⭕ 共同洗濯所
──*──*──*── 共同洗濯所
セロフィート
「 ははぁ……。
これは酷い有り様です 」
マオ
「 派手にぶっこしてるよな。
水も流れて来てないし── 」
セロフィート
「 水が流れて来ても、これでは水は溜まりません。
大幅な修理が必要です 」
マオ
「 まぁ、キノコンなら楽勝だよな! 」
セロフィート
「 次は枯れてしまった井戸を見に行きましょう 」
マオ
「 そだな。
井戸って幾つ枯れてるんだ? 」
セロフィート
「 5つですね。
先月、5つ目の井戸が枯れたそうです 」
マオ
「 えっ、5つも枯れてるのか?
この≪ 村 ≫って幾つ井戸が在るんだ? 」
セロフィート
「 使える井戸は3つの様です。
枯れた井戸が使い物にならないなら、新しく掘るしかないです 」
マオ
「 水脈だっけ?
有れば良いけどな 」
《 共同洗濯所 》から離れて、セロと一緒に井戸の在る場所へ移動した。
──*──*──*── 井戸・1つ目
マオ
「 セロ!
井戸ってアレだよな?
随分とボロボロだし、苔が凄いんだけど…… 」
セロフィート
「 この井戸は枯れてから80年程経っているそうです 」
マオ
「 80年も放ったらかしって事かよ?
何かさ──、不気味だよな?
井戸から誰かが出てきそうだよ…… 」
セロフィート
「 井戸に落ちたら這い上がるのは不可能です。
井戸の中で餓死するので、白骨が埋まってます 」
マオ
「 嫌な事、言う~~ 」
セロフィート
「 水を汲もうとして井戸へ落ちた村人も居たでしょうし、時代に依っては口減らしで子供を井戸へ落とした親も居たでしょう。
自ら井戸へ落ち自殺をした村人も居ると思いますよ。
夜な夜な井戸へ排泄物を落とす悪戯をしていた村人も居たかも知れません 」
マオ
「 最後のは悪戯じゃなくて、村人達への嫌がらせじゃないかよ。
でもさ、色んな奴が居るから “ 絶対に無い ” とは言えないんだよな…… 」
セロフィート
「 実際に実行する人間は何処にでも居るものです。
マオとワタシは井戸水を使いませんし、気にする必要は無いです 」
マオ
「 そ…………そだな……。
井戸水にだけは気を付けたいと思う…… 」
セロフィート
「 次の井戸へ行きましょう 」
マオ
「 うん 」
セロと2つ目の井戸が在る場所へ移動する。
──*──*──*── 井戸・2つ目
マオ
「 セロ!
次の井戸は塞がれてるぞ 」
セロフィート
「 真新しい蓋ですね。
年季の入った古い井戸ですけど、蓋は最近のです 」
マオ
「 本当だな。
新品って訳じゃ無いけど、井戸よりは新しいってオレでも分かるよ。
でもさ、何で蓋をしてるんだろうな? 」
セロフィート
「 危険防止の為ではないです?
此処の井戸は他の井戸に比べて低いでしょう。
この低さだと、子供が過って落下してしまう可能性が高いです。
高齢者にも危険です 」
マオ
「 確かに──。
でもさ、蓋を置いてるだけで、簡単に外せちゃうんだな 」
オレは井戸の上に置かれている蓋を持って上に上げてみた。
蓋は予想外に軽い。
セロフィート
「 マオ、開けるのは良いですけど、きちんと置いてください 」
マオ
「 分かってるよ 」
蓋を元に戻したら、セロと一緒に次の井戸の在る場所へ移動した。