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期待したから

作者: 菜の花
掲載日:2026/02/23


「君はどうして笑えるの?

こんなふざけた世界に、

幸せも何もないじゃないか。

嬉しいこと、

楽しいことは、

ほんのちょっぴりで。

悲しいこと、

寂しいこと、

辛いことばっかりじゃないか。

無理して笑ってるの?」


『無理なんかしてないさ。』


「じゃあ、どうして笑うのさ。

何が楽しいの?

何が嬉しいの?

君の口から溢れる笑い声は、

どうしてそんなに優しいの?」


『それは、もう全部諦めたからさ。』


「諦めた?

諦めたら笑えるようになるのかい?

君はなんだか、楽しそうだけれど。」


『いいや、どうでもよくなったんだ。

誰かが泣いても笑っても、

ボクには関係ないんだよ。

ボクがいなくなったって、

ボクはもうどうでもいいんだ。

もう疲れたから、

全部投げ出してやったんだ。』


「僕もそうしたら、

君みたいに笑えるようになるのかな。」


『なれるさ、

期待しなければいいだけだ。

でも優しい君には、

少し難しいだろうね。

すべて失ってから、

君は涙を流すのさ。』


「僕は、期待しているつもりなんか、

ないんだけれど。」


『いいや、

期待しているさ。

少なくとも、

君はボクの返答を期待しているから、

そうやってボクに質問をしているんだろう?』


「それを期待だとか、

少し言いすぎじゃないのかい?」


『言いすぎなんかじゃないさ。

ボクが答えなかったら、

君は落ち込むだろう?

返事をしてくれよと、

一度は言うだろう?

それは知らぬ間に、

ボクの返事を期待していたからなのさ。

君がどうかは知らないけれど、

ボクはそういう考えだ。』


僕は何も言わなかった

君に何も返さなかった

僕が何も言わなかったのを

君は気にも留めずに

何処かへ行ってしまって

すぐに後ろ姿すら見えなくなった


もう少し話したかったのに。


そう思ったのもきっと

知らず知らずのうちに

会話をしてくれる君を求めて

期待していたからなのかもしれない

ご覧いただきありがとうございました。


期待しないのは、難しいこと。


誰かに届きますように。

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― 新着の感想 ―
 ニヒルですねぇ。  ですがそれで他人を拒絶していては仕方がない。  シニカルなリアリストの問題点ですね。(苦笑)  成長とはそんな虚無感を打ち破った先にあるものなのですが、果たして彼はそれを得られる…
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