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k  作者: か
3/3

惚れてくれるなよ

離陸する飛行機のなか。軽く気を失っていたかもしれない。

マイクが飛行機の中で、何度も励ましの言葉をかけてくれた。

だが、なにも届いてはいなかった。


「ヒュー 飛んでった飛んでった♥ 」


白スーツの男が感心していると、スーツの男がこちらに向かってきた。部下だろう。


「カタギリ様。DRMの佐久間様からお電話が。」


白スーツの男はカタギリと言うようだ。

DRMとは世界最大規模の薬を扱う大企業のことだ。


「ちっ、繋げろ。」


カタギリがそう言うと、部下は無線電話を渡してきた。

カタギリは乱暴にそれを取り上げた。


「はい~、お電話代わりました~カタギリですぅ~♥ どうなさいました~?佐久間様。」


「カタギリ、我々の投資はあのちっぽけな機械にも使われているのか? 他にどんなことに金を回した? 言え。」


大企業DRMのお偉いさんにそう訪ねられ、カタギリは「仕方ありませんね」と、説明を始めた。


「あなた方の超大規模な投資は、島の入手、管理に車、船の運搬、配置、彼らが使う武器や道具の入手、配置、そしてあの ち っ ぽ け、な機械の開発に回されております。更に細かいことは、そちらにデータを送っておきますので、ご確認ください。」


「ホントにこのゲームはその投資に見合うものになるんだろうな。」


「もちろんですとも。どうぞご安心ください。では、私は仕事があるので失礼します~。」


電話を切ると彼は、電話を海に放り捨てた。


「ブタ共が。お前らの娯楽のためにこっちは必死になってプロデュースしてやってんのに。あの機械を作るのに、どれだけ時間と労力費やしたと思ってる。」


「行くぞ」カタギリはそう言って部下と一緒にヘリコプターに乗り込み、どこかへ向かっていった。



もうすぐか。俺はもうすぐ誰かに殺される、もしくは誰かを 殺す

和は、遠目で見える島を憎らしい目で見ていた。

隣のマイクが声をかけてきた。


「そろそろだ。絶対に生き残るぞ。」


「無理だよ。俺なんか。マイク一人ならやれるかもしれないけど、俺がいても足を引っ張って無駄死にするだけだ。」


「大丈夫だと言ってるだろう。俺がいればな。」


マイクの励ましが最初は天の救いに思えたが、今では苛立ちを覚える。


「なんでそんなことが言え……」


「もうすぐだ。全員上陸準備。タイミングは好きな時にでいいぞ。」


「?」


操縦士のアナウンスが入った。タイミング? なんのことだ。


「んじゃ、速めに行きますか。」


マイクはそう言うと何かを背負った後、和の体をぐいと持ち上げた。


「な、何すんだ! ? 」


「行くぞ! チビるなよお! うおおおおお」


けたたましい雄叫びと共にマイクはヘリコプターから飛び降りた。


「…………! ! 」


……

数秒だけ気絶していた。

勢いが強すぎる。何も喋れない。


瞬く間に地面との距離が近づいてくる。


「もごもごもごー (そろそろ開くぞー)」


マイクが何か言っているが風のせいで聞き取れない。

するといきなり落下速度が低下した。

マイクがパラシュートを開いたのだ。


「いきなり飛ぶなよ! ! 」


「あっはっは! 言ったろ? 俺の生き甲斐は人を驚かせることだって。」

「とにかくあそこに家が4軒見えるだろ? そこに着陸するからな。」


そう言うとマイクはパラシュートを操作し、そこに向かった。


「ふざけんなっ!くそ、こんなはずじゃなかったのに……」


「もうすぐだ。」


マイクはそう言うと足を前にだして着陸の姿勢をとった。

見事に4軒ある内の1軒のベランダに降りた。


「ふぅ~着いたな。ここからだぞ。気合いいれろよー。」


のんきなマイクについにカチンときた。


「いい加減にしろよ! 」


「……お、おい。落ち着けって」


「これが落ち着いてられるか! ? 急に拐われて、変なゴリラ男と出会って、狂ったピエロが銃を撃ったと思えば変な島に連れてこられて殺し合いをさせられる。なんで俺なんだ! ? なぁ? 」


「俺が何したんだよ……どうせ俺は醜く殺されるだろうよ。こんな島……」


「! ? 静かに!」


そう言うとマイクは和の口を塞いで家の中へと連れ込んだ。


「っ何すんだ! 」


シー、そう言ってマイクが口に指を当てて、向かいの家の中を指差す。

人が居る。二人だ。一人はシャベル、一人はピストルを持っていた。


「! ? 」

「嘘だろ? 俺もう死ぬのかよ……」


和がそう言うとマイクはニヤリと笑い、今居る家を漁りはじめた。


「何やってんだ。」


和の問いかけを無視し、部屋に入っていった。


「あぁ、あったあった。なぁカズ、俺がなんの根拠も無しに、ただお前を励ますためだけに生き残れるとか言ってたと思うか?」


部屋から出てきたマイクは手にピストルを持っていた。


「カズはここにいろ。大丈夫だ、すぐ終わる。」


「え、まさか行くのか? 一人で? 」


「ああ、狩りの時間だ。」


マイクはそう言うと窓から家を出て、向かいの人が居る家へと向かった。


「嘘だろ。マイクが死んだら俺、一体……どうすれば……」


バン! バン!


突如、2発の銃声が聞こえた。向かいの家の窓が赤く染まっている。


「あぁそんな……俺、どうすりゃいんだよ……」


すると、向かいの家の窓が開き、中から人が顔を出した。

和はとっさに隠れた。


「まずい。バレたか? 」


額からは冷や汗が流れ、心臓の音がとても大きい音で聞こえてくる。

声が聞こえる。何を言っているかは上手く聞き取れない。

だが、どこかで聞いたことがある。


マイクだ。


マイクが向かいの家の窓から顔を覗かせていた。


「早くこっちこいよ! 」


走ってマイクの居る家に向かった。2階に上がると、床が血にまみれていた。吐き気がする。

頭を見事に一撃で撃ち抜いている。


「お前、一体何者だよ! 」


「ん? 俺か? 俺はしがない元軍人だよ。惚れてくれるなよ。」

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