第4話:なぜか弟子と手合わせを始める
───スゥゥゥ
『おいおい、あの《白風のサラ》が誰かと戦うのか!?』
『学院長が1度も勝てなかったかつての師匠らしいぞ!』
『でもそれはまだ学院長が子供の頃の話だろ?今の学院長が負けるはずがない。』
「うるさいですね。黙らせてきますか?」
「いやいやそんなことしなくていい!それに、俺が今のサラに勝てるとは俺も思っていないしな。」
「フフ……またそんな謙遜を。」
謙遜じゃないんだけどなぁ。
『それでは───始めっ!!』
「竜巻!風刃!」
『あれは学院長の得意技と言われる合わせ技か!』
「へぇ………とんで来る風の全てが鍛え上げた騎士の一撃のようだ。だけどなぁ、縮小。」
────フゥッ
「なっ、」
『!!!?』
先生が小さく言葉を発した瞬間、私の魔法が消えた。………いや、消えてはいない、魔力は減り続けている。それじゃあ、これは一体………?
「縮小」
「っ………!!」
今度は一瞬で間合いを詰めてきて、!?
───スッ…
『ウォォォオ!!』
『あの学院長に勝っちまったぞ!!』
『しかも圧倒的だったよな?』
「ありがとな、サラ。」
「えぇ、こちらこそ。それで一体あの魔法はどういった原理でなのでしょうか?」
「魔導師としてそれを教えるのは自害と同じようなもの、と言うが………まぁいいか。この魔法はどの属性にも属さない魔法……俺は無属性魔法とよんでいるがこれはその一つだ。《縮小》これはただ小さくする魔法だ。さっきのはサラの魔法を小さくした後に、俺とサラの距離も小さくした、ってだけだ。」
「そんな魔法が……!?」
聞けば聞くほど信じられなくなってくる。四属性、またはその派生系以外の魔法なんて聞いたこともない。これは1+1を0にしているようなものだ。
「ちなみに先生。その無属性魔法っていうのはその縮小以外にもあるのですか?」
「あぁ、全然あるぞ。逆に俺は四属性の魔法は一つも使えないからなぁ〜、まぁ無属性魔法の応用でそれっぽくはできるけど、言ってしまえば猿真似のようなものだしな。無属性魔法で勝てるように必然と個数も増やさないといけなかったって経緯でつくったんだ。」
「やっぱり先生はすごいですね。」
「まぁ一応王国で指南役任されてたわけだしな。これくらいはできないといけなかったんだよ。」
そんな他愛もない話をしながら俺は流れのままサラと歩いているが………
「一体どこにむかってるんだ?」
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