北東半島に向かう
冒険者になった私たちは、ギルドのクエストをこなし、
お金を稼ぎ、レベルを上げながら旅を続ける生活を続けて、2年が過ぎた。
レインボードラゴンという、共通の目的で、私たち4人は一緒に旅を続けている。
この世界では、地域ごとにモンスター等の脅威にばらつきがある。
備えのない人が、偶発的な事故に遭わないように、関所を作ってチェックをする、移動の自由がない世界だ。
大陸北部にいるレインボードラゴン。脅威度が極めて高く、まだ、私たちは入れない。
レベルアップもかねて、北東半島に付き合ってもらっている。
「付き合ってもらってるって水臭いこと言わないで。最近、マキは心の声が駄々洩れよ。」
ミーコが声をかけてくれた。
嫌だ、声に出てたんだ。
でも、ミーコの回復があるから、いつも安心して戦える。
おかげで、みんなレベルも上がってきたし、体術も上達してきた。
重力魔法も新たな発見を続けて、できることが増えてきた。
今は、ギルドで受のクエストで、旅の舞踊団を、ペンタウォールからヘキサウォールへの護衛だ。
魔物は時々現れるが、先行するカトー君が、戦う、迂回する等の判断をして対処してくれた。
今日は、街道沿いで、冒険者が頻繁に野宿する場所で、キャンプする。
夕食時には、護衛対象に、今日の報告、明日の予定、困りごとがないか聞き取りを行う。
こういうやり取りで、好感度を高めて、リピーターになってもらったり、評判がよくなれば、ギルドに指名で依頼が来ることもある。
必要かつ、大切な事です。
1週間近く旅をしてきたので、馴染みもはっきりしてきた。
私は舞踏団のリーダーやおじさんたちに人気がある。
アルスタは舞踏団の踊り子や、若い女たちに、アイドル的な大人気だ。
ミーコは、全年齢層男性陣に大人気だ。みんな真剣にミーコの布教活動に聞き入っている。
彼らは、大丈夫なんだろうか?
カトー君は、若い女達と楽しそうに語らってる。
あれ?それは近いんじゃない?
記憶は残ってなくても、君は私にプロポーズしたんだよ。
それなのに、何よデレデレして。
なんか頭にくるなぁ。もう。
イライラしながらも、おじさんたちと会話が続けられるようになったのは、マキの成長だろう。
食事が終わると、パーティメンバーでの情報交換の時間だ。
みんなで、情報を共有してよりよく改善する案を考える時間なのだが、
さっきのカトー君が腹立たしくて、塩対応をして、そそくさと先に眠るといって立ち去った。
残された3人は困った顔をしている。
沈黙に沈みそうになるのを防ぐようにミーコが切り出した。
「誰でも、機嫌悪いときあるよねぇ~、今日はそっとしとこう。」
でも、アルスタは非常に困った表情になっている。
「このままマキとコミュニケーションが取れないのは困る。なんとかしたいが。。。。こういう時はどうすればいいのか。。。」
カトーも困った顔をしているが、
「いったい機嫌を悪くしてる原因はなんでしょうね?」
アルスタとミーコの表情が凍り付いた。
こいつリアルに気付いてない。。。。
もう、直接的に言っておいた方がいいんだろうと、アルスタは思った。
「さっきの、お客さんとの対応が親密すぎて、マキは焼きもちを焼いているんだ。
もう少し、適切な距離にできないかなぁ。」
カトーはびっくりした表情になった。
「マキさんが焼き・・・でも、お客さんへの対応は、次の受注につながるから全力でやるって決めて、アルスタみたいにやろうと思って、、、、これからどうすれば」
カトーは動揺している。
そっか、カトーは、いつも何をやっても全力の男だった。
「とにかくうまくやってくれればいいんだ。」
次はミーコ一人が凍り付いた。
アルスタ、カトーに丸投げした。
うまくやれなんて、何のアドバイスにもならない。。。。
「カトー、今のアルスタのアドバイスで、何やるかイメージできた?
そもそも、アルスタの真似なんかしちゃダメ。」
え!?アルスタがびっくりしている。
カトーも混乱してしまった。
「アルスタ、後は私に任せて、今日は先に休んでおいて。」
「今、僕の名前が出てきて気になるんだけど。。。」
しかし、ミーコのにらみに、アルスタはすごすごと引き下がった。
カトーとミーコが二人きりになった、
「カトー、あなたはマキの事どう思ってるの?」
え?ミーコは何を聞きたいのだろう?
「マキさんの事は、研究者として、とても尊敬しているし、一緒に冒険する大切な仲間ですよ。
という質問かな?」
「ちがーーーーう、マキの事、好きなの?好きじゃないの?どっち?」
え、そこ?照れる話だが、ミーコの猛烈な圧に押されている。
ええい、こうなりゃ、全て話してすっきりするぞ!
「好きだ。俺はマキさんの事が大好きだ!必ず元の世界に連れて帰る。
元の世界のマキさんは、人との交流がほとんどない、研究施設に閉じ込められた、お姫様のような生活に戻っても、幸せにしたいと思っている。俺しかいないんだ!」
ミーコが真正面から真剣にカトーの目を見ている。
「本気なんだよね。それじゃなんで、ほかの女の人と親しげにしているの?
マキの気持ち考えたことあるの?」
ちょっと、話変な方向にすすんでないか?
「だから、さっき話したように、次の受注につなげるために全力でやるって、話しただろ。
そりゃ、俺はそういう接客の世界には無頓着だから手探りで、唯一のお手本はアルスタだけど、
さっき、アルスタを真似しちゃダメって、、、なにがなんだかサッパリわからん。」
「アルスタの愛は王様の民に対する愛なの。みんなを包み込むお日様のような愛。
そうでなきゃダメな人なの。
でも、我々はちがう。皆が自分の幸せを探して生きるの。
マキもそう。
そして、女の子は成長の段階で、自分だけのナイトにあこがれる事があるの。
今、マキは、君に求めているのは、お日様ではなくて、ナイトなの。
君がナイトにならなきゃダメなのよ。わかる?」
「ナイトの概念はわかるけど、カスタマーの満足度向上は必要な事で・・・どう両立させればいいのか。」
「やらなきゃダメな事は、やらなきゃダメよ。でも、カトーのいけないところは、全力の客対応すると自分だけ満足して、その日は終わっちゃうでしょ。
それじゃダメなの。そこからマキとコミュニケーションを取らなきゃダメよ。そして、あなたはマキのナイトになるの。」
ナイトか、、、自信ないなぁ、俺になれるかな?とにかく変わらないと、変わる努力をしないと。
でも、明日はヘキサウォールに到着するんだが、、、とにかくマキにお疲れさまと感謝を伝えよう。
翌日ヘキサウォールに到着した。
私たちは報酬を受け取りにギルドに行き、合わせてレベルアップ申請もした。
全員レベルアップし、Aランクに到達した。
これで関所が通れる。
やっと、暁の魔法使いに会える。
やっと、魔法解析が始まる。
どれだけぶりだろう、胸が高鳴った。




