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第62話:熱血的なファン

まずは皆さん、申し訳ありませんでした。

いくら忙しかったとはいえ、2週間も投稿出来なかったことについてです。

ただこれからは不定期にはなるものの、週に3、4本投稿出来そうなので、ブクマをして待っていただけると嬉しいです。

長々と話してしまいましたが、本編スタートです!↓

 ──コツコツコツ

 いつもの足音に加えて、セシリアの少し高めのヒールが鳴らす、シューファとライルの足から鳴る音よりも高い音が耳に刻まれる。


「一応そろそろ約束の時間になるはずなんだが……まだ来ていないよな」

 カフェから歩き、待ち合わせをする予定の場所に戻ってきていた。

 だがまだ四人とも来ていない様子で……シューファ達三人は噴水近くのベンチに腰を掛けて待つ。


 「あ、あれ。サラさん達じゃないですか?」

 ラルトは、遠くに薄く見える黒い豆粒のような、4つの点を指さしながらシューファに向かって話しかける。


 「いや……全く見えないんだが……ラルトにはあれが何か見えるのか?」

 「見えるも何も……普通に見えるじゃないですか」


 さも当たり前かのようにラルトはパッと口にする。

 ……いや、普通は見えないよな?

 いくらここが開けているとは言ってもな……服の色すら見えないほど遠くにいるのに見えるわけがない。


 「……ラルトは野生動物かなんかなのか?」

 思わず、シューファはそんなことを口にしていた。

 これが見えるなんて、野生動物かどこかの民族のほか考えられないだろう。


 「はは……シューファさんも冗談を言うんですね。普通の人間ですよ」

 「別に冗談を言ったつもりはなかったんだが……」


 それに聖級魔導師の時点で、普通の人間ではないんだよな……。

 まぁ、今はそういうことにしておこう。


 段々と大きくなってくるその黒い点の方に視線を向けながら、シューファはそう結論付けた──。


 ♢♢♢


 「すみません、少し遅れてしまいました」

 「いいよいいよ、数分だけだし」


 きっと集合するときに誰かが少し遅れてしまっただけだろう。

 さすがにそんなことで怒るほど、俺は短気ではない。


 そう思っていた途中、サラは「あら」と物珍しいものを見た時の様子で、セシリアの方に視線を向ける。


 「あなたは……セシリアさんですよね?」

 「は、はい」


 この状況だけを見れば、サラがセシリアを一方的に知っているように見えるだろう。

 ただ、この二人は昔に会ったことがある。セシリアが俺の家に住んでいたころに。

 セシリアはその当時まだ小さかったから、サラのことを覚えていないのか……


 「サラさん……?」

 いや覚えてたんかい。

 さっきセシリアが覚えていないことを考えこんだのに……全く意味がなかった。


 「やっぱり、サラさんですよね!?」

 その瞬間、なぜかはわからないがセシリアの目は、そこで星が光っているように思うほど輝いていた。


 「はい……そうですが……」


 サラがその問いに首を縦に振ると、セシリアは「やっぱり!!」と口にした後、サラの両手をガシッと掴んでペラペラと話し始めた。


 要約するとセシリアはサラの大ファンだったようだが……あまりにも話が速かったため、今回は割愛させてもらおう。決して話が長すぎて、途中から聞いていなかったわけではないからな……?


 ♢♢♢


 「すみません……はしゃぎすぎてしまいました」

 「いいですよ。そんなに熱血的なファンの方に会ったことな……くはないですが、久しぶりだったので嬉しかったですし」


 「うぅ……」と恥ずかしそうに下を向くセシリアに、サラはそう言葉を放つ。

 その言葉を聞いて安心したのか、セシリアは何かを思い出したかのように、サラ達四人の方に体を向け、口を開く。


 「私……恥ずかしながらメンバーの方達とはぐれてしまって……できれば学院対抗戦の会場まで一緒に行きたいのですが、よろしいでしょうか?」


 セシリアは話し終わるよりも先に頭を下げ始めていた。

 それに対して四人は


 『いいですよ』


 と快く受け入れた。


 ♢


 あれから少し時は経ち、俺らは会場へと歩き始めていた。

 年が近いこともあってか、セシリアはすぐにガイル学院の三人と打ち解け、仲良く話しながら歩き進めている。


 「そういえばシューファさん、暇つぶしがてらに少し話しませんか?」

 「珍しいな、急に。まぁいいが……」


 「世間話と言っても、先程の話の続きなんですが……」

 さっきの話……あぁ、フェンの戦いの話のことか?

 違うかもしれないが……


 「狼と龍の話のことです」

 まるで俺の心を読むかのように、ラルトはニコッと笑いながら話す。


 「あの戦いで興味深いものを見つけたんですが、本能的にこれをむやみに扱えば何か起こると感じていて、どう処理しようか迷っていて……」


 そういいながらラルトはポケットに手を突っ込んで、その()()を俺に差し出す。


 「これは……魔石、なのか?」

 ラルトが差し出してきたものとは、これまで見たこともないほどに進化が進んだ、深紅に染まった魔石だった──────

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