第16話:魔女は実はオタクだったようだ
───研究室
セイハに連れられるまま、研究室と書かれた部屋の前まで来た。
「ここがお前の研究室なのか?ずいぶんとヤバい雰囲気ぷんぷんするんだが………。」
こんなんおとぎ話に出てくる湿地帯にある魔女の家じゃないか、と言いたいところだが、そんなこといったらぶっ飛ばされるよな。
「じゃあ入って。」
───ガチャッ
「おぉ〜これは本当に………散らかしすぎた男子生徒の教室か?…………じゃなくて、なんでこんなに散らかってるんですか?」
「色々と言いたいことはあるんだけど、散らかってるのを無理に片そうとして、爆発したことがあるから、無理に片せないのよ。扱い方とかあるし。」
なんか言いたいことがわかった気がする。
「というわけで、一つ一つ解読して片してくれない?」
やっぱりか。
「はぁ……わかったよ。これを片せばいいんだな?」
「ありがと!」
───15分後
「………化け物ね。」
「片してくれたヤツにそんな言い方ないだろ。」
「いや、だって私ですら半分を片すのに丸1日かかるのに全部片してたった15分しか経っていないなんて。」
「解読しながら思ったんだが、危ない道具多すぎないか?これなんか魔力の通し方1つミスっただけで学院ごと吹っ飛ぶぞ?」
「適当に作ってたら出来ただけよ。」
「そんなわけないだろ。一体何を研究してるんだ?」
「それは………言っても分からないだろうけど、無属性魔術よ。」
「無属性魔術!?」
「知っていたの?驚きね。」
ていうかさっきからこいつ急に話し方砕けすぎじゃないか?まぁ、そっちのほうが話しやすいからいいんだけど。
「いや俺が普段使ってる魔法、無属性魔術なんだけど。」
「………えぇ!?あなた、無属性魔術使えるの!?」
「いやまぁ、使えるが。」
「それじゃあ……………………………。」
興味津々なセイハとは1週間に2度、この研究室で研究することになった。それにしても、あいつ表裏激しかったなぁ。
───学院長室にて
「どうしたんだ?サラ。急に呼び出して。」
「実は来週、ダンジョン演習に学院全体で行うことになっていまして、それの万が一の時の戦闘員としてシファ先生に同行して頂きたくて。」
「それぐらいならいいぞ。そんな事態滅多に起きないだろうしな。」
先生はこういう時、大体悪い方を引いてしまうので不安ではありますが、まぁ、なにか起きても先生が解決してくれるだろうし、大丈夫でしょう。
───この演習でシューファが追い込まれるなど、今は誰も夢にすら見ていないだろう・・・・
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