不審者撃退!
2話目ですワン。
ブラウドとモモが飼われている家に不審者が現われました。
しばらく家中を捜してみると…
いたいた!
裏口にいやがったぜ。
だがよ!
俺は目の前のヤベエ状況に足がすくんじまった。
あの不審者がいつの間にかウチに上がり込んでいたんだ。
何とモモのヤツ、その不審者に頭を撫でられて目をとろーんとさせやがんの。
バッカ野郎!
そいつは不審者なんだぜモモ!
俺は咄嗟に物陰に身をひそめて、不審者の動きを注視した。
そいつは辺りを見回し、歩を進め始める。
廊下を進み各部屋を見て回りやがるんだ。
「居留守じゃねーの? カギ掛けてねーし、可愛い犬1匹じゃ物騒だよーん」
男の声だ。
痩せた体付きから人間で言えや五十代前後のオッサンだな。
不審者の分際で防犯がどうのこうだとか、エラソーにホザキやがって。
忠告ありがとうよって言いたいところだけどよ、テメーには言われたかねーよな。
お礼させてもらうぜ。
「ワン」
俺は一言吠えた。
オッサンは俺に足を止め、振り返って俺に気付いた。
驚いた様子でコッチへ近づいて来る。
俺は尻尾を振り振り何気ない素振りでオッサンの方へと歩み寄って行った。
オッサンは俺を抱き上げ、顔を近づけてマジマジと見つめる。
「ふーん、もう1匹いたのかー。お前、パグって犬だなー? ホント、お前ってブサイクな顔をしてて面白いなー」と笑いやがったオッサン。
やかましー、大きなお世話だ!
「ワン!」
俺は頭に来て一言返事してやった。オッサンは言う。
「お前たちのご主人様たちは誰もいないみたいだねー? 僕は今から大事な物を盗んじゃうよー。
だからお前たちは、大人しくしてなさーい」
オッサンはそう言って、俺を床に下ろした。
俺もモモもジッとオッサンを見つめる。
人差し指を立ててチッチと左右に動かしたオッサン。
馬鹿野郎が。
小型犬2匹、揃いも揃って大人しいと思い込んでやがるんだな。
今に見てな、俺様の怖さを見せてやるぜ。
オッサンはさっそく、室内を物色しようとしやがる。
状況をまるっきり分かっちゃいねーモモに俺は、庭の方へ出て行くようソッと促した。
モモは素直に従って、足早に部屋を出て行く。
オッサンの方はモモの行動に気付かずに、室内を物色し始めやがったぜ。
フン!
そうはさせねーぜ。
俺は尻尾を振りながら、オッサンの傍へ駆け寄った。
「ワンワン、ワンワン、ワンワン」
人なつっこそーで、遊びてーんだとオッサンに思わせる寸法よ。
オッサンは驚いて俺に振り向く。
「コラコラ、大人しくしてなさい」と俺に言い聞かせるような口調で注意するオッサン。
俺は言う事を聞かないフリをして吠えるんだ。
「ワンワン! ワンワン!」
「シッ、シッ!」
俺を追い払おうとするオッサン。
テメーの言う事なんぞ、俺は聞かねーよ。
尻尾を振りながらよ、オッサンにじゃれる素振りを見せた。
「ワンワン! ワンワン!」
「僕と一緒に遊びたいのぉ? だったら一緒に連れて行っちゃおうかなー?」
上等じゃねーか。
俺たちをどこかへ連れて行きやがれ。
オッサンを俺を再び抱こうと、腰を屈んで両手を差し出して来た。
「ワンワン!」
俺は嬉しそうなフリをして吠える。
そしてタイミングを見計らって一気にガブリだ!
「ふぎゃー!!」
俺に左手を噛まれて、オッサンは悲鳴を上げた!
俺は必死な思いで左手に喰らい付く!
オッサンに振られて俺は床に落ちたけどよ。間髪入れず、
今度はオッサンの右足をガブリと噛んでやったぜ!
オッサンはパニックになっちまって、暴れやがる。
「ウー、ブァンブァン! ブァンブァン!」
俺は怒りを込めて声を張り上げた。
身体の小さい俺だけどよ、声のデカさには誰にも負けないんだぜ。
オッサンは真っ青になって逃げ出した。
俺は吠えながら後を追う。
裏口から外へ飛び出したオッサン。
途中で転んじまったけど、直ぐに起き上がって走り去って行く。
俺が門から表へ飛び出した時はオッサンは遠くへ逃げて行っちまったぜ。
来たきゃ又来な。
又、俺が相手してやっかろよ。
やれやれ、不審者は逃げ出したようです。
流石はブラウド!
続きますワン。




