表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

夢の砂

作者: 秋葉竹




十月ももう半ば

会社へ向かうあの

マンション植え込みに咲く

金木犀が香る朝


私の家の庭の

金木犀は切っている

あまりに大きくなりすぎて

ほんとは毎年

とても良い香りを届けてくれる

たいせつな友人なんだけど


あまりに大きくなりすぎて

隣の庭にまで枝を伸ばしてしまうから

去年の冬

伸びすぎた枝を

切ってしまった


とても痛くって

それからいつだって

それより痛い痛みを

感じたことがないくらいかな


くらい

云ってもいいかな



なんだか

雨が降ると

なんだか

ホッとするって


悲しみって

なんだろねって

なんなんだろうねって


とてもとてもリアルが忙しくて

寂しくて

イヤデ

たくさんの

悲しみが

悲しみとして

胸を刺すというのなら



ねぇ

金木犀


私のしたことは

あきらかな罪として謝るとしても


その悲しみの命に指を触れた

私の心が

馬鹿なんでしょうねぇ


夜は静かに眠れますように

どうか無事に眠れますように


祈る希いは

真実をすこしだけ変えたい

大馬鹿野郎のみる

王子様を嘲笑った

砂漠でダミ声で歌う

狐のみる夢なんでしょうかねぇ


ホントは

王子様が大好きだった

大馬鹿野郎の

女狐の


夢の砂ひとにぎり

だけがたいせつだなんて

だけがそんなにたいせつだなんて

とても痛くって

希望が昨日に転がって

痛すぎて

時代を置き去りにした

ひとにぎりの

砂の声にだけ

耳を傾ける







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ