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第33話:大事なのは自分の意見を押し通すこと

「………というわけなんだ。」


あれから里に帰ってきていた俺は、里のみんなにダンジョンを見つけたことについて話して、そのダンジョンを知っているか聞いてみていた。


「少なくとも私は知らないわねぇ。」


恐らく里の中で1番里に詳しいお母さんもこのダンジョンのことを知らなかった。それに続いて、里の他のみんなも立て続けに知らないと口にし始めていた。


つまりあのダンジョンは新発見のダンジョンというわけなのだろう。それじゃあ、あとの問題はこれからこのダンジョンをどうしていくか、だ。


「これまでは何ともなかったが、近づいた時に上級以上の魔力を感じた。もしかしたらダンジョンブレイクの可能性もある。」


『ダンジョンブレイク………。』


里のみんなはダンジョンブレイクと聞いた瞬間、深刻な顔をした。里のみんながやられることは無いだろうが、子供や家、畑などは別だ。生活が出なくなる可能性もあるからだ。


「それで、これからどうしていくかを話し合いたいんだが………何かいい案はあるか?」


里のみんなに問いかけてみたが、これといった意見はなかった。ダンジョンは資源が豊富な反面、近くに住んでいるものには危険も伴うし、里のみんなからはデメリットも多いだろう。


『シューファくんには申し訳ないが、できればある程度そのダンジョンを攻略してくれたりしないか?』


里の中で1番長寿のおじいさんがそんな提案をしてきた。


「すること自体はできますしいいですが………ダンジョンで過ごしたとしても、1人では残りの7日で攻略できるかが怪しいです。中途半端に終わらせたら不安も残るでしょうし………。」


初級ダンジョンなら7日間でも問題なかったが、流石に初級ではなかったし上級ほどに感じた今、7日間で攻略は難しい………どうすればいいか、


「そ、それじゃあ私も行きます!!

「ミラ………?」


珍しいことにミラが大きな声で自分の意見を発した。


「ミラ………冒険者としてダンジョンの中に入ることはあるが、ダンジョン攻略、特に深層は依頼とは別物だ。もしかしたら死ぬかもしれない、それでも着いてくるのか?」

「う、うん!私は弱くない………でも油断しないようにするし、ちゃんと仕事もする。」


「………わかった。それじゃあ明日から攻略を始めるから今日のうちに英気を養っておけ」

「うん!」


頑なに自分の意見を曲げなかったミラに根負けし、ダンジョン攻略の同行を許可した。それに、正直人手が欲しかったというのもある。


「明日からは疲れるだろうし、今日は早めに寝よう。」


色々とあった今日も、すぐに終わりを迎えようとしていた。綺麗な赤紫色に染まった空と共に。

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