第35話 上り坂 下り坂 まさか
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子供の頃、勉強しろと言われたが、やる気が出なかった。
なぜか?
何のために勉強するのか理解できなかったからだ。
親に聞いた。
そしたら、こう言われた。
「勉強しておかないと大変なことになるぞ。」
もう少し具体的な内容だったかもしれない。いい会社には入れないとか何とか。
でも、当時の俺の脳みそでは、その程度にしか理解できなかった。
ハッキリ言えば、何も理解できていなかった。
大人になってようやく理解した。
たしかに学歴はいい会社に入るためには必要だ。いい会社。つまり、給料がいい会社。
子供の頃、俺は両親がいくら稼いでいて、何にどれだけの金を使っているのか、聞いた事がなかった。たぶん、これは多くの人が同じだろう。
でも、お金の勉強をしておかないと、稼ぐ必要性や、方法を、理解できないまま大人になってしまう。
では、最初に「あの会社は給料がいいから、そこに就職するために勉強しよう」というような、目標を先に立てておくのは、どうか?
頑張るためには効率的だ。ゴールが分からないまま頑張るのは非常にしんどいので、目標がハッキリしている方がいい。あの会社に入るのが目標なら、そのためにはこのぐらいのレベルの学校を卒業しておかなくてはならない。だから今からこのぐらいは勉強しなくてはならない。という戦略が立つ。
戦略=目的+手段
この公式が重要だ。
目的と現在地に隔たりがある。到達するための手段が必要だ。それを戦略という。
この公式への理解度が突き抜けている人は、既存の会社に就職するよりも社長になったり個人事業主になったりするだろう。勉強とは要するに「どう稼ぐか」を目的として、そのために必要な知識・技術を身につける目的でおこなうものだ。
たとえば経営コンサルタントとして稼ごうと目的を定めたら、そのために経営戦略に優れた会社に就職してみるとかアルバイトに入ってみるというのも手だろう。数字に強くなくてはいけないだろうから数学や算数はしっかり学ぶ。書類とにらめっこになるだろうから国語も大事だ。高校は商業科へ行くべきだろう。社会情勢に疎いとダメだろうし、社会の勉強も必要だ。だが科学知識とかはあんまり要らないだろうから、理科は放置でいい。
と、このように戦略が立てられる。もちろん理科の先生には叱られるだろう。親も成績が上がらないことを心配するだろう。だが戦略があるのなら、余計なものを排除することも必要だ。つまり、他人にどう言われても気にしない図太い根性だ。
だが目的を定めずに手段だけを使っていると、路線を見ないで適当なバスや電車に乗るのと同じで、どこへ行くのか分からない。やたら「勉強しろ」と言われて、言われたからやるだけの勉強というのは、まさにこれだ。
逆に、目的だけ定めても、手段を用意して行使しなければ、到達できない。
では、人生は目標ありきなのか?
それは違う。
人生には3つの坂がある。上り坂、下り坂、まかさ。
まさかに遭遇するとき、それは悪いことばかりとは限らない。リンゴの会社の社長が赤アフロの黄色ピエロの会社にヘッドハンティングされて社長になった例もある。あの社長が「俺は今はリンゴの会社の社長だが、そのうち赤アフロ黄色ピエロの会社の社長になってやるぜ!」なんて事を考えていたのか? そんなはずはない。まさに「まさか」だったのだろう。
パラリンピックで頑張る選手たちは、ほとんどが本当なら健常者として頑張っていた人たちだ。彼らは思いも寄らない「まさか」に遭遇した結果、健常者のままではオリンピックに出られなかったかもしれないのに、パラリンピックには出場できた。
大事な事は、目標を持つかどうかに関わらず、目の前のことに一生懸命とりくむ事だろう。
俺も、まさか冒険者から相談員になるとは思わなかった。
「やれやれ……。」
目の前の、バラバラに砕け散った肉片を見る。
久しぶりに討伐依頼を受けたら、この有様だ。
勘が鈍って、力加減が分からない。まさかの事態だ。( ´Д`)=3ハァ…
こちらも、よろしくお願いします。
介護士無双
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