✒ 新居 3
──*──*──*── ダイニングキッチン
マオ
「 あっ、[ DK ]にも清掃スライムが要るんだな。
[ 居間 ]と兼用かな? 」
セロフィート
「 此処に居る清掃スライムは全て分身体です。
清掃スライムの本体は、〈 創造主の館 〉に居ます。
他のドアが何処に繋がっているか説明します 」
マオ
「 後9つか。
何処に行けるんだ? 」
セロフィート
「 キノコン王国 ,キノコンタウン,ブックカフェ,台圀の拠点,厳蒔屋敷,牛魔王城,レスタさんの屋敷,裏野ハイツ,バセリナ城に繋がってます
《 食材保存室 》は食材の調達をする為に利用するだけですから、キノコンしか使えません 」
マオ
「 えぇっ?!
キノコンだけ??
オレは行けないのか? 」
セロフィート
「 ワタシと居るのに他所へ行く必要あります? 」
マオ
「 ………………無い……です 」
セロフィート
「 宜しい。
明日から作業に取り掛かります。
弟子としてワタシをサポートしてください 」
マオ
「 オレに何をさせる気だよ。
実験台にはならないからな! 」
セロフィート
「 そんなに警戒しないでください。
明日の楽しみです 」
マオ
「 ちっとも楽しみじゃないんだけどな~~ 」
セロフィート
「 マオにしか出来ない事です♪ 」
不安しか無いんだけどぉ……。
セロフィート
「 キノコンが張り切って御馳走を作ってくれてます。
夕食にしましょう 」
マオ
「 そだな 」
長方形の食卓テーブルには、何処に座っても良い様に綺麗且つ丁寧なテーブルセッティングがされている。
「 セレブ御用達の高級レストランかよっ! 」って思わず突っ込みたくなる出来栄えだ。
スマホで写メってネットに上げたらバズりそうなんだけど──、生憎とスマホはセロに取り上げられてるんだよな……。
セロと話したいから、セロと向かい合わせになる様に空いてる椅子に腰を下ろして座る。
椅子に腰掛けるとまるで見計らったかの様にキノコンが現れて、真っ白い清潔なナフキンを掛けてくれる。
何処に隠れて見てたんだろう…………謎過ぎるぅ~~。
キノコンは首(?)辺りに黒い蝶ネクタイを付けている。
高級レストランのウェイターをイメージしてるのかな?
麦藁帽子や手拭いも似合うけど、蝶ネクタイも似合っていて可愛い( ≧ ∀ ≦ )♥️
今更だけど、コスプレしたキノコンの写真集を出したら儲かるんじゃないかって思えて来た。
後でセロに相談してみようと思う!
キノコンの写真集は絶っ対にガッポリ出来る!!
マオ
「 有り難なキノコン 」
オレの言葉に対して、返事はせずにキノコンは笑顔でペコリと会釈をすると静かに[ 台所 ]というよりも本格的な厨房へ下がって行った。
何だろう…………やけに洗練された上品な対応じゃないかよ。
一体何処で身に付けたんだか。
マオ
「 セロ、今日のキノコン、どうしちゃったんだ?
何時もと違って気品に満ちてるきがするんだけどさ…… 」
セロフィート
「 “ 張り切っている ” と言いましたけど?
王宮に仕える執事をイメージしてるそうです 」
マオ
「 王宮っ!?
セレブ御用達の高級レストランより格上だったぁ!!
………………王宮かぁ……。
チマチマ出て来るのコース料理は苦手なんだけどなぁ…… 」
セロフィート
「 ふふふ…。
マオは食いしん坊さんですからね 」
マオ
「 誰の所為だよ!(////)
美味しい料理はチマチマ食べたくないんだよな。
冷めてるしぃ~~ 」
セロフィート
「 マオ、此処は王宮では無いです。
キノコンは出来立ての料理をチマチマ出したりしません。
安心してください 」
マオ
「 う、うん…(////)」
セロと話している間に、テーブルの上が綺麗に片付けられていた。
態々準備したテーブルセッティングを片付けるなんて勿体無い気もするけど、テーブルの上を片付けないと運んで来た料理を並べれないもんな!
笠にコック帽を乗せて、白いスカーフを付けたキノコン達が料理を運んで来ては食卓テーブルの上に並べてくれる。
オレが大好きな出来立てホカホカの料理ばかりだ♥️
蝶ネクタイを付けたキノコンがフォーク,ナイフ,スプーン,箸を持って来てくれる。
「 好きな食具を使って食べてください 」って事だろう。
気が利くぅ!
マオ
「 今夜は御馳走だな!
いただきますっ!! 」
セロフィート
「 急がなくても誰も取りませんよ 」
マオ
「 分かってるよ! 」
舌鼓を打ちながら、キノコンの手料理を食べる。
新居の完成も兼ねた御祝い料理なのかも知れない。
豪華な御馳走を食べ終わった後、自分の部屋へ戻って温泉に入った。
温泉は白乳色の湯で、綺麗な花弁が浮いていた。
誰の仕業か分からないけど、花の香りを楽しみながら温泉を堪能した。
もしかしたら、清掃スライムが花弁を湯に浮かせたのかな?
そんな芸当が清掃スライムに出来るのか怪しいけど、セロに仕込まれたなら出来るかも知れないな!
セロは[ 寝室 ]で待っててくれてるかな?
温風魔法で髪を乾かしてから、寝間着を着る。
ドキドキと胸に期待を膨らませながら、[ 寝室 ]へ繋がっているドアの絵に向かって真っ直ぐ歩いた。