EP6.魔具の気配
「ガサガサガサ!」
すると黒いサソリのようなモンスターはトルティヤに向かって歩き出す。
同時に空を飛んでいた蝶のモンスターが不気味な模様の羽を羽ばたかせて、こちらに飛んでくる。
「気持ち悪いのぉ…無限魔法-羅刹の業炎-」
次の刹那、トルティヤが巨大な黒い炎を放つ。
「ボボボボボン!!!」
黒い炎はサソリのようなモンスターや蝶のモンスターに直撃すると、それらを一気に燃やし尽くした。
だが、同時に遺跡内にあった茨に黒い炎が引火する。
「バチバチバチ…」
一部の茨が焼け落ち橋の上に落ちてくる。
空を飛んでいたコウモリ型のモンスターは炎に怯えたのか、空にある穴から我先にと逃げ出した。
「ちとやりすぎたかのぉ…」
トルティヤはそう呟くと魔法を解除する。
あっという間に、黒い炎は鎮火し遺跡は静寂を取り戻す。
「これでよいな…」
トルティヤはそう呟くと石橋を渡り遺跡の奥へと進む。
「おっとっと…危ないのじゃ」
遺跡の奥には落石のような罠がしかけられていたり。
「火魔法-神聖なる煌鳥-!」
「グギャアァァ!」
凶暴そうな赤い毛皮をした熊型のモンスターが徘徊していたりした。
そして、トルティヤは遺跡の最深部らしきところに到着する。
辺りは朽ちた石柱が並び、崩れた壁からは微かに水が流れている。
「さてと…そろそろ何か見つかってもよい頃じゃがのぉ」
トルティヤは自らの魔力を高め、辺りを探知する。
すると、更に進んだところに強大な魔力を確認した。
「これは…魔具じゃ!間違いないのぉ…」
トルティヤは早足で魔力が感じた方向へ走り出した。