第五章:反逆の夜
しかし、平和は長く続かなかった。
ある夜、王宮に火が灯る。
「反乱軍が城門を突破しました!」
兵士たちの叫びが響いた。
反乱の主導者は、元宰相グレイブス。
彼は、王族の血統を「腐敗」と呼び、平民の王政を掲げている。
「リリエット! ここは危険だ。逃げてくれ!」
フェルナンドが私を守ろうとするが、私は首を振った。
「逃げる? そんなの、私のスタイルじゃない」
私は、魔法の杖を取り出す。
前世の記憶と、今世の訓練で得た魔法──氷の呪文。
「私は、悪役令嬢じゃなくなった。でも、戦う令嬢にはなれる」
城の広場で、私は反乱軍と対峙した。
「貴様ら、王の平和を乱す者ども! このリリエット・クラウディエ・ローゼンが、許さない!」
氷の槍が空を切り、敵を凍らせる。
魔法の連撃。
戦術の指示。そして、フェルナンドとの連携。
「……君、本当に強いな」
「当たり前よ。悪役令嬢が本気を出したら、世界が震えるんだから」
最終的に、グレイブスは捕らえられた。
「なぜだ? 貴様は貴族だろう? 平民の味方をするのか?」
「違う」
私は彼の前に立つ。
「私は、正義のために戦った。貴族でも平民でもない。真実のために」