。タイムロスを極限まで減らすためだ。無駄な移動は、私のカロリーと化粧の崩れを招く。四国屋への移動は、完全に無駄なリソース消費だ。


「あぁ?なんで分かる!古高もそこまでは吐いてねえぞ!」


当然の反応だ。彼には「未来の教科書」という外部記憶装置へのアクセス権限がない。アナログな情報収集(拷問)に頼るしかない彼の限界だ。古高俊太郎の自白は不完全だった。だが、そこを補完するのが私の役割だ。


「統計学と、まあ……『未来の教科書』的な情報ソースによれば、確率は100%です。沖田総司が活躍するステージは、史実的にも池田屋と決まっています」


メタ情報を開示する。理解されるとは思っていない。だが、確信を持っているという姿勢アティチュードを見せることが重要だ。プレゼンテーションにおいて、内容は二の次だ。堂々と言い切ることで、聴衆の心理を操作できる。


斎藤さんが口を開く。彼は常に懐疑的スケプティックだ。鋭い眼光が私をスキャンする。


「……また訳のわからんことを。お前のその『確信』はどこから来るんだ」


彼の質問はもっともだ。論理的根拠エビデンスの提出を求めている。だが、今の私に提出できるエビデンスは、私の脳内にあるWikipediaの記述だけだ。プリントアウトはできない。


「斎藤さん。私の言うことは聞いておいた方がいいですよ。投資と一緒です。勝ち馬に乗るのが合理的判断というものです」


利益ベネフィットを提示する。私に従えば勝てる。従わなければ、四国屋という空き家で夜風に吹かれることになる。どちらが合理的か、投資対効果(ROI)を考えれば自明だ。


しかし、土方さんは首を振る。彼のリスク管理マトリクスにおいて、「一点張り」は危険領域にあるらしい。


「チッ……。だが、万が一外れたら取り返しがつかん。予定通り二手に分ける!司、お前は近藤さんと池田屋だ!」


決定が下される。トップダウンだ。組織である以上、上長の命令は絶対だ。これ以上の反論は、反逆罪に問われるリスクがある。


それに、結果リザルトを見れば、私が池田屋に行くことは決定した。私の目的は達成された。四国屋で徒労に終わる間、私は池田屋で経験値を稼ぐ(ファーミングする) 美味しい展開だ。


「まあいいでしょう。どうせ四国屋は空振りで、後から土方さんが慌てて駆けつける展開も『美味しい』ですからね」


私は小声で呟く。土方さんが遅れて到着し、悔しがる顔を見るのも悪くないエンターテインメントだ。それに、近藤さんと一緒なら、実質的な現場指揮権は私が握れる。近藤さんは神輿だ。担ぎ上げておけば、勝手に士気を上げてくれる。実務は私がやる。理想的な役割分担だ。


会議が解散に向けて動き出す。私は自身の生体ステータスを最終チェックする。心拍数、正常。 血圧、正常。 体温、微熱(事後のため)。肺機能、オールグリーン。気管支に雑音なし。喀血イベント発生の確率は0.001%未満。


(体調は万全。肺の酸素交換率も正常値。これなら労咳イベントは発生しない。喀血による戦闘不能リスクは回避済み。……生き残った!今日はキルレシオを稼ぐわよ!)


心の中で勝利宣言をする。史実の沖田総司は男であり、ここで喀血し、戦線を離脱する。 そして、そこから病状が悪化し、死に至る。バッドエンドルートだ。だが、私は違う。私は女であり、かつ転生者だ。健康管理ヘルスケアには人一倍気を使っている。タンパク質の摂取、十分な睡眠、そして適度な「運動」による免疫力の向上。結核菌が私の肺組織を侵食する余地はない。


立ち上がる。腰の刀を確かめる。菊一文字則宗。いや、それはフィクションの設定だ。 実際は加州清光か。どちらでもいい。重要なのは、その鋭利な鉄の塊が、敵の頸動脈を切断するのに十分な物理的特性を持っているかどうかだ。メンテナンスは完璧だ。斬撃時の抵抗値を最小限に抑えるよう、研磨されている。


樹が私を見てニヤリと笑う。その笑顔は、獲物を見つけた肉食獣のものだ。彼女もまた、この殺戮の宴を楽しみにしている。彼女の狂気は計算不能だが、戦力としては高い数値を示す。利用できるものは利用する。たとえそれが、私の貞操を狙う変態ストーカー女であっても。


さあ、業務開始キックオフだ。残業手当は出ないが、成果報酬(首級)は期待できる。私は着物の裾を直す。足取りは軽い。先ほどの「準備運動」のおかげで、全身の筋肉が弛緩し、かつ活性化している。コンディションは最高だ。



いざ、出勤。










有酸素運動は嫌いではない。


心肺機能の向上、毛細血管の拡張、そしてミトコンドリアの活性化。


生物としてのスペックを維持するために必要なメンテナンス作業だ。


だが、この高温多湿な京都の盆地を、通気性の悪い羽織を着て全力疾走するのは、メンテナンスというより拷問に近い。


不快指数はレッドゾーンを振り切っている。汗腺という汗腺から水分とミネラルが放出されるのを感じる。電解質バランスが崩れる。スポーツドリンクが存在しないこの時代において、脱水症状はパフォーマンス低下の最大の要因だ。


私の視界の中を、水色と白の幾何学模様が明滅する。ダンダラ羽織。新選組の制服ユニフォームだ。ブランディングとしては成功しているのかもしれないが、実用性は皆無だ。夜戦において、これほど目立つ配色は標的ターゲットになりやすい。「ここにいますよ」と敵に教えているようなものだ。ステルス性能ゼロ。生存率を下げるだけの布切れだが、組織への帰属意識を高める効果だけはあるらしい。周りの男たちは、この派手な衣装を纏うことで、一種の集団催眠状態にある。


私たちは京都の目抜き通りを駆ける。提灯の明かりが不規則に揺れる。光源が安定しない。ストロボ効果のように、景色がコマ送りで見える。距離感が掴みにくい。足元の石畳は整備不良で、凹凸が激しい。捻挫のリスクがある。労災認定されるか怪しい職場環境だ。


前方集団の背中を見つめながら、私は自分の呼吸リズムを調整する。吸気、吸気、呼気。 効率的なガス交換を行う。肺胞での酸素取り込み効率を最大化する。


先頭を走るのは近藤さん。我らがCEO。その背中は大きいが、走法フォームが乱れている。体幹がブレている。迷いがある証拠だ。彼は走りながら、頻繁に首を後ろに回す。 後方確認というより、置き去りにしてきた「何か」を気にしている動作だ。前方不注意で電柱(この時代にはないが)や辻行灯に激突する可能性がある。


「しかし……本当に池田屋にいるのか?トシには悪いことをしたかもしれん」


近藤さんの声が夜風に乗って聞こえてくる。またその話だ。リピート再生機能が故障したオーディオ機器のように、同じ懸念を繰り返している。土方歳三さんを別動隊(四国屋方面)へ送ったことへの罪悪感。


意思決定者が、決定後にウジウジと悩むのは最悪の時間の無駄だ。サンクコスト(埋没費用)として切り捨てるべきだ。もし間違っていたとしても、それは結果論に過ぎない。 今の優先順位プライオリティは、目の前の目的地に最速で到達することだ。

リーダーの不安は部下に伝染する。ウイルスよりも感染力が強い。組織の士気モラルに関わる。誰か彼に精神安定剤トランキライザーを処方するべきだ。


その横で、永倉さんが豪快に笑う。この男のメンタルはチタン合金並みに頑丈だ。あるいは、単に受信アンテナが壊れているだけかもしれない。


「まあ良いでしょう!副長にばかり毎回美味しいところを持っていかれるのは癪ですからね。たまには俺たちが主役になりましょう!」


ポジティブだ。思考回路が極めて単純化されている。「主役」という抽象的な概念を、具体的な報酬インセンティブと同一視している。承認欲求の塊だ。彼は戦闘を「見せ場」と捉えている。リスクという概念が欠落している。死ぬかもしれないという重大なリスク(フェイタル・エラー)を、「スリル」というエンターテインメント要素に変換して処理している。 脳内麻薬エンドルフィンが過剰分泌されている状態だ。


土方さんがいないことを「管理者がいない=自由」と解釈している。遠足気分だ。業務遂行能力は高いが、管理コストがかかるタイプだ。


「俺〜!俺が真っ先に斬り込みますからね!誰にも譲りませんよ〜!!一番槍は平助だ!」


平助が叫ぶ。声の周波数が高い。モスキート音に近い不快さがある。私の聴覚センサーにノイズとして認識される。 一番槍にこだわる若さ。先行者利益ファースト・ムーバー・アドバンテージを狙っているつもりだろうが、実戦において先頭は最も死亡率が高いポジションだ。敵の初期火力が集中する。生存確率が統計的に有意に低い。それを自ら志願するとは、コストパフォーマンスの計算ができていない。


ハイリスク・ローリターンだ。まあ、彼のような特攻要員(鉄砲玉)がいるおかげで、後続の私の安全が確保されるわけだが。消耗品としては優秀だ。平助。呼び捨てにするのは、彼が私より年下(に見える)であり、精神年齢が幼稚園児並みだからだ。


私の弟分のような扱いだが、手のかかる弟だ。


「あーあ、歳三さんに獲物ば残しとこうと思うたけど……まあ、私が全部斬ってしもてよかですよね?」


私の背後、死角ブラインドスポットから粘着質な声がする。鈴木樹。肥後弁のイントネーションが、私の延髄反射を刺激し、鳥肌を立たせる。生理的嫌悪感のアラートが鳴り響く。彼女の思考は、業務遂行の域を超えている。殺戮への渇望。嗜好としての殺人。コンプライアンス的に完全アウトな人材だ。現代社会なら、採用面接の時点でサイコパス診断に引っかかり、お祈りメール(不採用通知)を送られるレベルだ。「獲物」人間を狩猟対象としてカテゴライズしている。「全部斬る」リソースの独占宣言だ。ワークシェアリングの精神がない。独占禁止法に抵触する可能性がある。


近藤さんが苦笑いしながら、最低限のマネジメントを試みる。


「こらこら樹、独り占めは良くないぞ。それに生け捕りも必要だ」


生け捕り。情報資産の確保だ。敵を生きた状態で捕獲し、尋問によって新たな情報を引き出す。プロジェクトの継続性サステナビリティを考えれば必須のタスクだ。


死体は情報を吐かない。ハードディスクを物理破壊した後でデータ復旧を試みるようなものだ。不可能だ。だが、樹というバグったアルゴリズムを持つ人間に、その理屈が通じるとは思えない。


「生け捕り?難しかこと言わすねえ。手足ば斬り落として達磨にすればよかと?」


発想がスプラッター映画だ。R18指定の描写を平然と提案してくる。「達磨」という具体的かつグロテスクなビジョン。四肢切断による大量出血ヘモラージを考慮していない。大腿動脈を切断すれば、数分で失血死に至る。生け捕りという目的ゴールと、手段プロセスが完全に乖離している。


それに、手足のない人間をどうやって運搬するつもりだ?転がすのか?衛生面でも最悪だ。血液感染のリスク管理がなっていない。バイオハザードだ。


隊列は進む。目的地、池田屋までの距離ディスタンス、残りわずか。GPSがなくても、殺気の密度でわかる。このまま突入すれば、即座に戦闘状態コンバットモードに移行する。汗が流れる。前髪が額に張り付く。不快だ。非常に不快だ。そして何より、今の私の顔面コンディションが懸念される。


走行による発汗と皮脂分泌で、ベースメイクが崩壊している可能性がある。


毛穴が開いている。この状態で戦闘に入り、返り血を浴びればどうなるか。血液中のタンパク質や鉄分が毛穴に入り込み、酸化し、深刻な肌トラブルを引き起こす。


ニキビ、吹き出物、色素沈着。美容に対する重大な脅威スレットだ。これは看過できない。 業務遂行における障害だ。


私は決断する。ブレーキをかける。運動エネルギーを急速に減衰させる。立ち止まる。


「樹、ちょっとタイム。ペース落として。私、化粧のノリが悪いの」


冷静に業務停止命令を出す。懐に手を入れる。取り出すのは、私の神器ガジェット。 手鏡とルージュ。紅は、最高級の紅花から抽出された色素を使用している。オーガニックかつ発色が良い。鏡に映る自分の顔を解析する。テカリがある。Tゾーンの皮脂分泌が活発だ。


あぶらとり紙がないのが悔やまれる。仕方がないので、指で軽く押さえて修正レタッチする。そして、紅を差す準備をする。


樹が急停止する。慣性の法則に従い、数メートル行き過ぎてから戻ってくる。その表情には、純粋な驚愕と苛立ちが混在している。理解不能という顔だ。彼女のプロセッサでは、私の行動論理を処理しきれていない。


「はあ?これから斬り合いば始めるとに、お化粧とか正気ね?」


一般的な反応だ。TPO(Time, Place, Occasion)の観点からすれば、彼女の指摘は正論に聞こえるかもしれない。戦闘直前の化粧直し。非合理的で、無意味で、ふざけているように見えるだろう。


だが、それは浅い。考察が浅すぎる。私は彼女の過去の発言ログを検索する。ヒットした。


「え?だって樹が言ったんじゃない。『女の子がお出かけするときには、ちゃんと可愛く化粧ばせなんとよ』って」


矛盾パラドックスを突く。これは彼女自身の言葉だ。以前、私が無造作な格好で外出(偵察任務)しようとした際に、彼女が吐いたセリフだ。


ダブルスタンダードは許さない。「お出かけ」の定義において、池田屋へのカチコミが除外されるという特約条項は聞いていない。外出は外出だ。ならば、化粧をするのは社会的礼儀マナーであり、義務デューティだ。


前方から平助が戻ってくる。呆れ顔だ。顔文字で表現するなら ( ゜д゜) だ。


「司姉ちゃん……相変わらず場の空気読まないね!?」


空気。大気組成のことか?窒素約78%、酸素約21%、アルゴン約0.9%、二酸化炭素約0.04%。成分分析なら完了している。場の雰囲気アトモスフィアのことを指しているなら、それは読むものではなく、制御コントロールするものだ。


同調圧力に屈して自分のペースを乱すのは、三流の仕事だ。私は一流の業務遂行者だ。 自分のリズム(ルーティン)を守ることで、最大のパフォーマンスを発揮する。イチローがバッターボックスで独特の動作をするのと同じだ。 これは儀式リチュアルだ。


小指の先に紅を取る。鮮血のような赤。これを唇に乗せる。輪郭をなぞる。口角を上げる。


「そう、私はわからない。そのあたりの『機微』という非合理的なパラメータが。……でも、返り血を浴びた時に、素っぴんだと肌荒れの原因になるでしょう?コーティングは必須よ」


科学的根拠エビデンスを提示する。「機微」などという数値化できない感情パラメータは、私の判断基準に含まれていない。私が重視するのは、実利だ。スキンケアだ。血液は汚染物質だ。他人の体液だ。未知の病原体(ウイルス、バクテリア)を含んでいる可能性がある。直接皮膚に触れさせるのはリスクが高すぎる。化粧という名の油脂のレイヤーを作ることで、皮膚表面をコーティングする。


撥水性を高める。これによって、返り血の付着を防ぎ、事後の洗浄クレンジングを容易にする。これは戦闘用プロテクターの一種だ。顔面シールドだ。なぜこの論理的な説明が理解されないのか不思議だ。


永倉さんも戻ってくる。律儀だ。ツッコミを入れるためにわざわざ足を止めるあたり、彼もまた常識コモンセンスの囚人だ。


「血糊を化粧水代わりにすんじゃねえよ!」


否定される。用語の定義が間違っている。化粧水ローションは保湿のための水分補給だ。私が言っているのは、保護膜バリアとしての機能だ。クリームやファンデーションの役割だ。まあ、彼に美容化学の講義をしても無駄だろう。彼の脳内には「筋肉」と「酒」と「女」のフォルダしかない。


鏡の中で、紅が完璧に引けたことを確認する。唇の色が鮮やかになることで、顔全体の印象が引き締まる。コントラスト比が上がる。これにより、敵に対峙した際、視線が私の口元に誘導される効果がある。視線誘導。その隙に、眼球や喉元への攻撃が可能になる。 化粧は、戦術的アドバンテージを得るためのカモフラージュでもあるのだ。


鏡を閉じる。「パチン」という音が、スイッチの切り替え音となる。業務モード、完全起動フルブースト


「よし、完了。……さあ、ここは新選組の株式上場、もとい晴れ舞台!私が『さきがけ先生』の商標登録を務めます!」


IPO(新規株式公開)だ。新選組というベンチャー企業が、歴史という市場に名を刻む瞬間だ。株価(知名度)はストップ高になるだろう。その象徴となるのが「魁先生」という称号だ。最初に斬り込んだ者。ファースト・ペンギン。その商標権トレードマークは私が取得する。特許庁への申請は必要ない。実力行使で既成事実化する。


平助が噛みつく。


「だから俺が魁だっての!!」


彼はまだ言っている。所有権を主張している。だが、ビジネスの世界は早い者勝ちだ。 声の大きい者が勝つのではなく、行動した者が勝つ。あるいは、結果を出した者が勝つ。


懐に手鏡と紅をしまう。刀の柄に手をかける。指先の感触が変わる。コスメティックからウェポンへ。美から死へ。シームレスな移行。


「行くよ、平助。樹。遅れたら置いていくから」


走り出す。加速アクセラレーショントップスピードまでの到達時間は1.5秒。爆発的な瞬発力。さっきまでの化粧タイムによる「溜め」が、バネのように作用する。近藤さんや永倉さんを追い抜く。風になる。


前方に見える、格子造りの旅籠。池田屋。あそこが現場フィールドだ。あの中に、私の査定評価を上げてくれる顧客(敵)たちが待っている。需要(殺意)と供給(殺意)のマッチングサイト。今日は大盛況間違いなしだ。


さあ、仕事の時間だ。残業代は請求しない。その代わり、命を頂く。肌のコーティングは完璧。刀のメンテナンスも完璧。私のメンタルも正常値。すべてがロジカルに、整然と、破滅へと向かっている。













「ここですね。木造二階建て、耐震強度は低そう。暴れたら倒壊のリスクあり。……手早く済ませましょう」


近藤さんに業務上の注意点を伝達する。倒壊リスク。我々が暴れることで発生する振動エネルギーが、建物の固有振動数と共振した場合、崩落事故アクシデントが発生する。 そうなれば、敵味方問わず全員が瓦礫の下敷きだ。全滅ワイプだ。それは避けたい。 私の生存戦略において、圧死という死因は想定していない。スマートではない。


近藤さんが頷く。緊張で顔が強張っている。表情筋が硬直している。リラックスできていない。彼は刀の柄を強く握りしめている。握力が無駄に使われている。スタミナの浪費だ。


「よし……行くぞ! 御用改め……!」


近藤さんが呼吸を整え、定型文テンプレートを読み上げようとする。御用改め。警察権の行使を宣言する手続きだ。法的手続きとしては正しい。だが、遅い。あまりにも遅い。宣言してから突入するまでのタイムラグ(遅延)は、敵に準備時間を与えるだけだ。「今から行きますよ」と通知してどうする。サプライズこそが最大の攻撃だ。


奇襲効果サプライズ・アタック・ボーナスを放棄するのは、戦術的に下策だ。私は彼のセリフを上書き(オーバーライド)する。


息を吸い込む。腹圧を高める。最大音量で出力する。


「こんばんはー!!労働基準監督署でーす!!過激派浪士の皆さーん、深夜労働は割り増し賃金出てますかー!?」


周囲の静寂が粉砕される。近藤さんがビクッとなる。思考停止しているのがわかる。 「労働基準監督署」という未知の単語ワードに脳がエラーを起こしている。構わない。私のターゲットは屋内の不法滞在者たちだ。深夜の密会。これは明らかに時間外労働オーバータイムだ。36協定は結んでいるのか?割増賃金(1.25倍)は支払われているのか?おそらくブラックな環境で働かされているに違いない。是正勧告が必要だ。物理的な是正勧告が。


右足を振り上げる。股関節の柔軟性は十分だ。大腿四頭筋とハムストリングスの収縮速度を最大化する。狙うは引き戸の鍵部分。構造的に最も脆いポイントだ。インパクトの瞬間、運動エネルギーを一点に集中させる。


ドカッ!!


破壊音。木材が断裂する乾いた音が響く。物理演算通りだ。戸が内側に弾け飛ぶ。エントリーポイントの確保完了。


「つ、司ーーッ!?まだ名乗ってる途中!!しかも名乗りが違う!!」


近藤さんが絶叫する。パニック状態だ。手順プロトコルを無視されたことに対する抗議だ。だが、現場は生き物だ。マニュアル通りにはいかない。アドリブ力こそが優秀な社員の条件だ。名乗りが違う?些細な問題だ。「新選組」も「労基署」も、違反者を取り締まる公的機関という意味では同義語だ。ニアリーイコールだ。


「一人も逃がしません!全員、物理的に退職してもらいます!ふふふ……この感触、アドレナリン分泌が最適化されていて気持ちよさそうです」


退職勧奨ではない。懲戒解雇ディシプリン・ディスミサルだ。この世からの退場を命じる。


足裏に残る、戸を破壊した感触。そのフィードバックが、脳内の報酬系回路を刺激する。 ドーパミンとアドレナリンのカクテルが分泌されている。戦闘準備完了バトル・レディ精神状態メンタルヘルスは極めて良好だ。ハイ(High)だ。


「気持ちよさそうとか言ったよ……。気持ちは分かるがな!」


永倉さんが追随する。彼もまた、戦闘狂バーサーカーの素質がある。私の異常な言動を「気持ちは分かる」で肯定してしまうあたり、彼も大概だ。同類相憐れむ。


「うわあ!!遅れてたまるか!俺も俺も!御用改めである!!」


平助が飛び込んでくる。相変わらずうるさい。彼は「御用改め」と言いたいだけだ。 ヒーローごっこの延長だ。だが、その突進力は評価できる。質量弾としての役割を果たしている。


「だ・か・ら!俺のセリフだ!!俺が局長だ!!御用改めである!!」


近藤さんがヤケクソ気味に叫ぶ。もはや威厳も何もない。ただのヒステリーだ。自分の見せ場を奪われた子供のように駄々をこねながら、それでも先頭を切って突入する。責任感だけは強い。そこが彼の長所であり、唯一の救いだ。


屋内へ足を踏み入れる。土間。狭い。想定以上に狭い。そこに多数の男たちがひしめき合っている。人口密度が高すぎる。ソーシャルディスタンスなど存在しない。彼らは一様に驚愕の表情を浮かべている。フリーズしている。「労基署」という単語の意味を理解しようとして処理落ちしているのか、単に扉を蹴破られたことに驚いているのか。


どちらでもいい。 この数秒の硬直時間(スタン状態)が、勝敗を分ける。


空気の質が変わる。殺気。恐怖。そして、鉄錆のような血の匂いが予感される。


照明は暗い。行灯の薄明かりだけが頼りだ。視認性が悪い。だが、動体視力補正でカバーする。敵の配置(スポーン地点)を確認。


一階に数名、二階への階段付近に数名。総数は不明だが、エンカウント率は高い。


「……何だ貴様らは!」


奥にいた男が叫ぶ。長州訛りだ。敵対的勢力モブであることは確定。抜刀する。金属音が店内に響く。開戦のゴングだ。さあ、業務開始。


滑るように移動する。すり足。重心を一定に保つことで、あらゆる方向へのベクトル変換を可能にする。


最も近くにいた男が、刀を抜こうとしている。遅い。動作モーションが大きい。抜刀動作のフレーム数が多すぎる。


彼の懐に入る。パーソナルスペースを侵害する。ゼロ距離。私の刀は既に鞘から放たれている。


「はい、一名様ご案内〜。抵抗すれば容赦なく斬り捨てる……あ、もう斬っちゃった。事後承諾でお願いします」


接客用語(丁寧語)で対応する。カスタマーサービスだ。クレーム処理だ。私の刃が、男の頸動脈を通過する。抵抗値はほとんどない。豆腐を切るような感覚だ。メンテナンスのおかげだ。鮮血が噴き出す。動脈血の圧力は高い。スプリンクラーのように飛散する。


最小限の動きでそれを回避する 汚れるのは嫌だと言ったはずだ 化粧直し(リタッチ)の手間を省きたい。


「き、貴様ら新選組か!?ぐああっ!?」


浪士Aが遅れて状況を認識する。認識と同時に絶命する。処理速度が追いついていない。 可哀想に。もっと高性能なCPUを積んで生まれてくるべきだった。


屋内は一瞬にしてカオスと化す。怒号。悲鳴。金属の激突音。それらが不協和音となって鼓膜を叩く。ライブハウスの最前列よりも激しい音圧だ。


「あはははは!よか眺めたい!血飛沫が桜のごつ舞いよる!」


狂った笑い声が聞こえる。樹だ。彼女は既に戦闘モード(ジェノサイドモード)に入っている。「桜のように舞う」 風流な表現だが、現実は生臭い体液の飛散だ。彼女の感性は独特すぎる。詩的センスが猟奇的方向に振り切れている。


視界の端で、樹が敵の腕を斬り飛ばすのが見える。切断面が粗い。力任せだ。骨ごと叩き切っている。あんな斬り方をしたら刃こぼれの原因になる。道具ツールを大切にしない社員は評価を下げる対象だ。返り血が彼女の顔にかかる。彼女はそれを拭おうともしない。むしろ、その温かさを楽しんでいるように見える。変態だ。真正の変態だ。関わりたくないが、今は味方フレンドリーユニットであることが悔やまれる。


「司!首の数ば競争すっばい!負けた方は、今度こそ歳三さんに夜這いかける権利ば譲る!」


樹が叫ぶ。とんでもない提案プロポーザルをしてくる。首の数を競争する?KPI(重要業績評価指標)を「首の数」に設定するのは、新選組としては正しいが、賭けの対象が不適切だ。「歳三さんに夜這いをかける権利」そんな権利、市場価値はゼロだ。むしろマイナスだ。


あの説教好きな副長の寝所に忍び込むなんて、自殺行為スーサイド・ミッションに等しい。だが、待てよ。私が勝てば、私は夜這いをしなくて済む。負ければ、権利を「譲る」ことになる。つまり、どちらに転んでも私は夜這いをする必要がない。樹が勝手に夜這いをするだけだ。私にデメリット(損失)はない。リスクフリーだ。


「その条件、私にメリットある?まあいいわ、受けて立ちましょう。……さあ来い!私の経験値になれ!」


契約成立だ。どちらにせよ、私はここにいる敵を殲滅するつもりだ。経験値(EXP)が必要だ。レベルアップのためには、数をこなすしかない。モブキャラは私の糧となるために存在している。リソース回収だ。


次の敵が来る。上段からの振り下ろし。単純な攻撃パターンだ。AIが賢くない。私は半歩左にずれる。回避。敵の刀が空を切る。大きな隙ができる。そこへ、私の刃を滑り込ませる。脇腹。肋骨の間。肺へ到達。気胸を起こさせて行動不能にする。確殺(キル確)だ。


近藤さんが近くで戦っている。虎徹を振るっている。重厚な剣筋だ。一撃が重い。敵の刀ごと押し切っている。パワー系だ。だが、美しくない。無駄が多い。


「お前ら、もっとこう……武士らしく戦えんのか!?」


近藤さんが嘆く。「武士らしく」その定義が曖昧だ。正々堂々と名乗り合い、一対一で勝負する?非効率極まりない。ここは戦場バトルフィールドだ。スポーツではない。 ルール無用のデスマッチだ。勝つことだけが正義だ。結果アウトカムがすべてだ。


「局長、時代はスピードと効率です!首の角度を45度で斬り込むと、刃こぼれしにくいんですよ!」


アドバイスを送る。技術指導(OJT)だ。骨に対して垂直に刃を入れると、硬度差で刃が欠けるリスクがある。斜めに入れることで、切断面積は増えるが、抵抗を分散できる。 物理学だ。ベクトル解析だ。根性論で刀は守れない。


「そぎゃん理屈はどうでもよか!血しぶきばあげろ〜〜♡」


樹が叫ぶ。私の理論的指導を真っ向から否定する。彼女は理屈ではない。感性フィーリングで生きている。再び血飛沫が上がる。彼女の周りだけ、スプラッター映画の撮影現場みたいになっている。床が滑りやすくなっている。転倒災害(スリップ事故)に注意が必要だ。


乱戦は続く。敵の増援が二階から降りてくる。次々と湧いてくる(リスポーンする)。 在庫処分セールのような大盤振る舞いだ。嬉しい悲鳴を上げそうだ。これだけの数を処理すれば、私の剣術スキルはカンストするかもしれない。ボーナスステージだ。


私は刀を振るう。疲労感はない。むしろ、体が軽い。フロー状態に入っている。集中力が極限まで高まり、時間の流れが遅く感じる。クロックアップ現象。 敵の動きがスローモーションに見える。あそこが空いている。ここが脆い。情報がAR(拡張現実)のように視界に表示される錯覚。見える。死のラインが見える。


「次はどなたですか?整理券をお配りしましょうか?」


微笑む。営業スマイルだ。口元の紅が、返り血でさらに赤くなるかもしれない。それもまた、今日のメイクアップの一部だ。池田屋というブラック企業へようこそ。退職手続きはこちらです。捺印(首)をお願いします。


夜はまだ長い。このパーティは終わらない。私の「業務改善」は、ここからが本番だ。まずはこの一階フロアの敵を、一人残らずリストラする。徹底的な合理化。ダウンサイジング。




さあ、仕事だ。


池田屋は、歴史の中で何度も殺されてきた場所だ。

英雄譚として、悲劇として、教科書として。


だからこそ、ここでは一度、

すべてを「業務」にしてみたかった。


斬る理由も、守る理由も、

生きる意味も、死ぬ価値も、

すべてを効率と成果で測ったら、

人はどこまで壊れずにいられるのか。


この司という女は、

壊れているようで、

実は誰よりも必死に生き残ろうとしている。


もし彼女の言葉に笑えたなら、

それはきっと、あなたもまた

日々を「仕事」として生きているからだ。


さて、次の現場へ行こう。

残業はまだ終わらない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ