1話「お出でませ、勇者様!」
「魔王、観念しろ! これでお前は袋のネズミだ!」
声のしたと同時にドアが開かれる。
我を守ってくれていたはずの家臣達は、勇者一行に敗北したらしい。
「そうか、家臣達は敗れたか。勇者よ。よくぞ、魔王である我の前に来た。褒めてやる!」
我は武者震いを誤魔化しながら大声で叫んだ。
【魔王はLV1技、叫ぶを唱えた】
「おいおい」
「冗談だろ」
「本当に魔王か?」
「魔王がただの子供だったなんて認めないぞ!!」
我、悲しくないもん。
悲しく……、ない。
悲しく……。
「うわぁぁぁあああん。怖いよーーー!!」
魔王ルーク=レムナント=アレクセスは勇者と出会い、学んだこと。
大人は怖い、だ。
緑色のツンツンはねた髪の毛に桃色のツリ目で首に黒いマフラーを巻いている、男性魔法使いのマーリンは呆れた声を上げた。
「なー、魔王は魔王なんだし、さっさと殺して任務終わらそーぜ」
金髪のポニーテールで青い瞳の銀色の鎧に赤いマントの女性勇者のアーサーが怒声を上げた。
「子供だ! まだ幼く、何も分かっていないこんな子供を殺すなんで、勇者パーティーの名折れだ!」
茶髪の長い三つ編みに金色の三白眼の眼鏡を掛けた男性僧侶のリーフが宥める。
「まぁまぁ、俺達の目的は魔王の討伐ってことになってないだろう、あくまで魔族の鎮圧だ。魔族がもう魔王が死んだと思ってるに違いない、つまりは無抵抗になっている、それで良しとしましょう?」
「いつまで泣いてる、糞餓鬼!」
マーリンがルークの側に行き、襟首を掴む。
「ごめんなしゃい、ごめんなしゃい」
「だーかーらーぁぁあ、泣くな―!」
「くうぃ……ぐすんっ、はいっ」
「お前年齢は?見た目詐欺じゃないだろうな?」
「7歳」
マーリンはルークを放し腕組みをしてしばらく目を瞑っていると舌打ちをする。
「おい、どうするんだ、このままってわけにいかね―だろ」
「このまま連れて帰るわけにはいかないか?」
「「は?」」
「いや、だってこんなに可愛いし」
ルークの見た目は黒髪の長髪に垂れ目の紫色の瞳、人形のような可愛らしい顔立ちをしている。
「我は……」
「このままだと、殺されるだけだ。勇者一行と一緒に居たほうが安全だと思うぞ?」
「わ、我、お姉ちゃんと一緒に行く!!」
「いい子だ」
「脅しだ」
「脅してますね」
二人でアーサーの意見を尊重しようと思った。
「帰るぞ」
帰路は勇者一行は4人になるのだった。




