足ることを知らない欲望
ある工場では常時50人ほどの女性パートさんが在籍していました
昼休憩は正午から12:45までの45分間
一斉に食堂に上がり一斉に食事をする
食堂と言っても食べる場所があるだけで、まかないがあるわけではない
なのでパートさん達は手作り弁当を持ってきたり、コンビニで買ってきたり、市販の冷凍食品やらカップ麺などを買ってきたりして食事をしています
かつて、この食堂には電子レンジが1台しかなかったので、お互い譲りあっても45分と言う休憩時間では間に合わなくなることも多かった
それで会社側は電子レンジを5台まで増やした
それ以降、市販の冷凍食品を持ってくる人も増えました
さて、コロナ禍により昼の休憩を半分ずつにする二部構成としました
今まで50人ほどでひしめき合っていた食堂が、25人ずつの時間差になった
しかし、前半組(11:45分から12:30)と後半組(12:30から13:15)に分かれるため、どういう基準で分けるかをパートさん同士で話し合った
そう言いながらもやはりこういうところにも権力と言うのが働いていて、力の強い者の発言が通りやすい
そういう人は上司に報告する時に「みんな言っています」とよく言う
「みんな」って誰やねん?
こういう時の「みんな」とは、大多数ではなくその力のある報告してきた人の回り数人のことが多い
その人にとっては自分の意見を聞いてくれる人達のことを「みんな」と言うのですね
この前半組と後半組に分かれるだけで何が問題なのか?と言うと・・・
外部からの昼食の配達を頼むときに、11:45までに来てくれと言ったら
12:00からでしか無理とか、時間指定は無理とか言われるところが多いようだった
休憩時間が45分しかないので、15分のロスは致命的なので、前半組の人達は注文することが実質無理になった
この小さな組織でも、全員が平等の恩恵を受けることができないと文句が出る
会社としてはもちろん待遇差別は問題になるので手だてを打つ必要があるが
この外部からの昼食の手配は会社側ではどうすることもできない
となると、前半組と後半組の交代を期間単位で決めて交代するとかでしかない・・・
会社側がコロナ禍も過ぎたので昼休憩を正午から45分間に戻す提案をしたら
電子レンジが少ないから嫌だ!という抵抗勢力が出てきました
凄いですよね
かつて1台しかなかったものを5台に増やしたいきさつがあるのにね
50人で5台使っていたものが25人で5台になったのに慣れるとそれが当たり前になるのですね
これはたまたまとある会社の話なのですがこう言うことってよくありますよね
文明が発達して便利になってきたのはこの欲望があったのは事実です
でも、何でもかんでもこんな状況ならば殺伐とした世の中にもなるのですね
一度便利さに慣れると戻れないと言うことですが
そこまで切羽詰まって生きているわけではないのですけどね・・・
足ることを知る
これだけで人生結構楽に生きていけますけどね