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モモの恋人との交際、だが…

3話目ですワン。

 ホント…、モモはオスのクセにひ弱いヤツなんだ。

 その上、動物としての警戒心や緊張感が薄いから余計にアブねーしよ。

 誰にでも対して愛想良く振る舞うから、人間から見れば人なつっこくて可愛い犬だと思われるから注意しねーとな。

 俺は不審者の件でヤツに注意したぜ。

 流石のモモも、今回の事はビビったみたいで軽率な行動を取った事を反省しているようだ。


 そんなだらしが無いモモだけど、意外なところも有るんだぜ。

 犬の世界での七不思議ってヤツか?

 俺と違って、外ではメス犬たちにモテモテなんだ。

 最初は俺、嘘だろうと思っていたけど、実際にモモが外で行動している時に色んなメス犬たちがコイツに寄って来るんだ。

 驚く俺を尻目に、モモは色んなメスたちに気前良く接するけどな。

 正直言って、羨ましいぜ。そしてだ。


 コイツの日頃のコミュニケーションを賜物なんだろうな?

 ステキなガールフレンドが出来たんだぜ。

 ちっくしょー、どこまで羨ましいヤツなんだモモは!

 お相手は近所のセレブ宅で飼われているパピオン系列犬で、名前はティンクル嬢。

 茶色と白の毛並みがキレイな美形のメス犬なんだ。

 モモとティンクル嬢との出会いはそのセレブ宅のマダムが我が家へ遊びに来た事がキッカケだったかな?

 我が家の奥様と、マダムが仲の良い友達で、よく2人で行動したりしているんだ。

 そのマダムがティンクル嬢を初めて連れて来た時にモモは一目惚れしたってワケよ。

 ティンクル嬢もモモの事をすっごく気に入ったんだよな。

 

 出会って以来、2匹は機会を見てデートとかを楽しんでいるぜ。

 モモとティンクル嬢のラブラブは進展するけど、やっかいな問題が立ちはだかって来たぜ。

 2人の交際を邪魔するヤツが出て来たんだ。そのふてー野郎はコンボイってヤツ。

 この街の犬社会を我が物顔で統治しているボス的な存在だ。

 図体のデカいドーベルマンだからパワーも有るし、性格も凶暴の一言に尽きるんだなヤツは。

 喧嘩も滅法強いコンボイ相手じゃ、周りの犬連中は誰もヤツに歯向かう事が出来ねー。

 ハハ!

 俺もだけどよ。


 そのコンボイが手下の犬ども…ボクサー犬のジャンボーと土佐犬のブルドーザーを引き連れて町内を回っていた時にモモとティンクル嬢のデート現場に遭遇したんだ。

 丁度この日、近所の野ざらし公園で犬仲間との集会に顔を出していた俺は帰りにこのヤベー現場に居合わせた。

 震えるティンクル嬢を横目にコンボイは威嚇的な態度でモモを脅していた最中だったぜ。

 気の小さいモモはデカい図体のボス野郎に絡まれてビビってら。

 俺はすぐにヤツの所へすっ飛んで行った。

 コンボイはいきなり俺が目の前に立ちはだかったもんだから驚きやがった。

「ブラウドじゃねーか!? 驚かすな!」

 モモをガードするように俺はコンボイに対して身構えたぜ。

「よぉ、俺の相棒に何か用かい?」

「お前の相棒が、俺の女に手ぇ出しやがった。どう言うつもりなのか? 問い詰めていただけよ」

「何だと? ティンクル嬢はお前さんの恋人って言うのか?」

「そうよ。ずっと前から、ティンクル嬢は俺と付き合っていたんだ。それなのによ!」

 コンボイはえらくご機嫌斜めのようだぜ。


 俺はティンクル嬢に直接、その辺りの状況を確認してみた。

 彼女の意見はこう。

 確かにコンボイと付き合ってはいる。

 でもそれはあくまでも友達としての付き合いだけ。

 コンボイを恋人だなんて全く思ってはいないって事だ。

 自分の恋人はモモだって事をティンクル嬢は言う。俺はコンボイに問い質す。

「違うって言ってるじゃねーか? どうなってんだこの状況は?」

 コンボイはティンクル嬢に対し頭ごなしにバカヤローと一喝しやがった。

 ゴクリと息を呑む彼女にジャンボーがオカマ声で言い聞かせる。

「あーなーた、ボスの恋人なのよ。そこにいるモモとか言うオカマ野郎と付き合うなんて失礼にも程が有るわ」

「恥を知れ恥を!」とブルドーザーの野太い怒号がティンクル嬢に降りかかる。

「…」

 ティンクル嬢はビビッてるだけで何も答えられねーみていだな。

「理由を言え理由を。俺の女を横取りするつもりだったんろう?」

 コンボイは尚もモモに問い詰める。

「ぼ、僕は…」

 ボスの恋人だなんて知らなかったとモモは弁解した。

 相手の飼い主がウチへ遊びに来た時に初めて出会って一目惚れしたんだからよ、別に彼氏がいるなんて知るワケねーよな。

「よせコンボイ! この辺りのシマを統治するボスと有ろうもが、弱い者イジメかよ!

 みっともねーぜ!」と、俺は必死だ。

「何だとぉ? この俺様に喧嘩を売ろうってのか?」

 コンボイの野郎、今度は俺の方に迫って来やがった。

 運動神経が抜群な上に体力の差は歴然としているから、小柄な俺が勝てる相手じゃねー事は明白だ。

 それでも相手に対し威嚇体制を取る俺である。

「お前さんってすぐ、カーッとなっちまうタチだなぁ?」

「俺は気が短いんだ。その俺を怒らせやがって!」


続きますワン。

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