序章『運命は動き出した』
曇り後晴れのとある昼間、青年が一人歩いていた....
不敵に笑いながら.....
その歩む先は電車の駅へ.....
人1人いない中、歩みを止めなかった.....
そしていつのまにか歩みは止まった.....
電車の通る線路の上で....
刹那、ゴォォォオっと線路の先で何かが走ってくる音が聞こえる....
青年はその方を見ると、そこには電車が走っていた....しかし操縦者や乗組員が乗っている様子はない。ただこちらへ走ってくるのだ.....
青年はその電車を見て突如狂ったように笑い出し『幸せだった』と言って人生の幕を閉じた。
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2017年7月20日
青年はベッドの上に転がっていた
悟郎『お....夢か....変な夢だったなぁ』
少年の名は火暮悟郎、歳は17歳 基本熱血バカで仲間思い、でも変なところで潔癖症で、ビビり、プライドも高く自己中でもある
悟郎『まぁ、せっかく起きて暇だし....友達誘って遊びにでも行くか!!』
すると悟郎はポケットから携帯を取り出した
今から遊びに行くのだ、連絡は必要だろう
なんてことを悟郎は思って携帯を取り出したのだと期待したが違った
悟郎『この動画おもしれぇ〜』
あろうことか悟郎は連絡もなしにただ動画を見るためだけに携帯を取り出したのだ
悟郎『おし、着替えもしたし、もう行くか!!』
悟郎は元気よく家を出てすぐ友達の家に走った
友達の家
ピンポーン!
悟郎『やい!楽馬!!居るんだろ!!!』
悟郎はそう叫び家のドアを何度も叩く
楽馬『なんだい?悟郎、僕はニート生活を満喫したいんだ、邪魔しないでもらえるかな?』
塩崎楽馬、悟郎の学校の同級生の親友、背は普通くらい身なりは緑のパーカーを着ている髪の毛ボサボサの男。彼は基本的に学校に行かず家でパソコン、ゲームなどをして遊んでいる。端的に言えばニートだ。
悟郎『うるさぁい!!今日遊ぼうぜ!!』
かなり自己中心的だ。
楽馬『、、、わかったよ、今着替えてくる』
楽馬は相当人混みが嫌いなのか、全身黒い服で目立たないようにしている
悟郎『さぁ行こうか』
楽馬『うん、電車のチケット買って東京まで行こう』
そして駅へ着いた
駅は休日の昼間にもかかわらず混んでおり人混みが多い。
2人はそんな駅の電車に乗り東京を目指す
悟郎『混んでいますなぁ〜ハッハッハ楽馬くん?』
楽馬『ナメてんのか君は?』
普通に会話をしていた2人であったが次の瞬間悟郎が頭を抱えて苦しみ始める
悟郎『ウウッ、あ、アタマが...痛い.....』
割れるように痛む頭に悟郎はもがき苦しむ
楽馬『おいおい、大丈夫かよ』
悟郎『、、、ッ!!』
その痛みはすぐにひき、悟郎は『ハッ!』と我を取り戻した
悟郎『そうだ、オレ....今日夢を見たんだ』
楽馬『!!!、マジ?実は僕も見たぜ』
悟郎は夢を思い出した、あの青年の夢を、、、、
悟郎『俺の夢は、ある青年が電車に轢かれちゃう夢だった』
楽馬『うわ!怖!僕のはニュースで地球が爆破するとかなんとかってアホらしい夢だったよ』
悟郎『はぁ?なんだそりゃ』
流石の悟郎も楽馬のあまりの馬鹿馬鹿しい夢に吹き出した
楽馬『オイ!笑うなよ!っとそれよりもう東京着いたぜ』
東京
悟郎『東京来たーーー!!!懐かしいな』
楽馬『せっかくニート生活を崩して来たんだ....』
楽馬はそう言うといきなり沈黙し始めた
悟郎『ん?』
楽馬『はしゃぎまくるぞ!!!!』
悟郎『お、おう....』
楽馬のテンションについて行けず悟郎は反応に少し遅れた
男『あっと、すみません』
不意に悟郎に誰がぶつかった
悟郎『い、いやぁ、その俺こそ、、悪かった、す』
慣れない敬語を一生懸命に使う悟郎の様は滑稽そのものだった
男『いえ、こちらこそすみませんでした、では』
男が去ると楽馬はクスクス笑いだした
楽馬『キミ、社会人に少し近付こうか、クッふふふ、悪かった、すって何だよ!!』
悟郎『うるせぇ!!!!ニートがぁ!!!!』
カチン!
楽馬も悟郎も怒り心頭の様子だ
楽馬『ニート舐めんなゴルぁ!!!』
楽馬、彼が怒っているのは自身をニートと呼んだことではない、ニートを舐めたこと、ニートを一般人と比べて格下の部類のように言ったことに対して怒っていたのだ
楽馬『いいか、ニートってのはだなぁ』
楽馬がニートについて語りだした、悟郎は内心 これは長くなるな と思いながらそれを聞き流す
楽馬『→%2・〒・+であるからして、ニートとは....』
ドカーーーーーーーーーーーーン!!!!!!
突如、付近のビルが大爆発を起こした!!!
悟郎『なんだ!!?』
悟郎の目の前のビルは爆発で燃え盛りとても安全とはいえない....しかし、そのビルと同時に彼の目には写ってしまった、そのビルの4階に子供が助けを求めて窓から顔を出している様子が
悟郎『待ってろ!!!今助ける!!!!』
悟郎は顔を引きつりビビりながら走ってビルに向かう
悟郎『(見たところ7歳くらいの男の子だったな....一人で脱出は不可能だろう、俺が助けてやらなくちゃ!!!)』
ビルに向けて全速力で走る悟郎に楽馬は叫ぶ
楽馬『馬鹿野郎!!!てめぇが動くな!!!、あーもう!!勝手にしろう!!!』
....と言いつつ楽馬はポケットに、携帯していたスマホを使い消防署に電話し事情を説明する
楽馬『すみません!!東京都内東京駅付近のビルが突然爆発して今大変なんです!!できれば今すぐ来てもらえますか!!?』
一方で悟郎はすでに爆発したビルの中の一階にいた
悟郎『どこだぁぁぁ!!!階段!!!』
悟郎が階段を探していたその時、上から火を被った直径6メートルはある大理石の柱が彼の背中に直撃し押し潰されてしまった
ガシャアアアアアン!!!!!
悟郎『うわぁあああああああ!!!!!』
普通は死んでしまうほどの傷を負っているのに....何故か悟郎は生きていた
悟郎『う、、、ウゥ!、、、』
しかし意識はだんだんと薄れていきやがて消えそうになる
そんな時、夢か現か誰も周りに人はいないはずなのに一つの声が聞こえた
??『このまま楽には死なせないよ?』と、、、、、
その後、楽馬の呼んだ消防車が来て、無事7歳の男の子は救助された。
そして驚くべきは悟郎だ、6メートルの大理石が上から落ちて来てなんと主な傷は左足の骨折だけで済んだのだ、だがもちろん悟郎は病院に運ばれて入院する羽目になる
病院
看護婦『今回の事故で足の骨折だけで済むなんて凄い奇跡ですよ!!でもこんな奇跡は二度とは起きません、今度はこんな無理をしてはいけませんよ』
悟郎『へいへーい、わかりましたよ』
こんな呑気な悟郎でも少し引っかかる事があった、あの時の声だ。
あの時、悟郎は頭は真っ白で自分はここで死ぬのかと覚悟を決めていた。
しかしあの声が聞こえて何故か自分は生きている
またあの声は誰がどういう意味を持って発した言葉なのか?
そして今日あったことの全てが、これからの全ての悲劇の始まりに過ぎないことを悟郎はまだ知らないのである。