ヒノデ村恒例! 年末デスゲーム祭り(12/27-12/31) 第三圏 予告
司令部の天幕の下、異動通知を手に喜ぶアカガワ
「やった! これでこのわけの判らない任務から解放される!」
ゆるやかな風がバサバサと、司令部のある天幕を揺るがす。だが、その異動にゴドー副隊長は懐疑的であった
「絶対なにかオチがありますよ、アカガワ中隊長殿! 中隊長から大隊長に出世とかだと我が輩は考えるであります!」
浮かれて答えるアカガワ
「違いますー! 同じ任務での降格昇格だと、封筒の色は薄い青色のはずなんですー! これは薄い緑だから、別の場所で別の任務の異動通知ですー!
そうだ送別会やろうぜ、ちょっと鹿でも狩ってくる」
ゴドーはスキップしながら司令部を出ようとするアカガワの首根っこを掴む
「アカガワ中隊長殿! 送別会の準備ぐらいこちらでしますが、浮かれるのは異動通知を読んでからでも遅くはないと思いますであります! 薄緑なら我が輩に教えても差し支えない任務なんでしょ? どんな新任務か教えてほしいであります!」
へらへら笑いながらアカガワは封筒を破る
「きっと栄転だよ!」
「アカガワ中隊長殿の言う栄転とは、南の島でバカンスがてらの暗殺任務とかでありますか?」
ゴドーの冗談をものともせずアカガワは満面の笑みで、異動通知に目を通す
そこに書かれる新任務を見て、アカガワの表情は凍り付く
湿った地面に落ちる異動通知
ゴドーは異動通知を拾いながら、横目で内容を見る
ゴドーはアカガワの新任務を知り、溜息を吐いた
「ほう。こう来ましたか。予想の範囲ではありましたが、お気の毒としか言いようもありませんな。
どうします?」
呆然とするアカガワだったが、どうにか気を取り直す
「どうするもこうするもないだろ、任務なんだからやるしかない」
ゴドーは答えた
「そんな無意味なことは聞いてません。どうします? 送別会はやりますか?」
*第ゼロ中隊司令部、アカガワ中隊長に届く異動通知*
イシガキ博士は食堂で叫んだ
「大変じゃタケヤ君! 小麦粉その物を操作して、非疑似天然酵母の開発に成功したから、これからはパンもナンも食い放題じゃよ! ナノテクじゃよナノテク! 困った時のナノテクノロジーじゃ!」
タケヤは驚く
「マジですか、イシガキ博士!」
「マジもマジ。これからはタケヤ君がパンでもナンでも作ってくれたまえ!」
「僕にも簡単に扱えるんですか?」
「簡単、簡単、ちょー簡単」
「凄いですよイシガキ博士! これで毎朝パンがいただけるんですね!」
「そうじゃよ、タケヤ君! これからはキミが毎朝午前三時ぐらいに起きて村人の為にパンを焼くんじゃ!」
「毎日午前三時起き? あーやっぱり僕はうどんでいいです!」
「そうか、まあ喰いたいヤツが自分で作ればいい話じゃな! ところで酵母開発時の小麦粉制御技術の副産物で、自由空間で小麦粉粉粒体の安定化した格子配列が出来るようになったぞい!」
「凄いじゃないですかイシガキ博士! で、それってなんです?」
「武器転用可能なスケールで粉塵爆発を制御できるぞい! なんちゃって気化爆弾、小規模大量破壊兵器の完成じゃ!」
「駄目です、イシガキ博士! 小麦粉を戦争につかっちゃいけません!」
……それ以前にヒノデ村のどこで使うんだよ
*禁断の科学、暴走するコナモンテクノロジー*
それ自体が白く発光する壁の前に立つ村長。その顔は逆光になりタケヤには判らない
「よく来たね、タケヤ君。聞きたいことが山ほどあるってツラだ」
強い光に顔を歪めつつタケヤは疑問を村長にぶつける
「僕と村長が会うのは初めてですよね?」
「ん? そうだが?」
「僕に顔を見られて困ることもないですよね?」
「まあそうだね」
「だったらどうして村長の顔はシルエットになってるんですか!」
「演出に決まってんだろ! というか、聞きたいことってそれ?」
*ついに『炭焼き小屋』で村長と対峙するタケヤ*
「ハーイ、ミナサン、ハジメマシテ。私ガ新シイ村長代理デース。イヨイヨ鬼ガヤッテキマスガ皆デ、チカラヲ合ワセテ撃退シマショウ」
*そして赴任する新しい村長代理*
無惨小説第一圏のフォローのつもりが、二重遭難になった第二圏を踏み越え次こそはちゃんとした小説体裁を目指すぞ第三圏!
ヒノデ村恒例! 年末デスゲーム祭り(12/27-12/31) 第三圏 近日公開(内容は予告なく変更される時があります)




