入学式(鬼角 正修の場合)
教師陣の名前がいっぱい出てきます。
当日作った名前ですが、良い名前だと思いますね。
能力に関係ある名前にしといたんで、推測でもしてみてください。
暇だったら、感想、評価、ブクマ下さい。
てか、この時間にこれ読んでるって暇でしょ?
てなわけでスタート。
スゥゥゥゥ
講堂の扉がグラビティゼロで開く。
勿論、俺は、目を閉じながら。
うわぁ、目開きたくない~~~
遅刻したら、皆バッとこっち見るヤツあるだろ?
アレを入学式スケールでやられるんだから、そりゃひとたまりもないだろ。
目を潰したくなるだろうな。
チラッ
目を開けてみた。
ほぼ、みんなこっち見ている。
あぁぁ、、、、この学校でまともに生きていけなさそう、、、
ギャア!ギャアギャアーー!
ん?何あそこ騒いでんだ。
てか、もっと騒げよ、俺たちに注目が向かないぐらいに。
スゥゥゥゥ
自動だとぉぉぉおおお!!!!??
あぁ!俺の帰宅路が!
これで、もう後戻りはできない!
、、、だが、こっから先は、どうしたらいいのか分からない!!
ねぇ、どうするの?チユさん
チユは風景に溶け込んでいた。
あ!汚ねぇ!
ねぇ!俺のこと好いてくれてるんじゃないの!?
あ、そうだ!めぐっち、がいたんだ!
って、居ないしィィィィィィィ!!!!!!
ってメッチャ前に歩いとるしィィィィィィィ!!!!!
めぐっち自由かよ!
「オイオイ、いつまでそこに突っ立てんだヨ?」
びっくぅぅっ!
今までで一番ビックリした。
「そんなビックリ?」
「、、、いや、大丈夫です」
金髪―――サイ〇人ヘア―――絶対日本人―――グラサン―――背高いな―――服チャラ―――イヤホンもかよ―――コイツ教師なのか?
「ナニ?もしかして、どこ座るかとか?」
チャラいが、的を得ている。チャラいが。
「ま、そういう感じです」
「席はテキトーだよ」
へーー、普通クラス順じゃないのか?
「じゃあ、、、、」
全校生徒が座っている席の空き具合を見てみたが、ほぼ全席完売済みだった。
あ、勿論、あの騒いでいる奴らがの隣とかはカウントしないよ?
あれ?そしたら席無くね?
「う~~~ん、あそこしか空いてないネ」
その教師が言葉と共に指さしたのは、騒いでいる奴らの隣の席だった。
他に、席は無いらしく、反抗の余地を無くした俺は、仕方なくそこに座りに行く。
―――――――――――――――――――――
ギャアギャア!!ギャアギャア!!!
俺とチユはウルサイ奴らの隣の席に向かい歩みを進める。
マジで、入学式に騒ぐヤツとか知能指数どうなっとんだ。
段々と近づくにつれて内容が聞こえてきた。
「キミはなんで入学式という大切な日に静かにできないんだ!!」
あれ?まともな事言ってるぞ。
眼鏡―――七三分け―――暗記帳―――委員長っぽい―――の割にはガタイ良い―――ガタイ委員長
「待たされているんだぞ!こっちは!時は¥なんだよ!」
ウルサイ元凶はコイツか。
金髪―――ドリルツインテール―――うわっ、小っちゃ!―――肌白―――ハーフか―――金髪ドリツイハーフ幼女―――キャラの大渋滞だな
開いている席に着いて、チユが俺を盾にして、ガタイ委員長→大渋滞→俺→チユっていう感じで座った。
チユの顔が、少し歪んでいるような気がした。
?
「なんだ!オマエは!」
高ぶった様子の、金髪ドリツイハーフ幼女が俺に声を荒らげる。
小っちゃい奴が精一杯頑張って怒っていると、何か少し可愛げを見出してしまわないだろうか。
だが、、、
「あ゛?」
舐められないためにも、テキトーにでも威嚇しておこう。
「あ゛ん?」
金髪ドリツイハー、、、、めんどくさいっ!これからは幼女だ!!
幼女が上目遣いで、俺を威嚇してきた。
ちょっ、、、可愛いって、、、っ!
「こらっ!言葉遣いが汚いでしょ!!」
いや母親か!
ガタイ委員長が幼女を、注意する。
あーあー、そんな言い方したら更に盛り上がっちゃうでしょうに。
ギャアギャア!やいのやいの!!ピギャァ!!!
ビーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『長らくお待たせしました、これより入学式を始めます』
鼓膜を嫌な揺らし方をするブザー音が鳴った後、ラジオが入学式の始まりを告げた。
あ、この声!老騎士の声だ。
『それでは、最初に校長からの挨拶』
教師陣の空気が変わった。
ざっ、、ざっ、、ざっ、、ざっ、、ざっ、、
壇上の方から聞こえる足音が耳をゾワつかせた。
壇上に、足音の主である校長が現れる。
空気がズシンと一気に重くなった。
プラットホームの時よりも、喋った時よりもだ。
校長が壇上に用意されている演説台の前にやって来た時が、緊張のピークだった。
『マインドコントロール』!!
「ひっ、、、!」
まだ重い!
『マインドコントロール』二十掛け!!
ようやく呼吸が正常なリズムに戻ってきた。
校長の方を見てみると、全校生徒の事を纏めて睨んでいた。
いや!なんでだよ!
ていうか、この状況大丈夫かよ。
チユの方を見ると、顔は平常運転だが、その顔ににじみ出ている冷汗が、ギリギリで踏ん張っているのを物語っていた。
ガタイ委員長と幼女の方を見ると、ガタイ委員長は白目で突っ立っていて、幼女はおきあがりこぼしのように、グラングラン、ヘドバンしていた。
他の生徒は、座り込むものまで出ていた。
校長は、そんな状況もお構いなしに、少し前かがみになって、口をマイクに近づける。
『シーーーーーーーーーーーーーーーーーーン』
はい?
校長が口をパクパクさせている。
あれ?マイク、、、
一足遅れてマイクの故障に気が付いた校長は、また全校生徒を睨みつけた。
今度は泣き出す者、吐き出す者、血涙流す者等が出てきた。
その様子は将に、阿鼻叫喚、地獄絵図だった。
一応、俺は、『マインドコントロール』を更に六十掛けして何とかしのいだ。
が、チユは耐えられず倒れる寸前のところを掬い上げて、『起床』と『マインドコントロール』を付与して難をしのいだ。
ガタイ委員長と幼女にも、同じ処置をしてやった。
その後、通常授業の先生も総出で、倒れたりした生徒たちを医務室に運んだ。
運んでいる途中に、先生が『まただね』みたいな事をつぶやいていたから、どうやらこれは恒例行事らしい。
なんて学園に来てしまったんだと今更だが、公開している。
その後、この状況になるのを見越してか、30分休憩が挟まれた。
チユが、まだ具合悪そうにしていたので、ついでに幼女を負ぶって、意識朦朧なガタイ委員長も引き連れて医務室に行くことにした。
連れて行った三人はあらかじめ用意されていたベットに横たわって、寝た。
俺も、せっかくの機会だ、と思って、医務室のベットに寝かしてもらった。
――――――――――30分後―――――――――――
また、講堂に再集合した。
何個か空席があって、脱落していったのが手に取るように分かった。
ビーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『続きまして、教師陣紹介』
あ、ですよね~流石にもう1テイクやるなんて言ったら、死人出ちゃうもんね。
ホッ
講堂全体が安堵の空気に包まれた。
つらつらと教師の名前が読まれていく。
教師紹介は、ラジオで名前を呼ばれた教師が、壇上に上がって一礼する、というものだった。
なんか効率悪いな~、と思いながらも、妄想しながら適当に時間をやり過ごす事にした。
『一年H組担任、~~~~~。一年Z組』
Z組!?!??!?
この学園はアルファベットの順番も知らんのかい。
『一年Z組担任、蒼黒 未来』
校長がやってきて、お辞儀をする。
皆思った。
アンタがやるんかい!!と。
『一年Z組数学教師、電雷 遊』
チャラ先生かよ!あの人が数学教師とか終わってんだろ、Z組。
『一年Z組国語教師、色香 沙耶香』
小柄―――ゆるふわカーブ?―――化粧―――アヒル口―――今更感―――男を手玉に取りそう―――どこか腹黒そう
『一年Z組英語教師、黒魔 真由美』
茶髪―――眼鏡―――国語教師より背でかい―――てか、乳デカっ!―――フラフラしてる―――顔が青ざめている―――酒か?
『一年Z組理科教師、元素 理科』
眼鏡―――白衣―――黒髪―――短髪―――気弱そう―――腰低くそう―――頼りなさそう
『一年Z組社会科教師、鬼角 法修』
校長にも似た鋭い目―――ガタイも良い―――短髪―――しかも、俺と名字が同じ鬼角!
紛れもなく俺の父親じゃねぇか!!!
チユの方を向き、『知ってる?』とアイコンタクトメールで訴えると、『知らなかったの?』と返信が来た。
いや、全く知らなかったんですけど!?
俺の驚きもつゆ知らず、ラジオは進んで行く。
『一年Z組古典教師、無塵 清子』
目がキッ―――真面目そう―――俺の父の女版―――黒髪―――おかっぱ―――あ、ボブか―――胸もまぁまぁだな
『一年Z組家庭科教師、鬼角 大奥』
お母さん!!!!!?!?!?!??!?!!!?!?!
何してんのぉぉぉ~~~~~!!!!!!
お母さんがこちらに気づいて手を振った。
俺の両親馬鹿じゃねぇの!!
暇なの!?ねぇ!!
俺の、ホゲ~としている顔を見て、チユがクスリと笑った。
『一年Z組体育教師は私です』
え、老騎士が?いや、見た目的には、高速移動してドラゴンの一頭くらい簡単に倒しそうではあるけど、あるけども。
普通に考えて、結構なお歳だろ?
『これより組分けを発表致します』
――――――5分後――――――
呼ばれないのだが、、、
『H組、~~~~』
なんで呼ばれないのかは何となく察しがついた。
『これより記念撮影を撮ります。組ごとに集まって、並んでください』
Z組は!!?!?
A組から順に壇上に用意されてたひな壇に乗って、記念撮影を取り始めた。
記念撮影を撮った組は、各々の先生の指示により教室に向かっていった。
B組、C組、D組、という風にどんどん記念撮影が進んでいくにつれて、講堂がドンドン過疎していく。
それにつれて、俺の心は焦っていった。
終いには、H組の奴らに『なんだアイツらは』という痛々しい物を見る目線で見られたのには、学校側が用意したこのシステムにむかついた。
この居残りシステムの事はチユも幼女もガタイ委員長も知らなかったようで、終始ソワソワしていた。
辺りを見ると数名、ホントに数えるぐらいしか講堂に残っていなかった。
ざっ、、ざっ、、ざっ、、ざっ、、ざっ、、
校長がまた壇上に上がった。
校長は、また前のめりになってマイクに口を近づける。
今回はそこまで、殺意に似た物は感じれなかった。
『挨拶は省かせてもらう』
なんかドラマみたいだな。
『ここに残った者たちはZ組だ。Z組とは、超強力な能力の学生を集めて、それを自己管理ができる様に指導するために作った政府公認のものだ。各々身に覚えがあるだろ?』
まぁ、無くはない。
けど、そんな隔離じみたことまでしなくても、俺は、大丈夫じゃね?
『今、僕は、私は、大丈夫。等思ったものもいるかもしれない。しかし、それは間違いである。能力は社会に多大なる進歩と混沌をもたらしたものだ。そんな代物を、自分一人で完璧に把握でき、かつ、制御できるわけがない。だから、私たちでしっかりと教え!しっかりと管理していく!』
心読まれた!!?
『、、、勿論、これは6割建前だ』
ガクゥッ!
なんだそりゃ!
『学び舎とは、楽しみながら人生の意味を見出していくものだ。これをしろ、あれをしろだのあーだこーだは言わない。私達は、災害で悔やむ人がいたら復興の仕方を教える、その様な教育方針だ。エゴに聞こえるかもしれないが、その代わり、私達は、君たちが安全安心にそれを見出せるよう、手の届く範囲、目の届く範囲、命の届く範囲で手助けしていくつもりだ!、、、ご清聴ありがとう』
おぉ、、、スピーチ上手いな。
『それでは、Z組の記念撮影に移ります』
講堂に残ったZ組生徒一同は壇上に上がっていく。
ガタイ委員長と幼女を除いては、まだお互いの距離を測っていると感じがした。
隣で、やいのやいの騒いでいる二人を横目に俺とチユも壇上に上がって行く。
最後には、ガタイ委員長と幼女は、チャラ先生に注意されて、大人しく壇上に上がって来た。
「は~~~い、笑って下さ~~い」
パシャ!
俺の学園生活は始まったばかりだった。
桜って綺麗だよね。
今日花見してきちゃった。
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