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異世界転生したら説教したくなった  作者: うさぎレーサー
本編 この作品は「説教」です。連続性のある「物語」ではありません。
19/41

第19話 バイト 無茶 上司

読んでくれてありがとう!ヾ(●>д<)ノThank You

楽しんでくれると嬉しいです。


今回もガチ説教です。

「バイトをやめたいです。」


 今回の依頼は、退職代行だ。

 依頼人は、新しくバイトを始めたが、覚える事が多くてつらいという。


「まだ5回目なのに、もう1人でレジをやらないといけないんです。

 なんなら3回目くらいから1人でやってました。

 これって普通ですか?」


 依頼人は「ありえねーだろ!? な!?」という凄いテンションだ。

 普通はバイトの新人は横でベテランの人がついてやるものだ。いきなり1人でやらないといけないのは、どうなんだ。一応、最初の1回はついていたが、2回目からはずっと1人でやっている。前に働いていたところでは、もっとちゃんと教えてくれていたのに、びっくりだ!

 と、依頼人はまくし立てた。


「右も左も分からない新人を野放しにする!? お金扱うのにおかしいでしょ!? そんなんだから新しく入った人もすぐやめるんだよ!」


 あと、レジからお小遣いもってっちゃう奴も居るし、と依頼人。


「ん~……。」


 今回の依頼は退職代行のはずだが、愚痴を聞くのも依頼内容に含まれるのか?

 ちょっとイラッとするから、説教してやろう。


「できない事をやらされる、という事に抵抗を感じるわけですね?

 でもそれって、やらせる側から見ると、普通なんですよ。」


 会社組織の上司が、部下(バイト)を働かせる上で重要な事は、その部下が()()()()()()()()()()()()()という事だ。

 組織を運営するには、どうしてもこれが必要になる。これをやらないと、いつまでも人材が育たないからだ。


「だから、他のバイトの人も、社員の人も、今やっている仕事は『まだちゃんとできない仕事』だったり、だいぶ慣れてきたとしても『やり始めたばっかり』だったりします。

 その事を、あなたの心の中だけで、こっそり認識しておいてください。」


 人手不足でどうしようもない場合を除けば、もう()()()()()()()ようになった人は、1つ昇進する。そして、昇進した後の仕事は、()()()()()()()()()仕事、()()()()()()()()仕事だ。

 会社というのは、そういう所だ。


「だから『まだちゃんとできないんですけど!?』と思っているのは、あなた以外の全員も同じです。」


 どのぐらい丁寧に教えるかは、その部署の責任者が決めることだ。

 ただ、「このぐらいで大丈夫だろう」という()()である場合と、人員不足とかで「ここまでしか、やってあげられない」という()()がある場合がある。一概に「普通はこのぐらい教えるもの」とは言えないのだ。


「でも、あなたは、とりあえず『やれ』と言われた事はなんとかできているわけですよ。上司が求めるレベルの仕事はできているという事です。

 そういうレベルで、そういう仕事をやらせるわけですから、上司だってあなたの事を『そういうものだ』と思っています。だから大丈夫です。」


 前世(ちきゅう)で、ファーストフード店のバイトをやっていた人と話した事がある。

 その人は、


「新人だったのに、1人で店を任された。ありえねえ。」


 と言っていた。

 ファーストフード店を1人で回すということは、レジもやるし、商品も作るし、サイドメニューやドリンクも作って、テーブルを拭いたりトイレや床を掃除したりもする、という事だ。

 それと比べれば、レジだけで済んでいるなんて「よかったね」だ。そして逆に言えば、この依頼人にも1人で店を回せるかもしれないという事だ。

 やれば、もっとできる。やれば、きっとできる。そう、あなた(どくしゃ)にも。

このあと「じゃあ退職代行やってきますね」と続けた主人公に対して、依頼人がどうしたか?

「お願いします」とバイトを辞めたのか、「自信が付いた! もうちょっとやってみる!」と依頼を撤回したのか?

 どっちだと思います?

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