#18「最終会見——王家布令・本採択/解体・第三次〈手〉(漂白のみ)/詩と灯りの決算」
最終日。湖はガラスの盤みたいに澄み、青硝子の灯りはまだ要らない。掲示板の合言葉は**「刃には柄。数字には参照。」。水晶投影は四分割——王都議場、広場、港、市場。端には最後の二択**。
最後の二択
A:王家布令・本採択(十六字)
B:解体・第三次〈手〉(漂白のみ)の実施
扇の骨で膝を一度。拍。町と王都の呼吸が重なる。
「証言は最後、数字は先に。ここまでの短式と設計を布令に落とし、漂白だけ手を落とします」
1) 十六字——布令の最終形
《王家布令(最終案・十六字×三)》
寄付は返礼ゼロ。広告は競へ。顧問は入札。
仮・保留・確の三択。偽装は没収。漂白のみ手。
熱は灯足影風。同相は減算。補正は短式。
王都議場のざわめきが落ち、採決の拍が鳴る。
—賛成 78%。
「本採択、確認」
2) 解体・第三次〈手〉——漂白のみ
《対象抽出(写し→名 済)》
・照明塔保守の漂白:契約解除・罰金→安定化へ流入
・祝祭支援連盟 倉の“冷蔵袋”:二年度歯型混在→没収
・灰通路封鎖未遂:名公開済、手の対象外(漂白でない)
「第三次は短く。漂白にのみ手」
《執行(短式)》
1)三刻通知→応答なしで即時停止
2)溶媒・器具の没収→相互写し→安定化
3)公開:理由・歯型・筆致・接触ログ
王都監査が頷き、『承認』の短い返事。短い承認は、いい。
3) 「門」と「面」の恒久運用——一本化
《恒久運用・短冊》
・門:呼吸同期+軽中重の二鍵/平均待ち -41%維持
・面:面×期間入札(意匠70/価格30)+後払い補正
・匿名:公開匿名/職務匿名のみ、偽装匿名は没収
・準特権:廃止・入札・抽選の三択以外不可
数字を最後に貼る。
《決算(総集)》
・返礼兆候:初週比 -72%
・安定化プール:+146.1(没収・端数・罰金)
・門:平均待ち 46→27分(-41%)/押し戻し -88%
・祝祭来場熱量:予測乖離の**±0.2枠内で収束(同相減算導入後)
・市場:値段板“同相”減算で異常熱の山消失**
・港:束ね判定導入で後書き小口分割激減
広場に小さな笑いが広がる。淡々は強い。強いのに、角が丸い。
4) 最後の証言(短く)
イザベル・トーン(“芽”):『職務匿名の意味を、今日やっと覚えた。退路が先にあると、名が持てる』
カミーユ・ドレ(“扇”):『会計をやり直す。公開補助は、恥の薄め方を教えてくれた』
ミーナ・モラン(“最初の印”):『保留は卑怯じゃない。欄干だ』
ボーモン侯が扇を閉じ、低く一言。『欄干は、橋の一部だと認めよう』
5) 最後の二択
Q-Last
1)詩枠の常設化(面の公共枠)
2)灯りの保守・入札の増枠
—集計:1) 54%、2) 46%。
「詩枠・常設。灯りは現状維持+点検表で」
6) 布令・公布とエピローグ(短い)
王都の鐘が一度。布令三本が水晶に走り、印が仮→保留→確の三択に更新される。門の前で二拍、面の前で学童詩、市場で値段板の二拍、港で鈎音の拍。拍は無料。無料は、強い。
《終の注記》
顔は貸す。顔色は灯りが直す。功績は共有、恥は分割。
刃には柄。柄は参照と二鍵。
数字は短い。短い数字で欄干を立て、橋を渡る。
夕刻。湖面がひと息、青い。掲示板の端に小さな付箋。
《“二拍で読むの、まだ好き。”》
私は扇でひと拍。靴紐は結ばれたまま。
——物語はここで閉じる。運用は、ここから続く。