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01-24 『タケヤ対拷問官(7) 螺旋』 2月1日

「タケヤ君。早速始めますよ。構えなさい。

 今から、アナタの頭部に向けて攻撃を仕掛けます。狙いは頭蓋骨粉砕による殺害です。頑張って応対しなさい」


 いくらタケヤでも村長代理のこの言葉に、はいそうですかとは答えられない。

「いやいやいや、村長に殺すなって言われてるんじゃないんですか! 殺す気で来るって意味ですか?」

「いきますよ」

 村長代理はフェンシングの構えから、突きではなく、肘を使いタケヤの頭に向かい打撃を放つ。

 棒立ちのタケヤの頭に杖は当たり、そのまま頭蓋と脳を破壊する。

「あのね、タケヤ君。とりあえず成功失敗にかかわらず何か行動しましょう。無駄死ににもほどがありますよ」

 タケヤは崩れ落ちる。

 開かれたままのまぶたは、二度とまばたきをしなかった。雲一つ無い青空がタケヤの瞳に映る。

 ゆっくりと開いていく瞳孔。

 タケヤが見る青空は白味をを徐々に強め、やがて真っ白になる。

 そして、タケヤの意識は無に散った。



「タケヤ君。早速始めますよ。構えなさい。

 今から、アナタの頭部に向けて攻撃を仕掛けます。狙いは頭蓋骨粉砕による殺害です。頑張って応対しなさい」


 何が起きたか? 何が起きようとしているか? タケヤには理解出来ない。

「え? え? なんかさっき頭に激痛が走って目の前が暗くなって」

「いきますよ」

 村長代理はタケヤの頭に向かい杖を振るう。焦るタケヤは黒剣で頭をかばい、攻撃をしのごうとした。

 村長代理は上半身の動きはそのままで下半身の踏み込みにより杖の軌跡を変え、タケヤの側頭部を破壊する。

「防御術はなしと言ったでしょ。私の攻撃を邪魔するために、剣を置く目的ならば許します。ただ、それにしても隙だらけです。もう少し工夫しましょう」

 タケヤは崩れ落ちる。

 開かれたままの、まぶたは、二度と瞬き(まばたき)をしなかった。雲一つ無い青空がタケヤの瞳に映る。

 ゆっくりと開いていく瞳孔。

 タケヤが見る青空は赤味をを徐々に強め、やがて深紅の空になる。

 そして、タケヤの意識は闇に落ちた。



「タケヤ君。早速始めますよ……」

「待って、待って、意味が判らない!」

「いきますよ」

 村長代理の杖がタケヤに向かい振るわれる。タケヤは必死に態勢を変え、杖の攻撃を避ける。

「避けすぎです。態勢が崩れたら次の攻撃が避けられないでしょ」

 村長代理の言葉のまま、二段目の攻撃がタケヤの頭に命中する。



「タケヤ君。早速……」

 村長代理に最後までしゃべらせず、タケヤは使い方も知らぬ剣の一撃を、彼に向けて放つ。

 が、攻撃は杖に払われ黒剣は宙を舞い、村長代理の杖がタケヤの頭に振り下ろされる。

「先手必勝ですか。嫌いじゃありませんが、それじゃ訓練にならないでしょ」



「タケヤ君。……」


 何度目か? 何度村長代理に頭を砕かれ殺されたか?

 時間が繰り返されている? でもなぜ、どうやって?

 この繰り返しが何であるかは判らない。考えるだけ無駄だろう。


 しかし判った。村長代理の攻撃がどの軌道で放たれるか、タケヤは理解した。致命傷になる攻撃だが、避けられない類いのものではない。

 避けられるが、避けすぎると次の攻撃を食らう。


 杖の攻撃が洗練されているのも理解した。

 軽く放たれる攻撃だが、頭に当たる杖の部分は常に一緒だ。

 あの部分で当たると、力が最大に乗った頭蓋骨さえ粉砕する攻撃を食らう。

 避けすぎてはいけない。理想は当たる寸前でかわすことなのだろう。

 だが、そこまでの見切りは無理だ。

 ならば、あえて力が乗る前に杖に当たろう。


 村長代理は杖の突きを放ち、タケヤの心臓を貫く。


「あのねタケヤ君。人の話はちゃんと聞いてください。心臓を狙って突きを出すといったでしょ?」

「く、繰り返しじゃない? なんだこれ……」

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