第7話:魔術は使えないが魔術は使える
『4属性魔術を使えない!?』
俺が4属性魔術を使えないと聞いた途端、クラスの生徒達は全員驚いた様子で周りのヤツらと話していた。
「すみません、それはどういうことでしょうか?」
その中でもリオナだけは冷静に俺に質問を投げかけてきた。
「あぁ、まぁみんながわかるように簡単に言うと、4属性魔術は魔力を火、水、土、雷に“変換”して使っているんだ。ただ俺は無属性、つまりは魔力を“そのまま使っている”ということ。だけどなぜか俺は4属性魔術はどう頑張っても使えなくてな。」
………先生の話を聞いて、私は色々なことを考えていた。魔力をそのまま使うなんて、そんなことができるのしょうか?仮にそれができたとして、なぜ4大魔術は使えないのでしょう?………先生に対する疑問が増えていくばかりだ。
「ただまぁ、王国で指南役をしていたし4属性魔術を教えることはできる。そこは心配しなくていいぞ。色々質問はあるかもだが………まぁ、とりあえずこれからもよろしくな。」
───キーンコーンカーンコーン
授業の終わりを告げる鐘の音がクラスに響く。
「とりあえずこの時間はここまでだ。次の時間からは普通の授業を始める。あとサラとはとりあえず3ヶ月の契約をしているから、そのあとは残っているかもしれないし、居なくなっているかもしれない。それは覚えておいてくれ〜。じゃ」
『なんかすごい先生が来たな。』
『だよね〜、まさかこれまで公になっていなかった序列一位があの人だったなんて。』
『でもまぁ、サラ学院長のお師匠さんなら納得だよね〜。』
『確かに笑。』
───一方シューファは
「はぁぁあぁぁ…ん〜。」
「あれ、シファ先生どうしたんですか?」
「あぁ、サラ………学院長。」
「そんなかしこまらなくてもいつも通りでいいですよ。あなたは私の師匠なのですから。」
「そうか?まぁ今はなんていうか、初めて俺が序列一位ってことを公にしたから色々とこれからのことを考えたりとか、キツイものがあるんだよ。」
あの時怪しまれたらサラに迷惑をかけるかもしれないと思って生徒に俺が序列1位ということを明かしたが、今思えばもっといい考えもあるし悪手だったな。
「えぇ!?シファ先生そのこと生徒たちにいったんですか!?」
あの目立つことがあまり好きではないシファ先生が目立つようなことをするなんて、一体どんな理由が………!?
「あぁ、それはそのことを言わなければ俺とサラの関係をはぐらかすのが難しそうだったからな。」
「そういうことでしたか……。」
嘘はついていない………が、正直なところ俺を信用してないやつも何人かいたから、それを1番早く解決するのはあまり良くないが結局は力だ。だから理由としてはこれが1番大きいけど………さすがに純粋なサラにこんなことを言うのは気が引ける。
「………?私の顔になにかついていますか、」
「いや、何も無いぞ?」
「じゃあなんで笑っているのですか!?」
「あはは……。」
今日のサラはやけに表情がコロコロ変わる。まぁ、もうこれ以上からかうのはやめてあげるか。
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