状況は変わった!
ラストですワン。
デカい図体のボス犬に絡まれたモモはどうなる!?
コンボイは俺に襲い掛かろうと身構えた。
するとだ。
ティンクル嬢がヤツの尻尾をくわえて制止しやがった。
自分の為に他の犬をイジメないでくれと頼むのだ。
血を見る争い事なんて見たくはない。こう考えるなんて、やはり女の子だな。
だがコンボイはティンクル嬢を頼み事なんて聞く耳持たずで、俺に迫って来る。
ティンクル嬢の制止を振り切って、俺に襲い掛かって来たのだ!
俺は相手にこてんぱんにやられ、尻尾をくわえられてぶるんぶるんと身体を振り回された。
遠くへ投げ飛ばされた挙げ句、すぐ近くの塀に身体を打ち付けた俺。
モモが思わず大声で吠える。
だがコンボイのパワーの有る腕で引っぱたかれて、モモも同じように跳ね飛ばされてしまった!
コンボイは向きを変え、ティンクル嬢の傍に歩み寄って来た。
彼女を連れて行くつもりだろう。
相手をくわえようと、コンボイは大きく口を開けた。
ティンクル嬢が咄嗟の判断でコンボイの顎をカブリと噛んだぜ!
相当、強く噛んだんだろうな?
コンボイの野郎は悲鳴を上げてパニックになりやがって。
ティンクル嬢は狂ったようにギャンギャン吠えまくって威勢が良いぜ。
だがこれは、相当マズイ状況を生み出すキッカケとなっちまうんだ。
コンボイは手でティンクル嬢を身体を跳ね飛ばし、地面に落下した所で足で踏みやがった。
この野郎!
か弱い女に手を出すとは、ルール違反じゃねーのか!?
俺は激しい痛みで身体を震わせながら、ゆっくりと立ち上がった。
「やべー! ティンクル嬢を助けねーと!」
足で踏んだまま、ティンクル嬢に何か説教しているコンボイ。
ティンクル嬢は怖がって泣き出し、俺たちに助けを求めている。
「この2匹には用はねー。俺と一緒に来るんだ」
コンボイはそう言って、ティンクル嬢をくわえ軽々と持ち上げた。
この時だぜ!
モモは隙を見てコンボイの尻尾に喰らい付きやがった!
悲鳴を上げるコンボイ。
ティンクル嬢を振り落とし、モモと取っ組み合いとなった。
俺は呆然となったよな。
何度も言うように、小柄のモモじゃあデカい相手とやっても勝ち目はねーんだ。
きっと噛み殺されて動物界の三途の川行きだろう。
と思ったらよ!
状況は変わったんだ!
今度はコンボイの方がビビッちまいやがるんだ。
モモの方は普段は滅多に見せない鬼のような顔でコンボイを睨み付ける。
「俺がチビだからってイイ気になりやがって! ナメてんじぇねーぞコラァ!」
こんな啖呵を切ったのはモモだ。
「す、すまねー! 許してくれー!」
さっきまでの威勢の良いボスの態度はどこへやら。
コンボイは苦笑いしながら手下どもと一緒にそそくさと逃げて行ったぜ。
勇ましく力強い声で吠えるモモだ。
俺は改めてモモを見直した。
コイツがこんなに強いとはな。
恋人を守る為に男を見せたんだ。
大したヤツだよ。
普段は相変わらずボーっとしているけど…。
終わりですワン。
モモって意外と強かったんですね。




