第6話:最強魔導師は、文字通り最強魔導師だった
「………ん〜」
「どうかしましたか?」
「いや、いざ教師になるっていうとなぁ。どうにも指南役をしていた王国を思い出してサラ達に出会った嬉しい思い出反面、追放された苦い思い出を思い出しちゃってな。」
正直、今言ったこともあるが本当に俺に教師が務まるかの不安という気持ちの方が大きい。
「まぁ、どうにかなるか。」
───ガチャッ
───ザワザワ
やっぱりこうなったか。教室内では俺を尊敬する目をしているもの、軽い気持ちで俺を狙っている女子、そして、俺を嫌悪しているもの。急に担任が変わったこともあるのだろうが、やはりこの目を向けられるのは慣れないな。
「コホン、えーと新しく教師になったシューファだ。俺も急にサラに言われて着任したから困っていることもあるから、助けてくれると嬉しい。
………他になにか質問はあるか?」
───スッ
「えーっと、リオナだったか。質問はなんだ?」
「はい。これは個人的な興味なのですがサラ学院長との繋がりともう少し詳しい自己紹介をしていただきたいです。」
「あぁ。恥ずかし話だがまず俺はついこの前歳のせいで追放されてしまったが王国魔導師団の指南役をしていてな。その時教えていて、その後師弟関係になったんだ。」
『そういうことだったんだなぁ。』
クラスのみんなが納得してくれているようだが、まだなにか言いたそうな人もいる。
『でもサラ学院長が弟子になるほど強いのか?あのおっさん。』
「あぁ、それなんだがね。詳しい自己紹介のついでに話すが俺は一応、“聖級魔導師”の“序列一位”だ。」
『聖級魔導師!?』
『しかも序列一位ってつまり………。』
『世界最強じゃねぇか!?』
「はは………まぁ、そういうことになるな。」
この世界の魔導師、まぁ少なからず剣士もいるがそれら全ての強さのランクがある。
下から順に
拝級←駆け出し
奏級←初心者
祀級←中級者、1番人が多い
彗級←上級者、大体の人の終着点
神級←各ギルドに1人程度、個人依頼も
聖級←世界に7人、王からの依頼も
このような配置順だ。その中でも最高ランクの聖級は世界に7人しか居なく、その中でも序列が決まっている。サラでも2位だ。そして俺が1位。世界のトップに立っているのは帝国だが、俺は王国に居たから何度も帝王に帝国にこいと言われていた。
「今度久しぶりに顔でも出しに行くか。」
「ここの生徒は優秀なやつが多いし、学院トップは下位とはいえ神級魔導師もいると聞く。実に素晴らしいな。自己紹介はこれで以上だ!あ、言い忘れていた。サラとの手合わせをみていたやつは聞いたかもしれないが、俺は“四属性の魔法は使えない”。」
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