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望郷  作者: 白山月
15/21

北東半島に向かう

冒険者になった私たちは、ギルドのクエストをこなし、

お金を稼ぎ、レベルを上げながら旅を続ける生活を続けて、2年が過ぎた。


レインボードラゴンという、共通の目的で、私たち4人は一緒に旅を続けている。

この世界では、地域ごとにモンスター等の脅威にばらつきがある。

備えのない人が、偶発的な事故に遭わないように、関所を作ってチェックをする、移動の自由がない世界だ。


大陸北部にいるレインボードラゴン。脅威度が極めて高く、まだ、私たちは入れない。

レベルアップもかねて、北東半島に付き合ってもらっている。

「付き合ってもらってるって水臭いこと言わないで。最近、マキは心の声が駄々洩れよ。」

ミーコが声をかけてくれた。

嫌だ、声に出てたんだ。

でも、ミーコの回復があるから、いつも安心して戦える。

おかげで、みんなレベルも上がってきたし、体術も上達してきた。

重力魔法も新たな発見を続けて、できることが増えてきた。


今は、ギルドで受のクエストで、旅の舞踊団を、ペンタウォールからヘキサウォールへの護衛だ。

魔物は時々現れるが、先行するカトー君が、戦う、迂回する等の判断をして対処してくれた。

今日は、街道沿いで、冒険者が頻繁に野宿する場所で、キャンプする。

夕食時には、護衛対象に、今日の報告、明日の予定、困りごとがないか聞き取りを行う。

こういうやり取りで、好感度を高めて、リピーターになってもらったり、評判がよくなれば、ギルドに指名で依頼が来ることもある。

必要かつ、大切な事です。


1週間近く旅をしてきたので、馴染みもはっきりしてきた。

私は舞踏団のリーダーやおじさんたちに人気がある。

アルスタは舞踏団の踊り子や、若い女たちに、アイドル的な大人気だ。

ミーコは、全年齢層男性陣に大人気だ。みんな真剣にミーコの布教活動に聞き入っている。

彼らは、大丈夫なんだろうか?

カトー君は、若い女達と楽しそうに語らってる。

あれ?それは近いんじゃない?

記憶は残ってなくても、君は私にプロポーズしたんだよ。

それなのに、何よデレデレして。

なんか頭にくるなぁ。もう。

イライラしながらも、おじさんたちと会話が続けられるようになったのは、マキの成長だろう。


食事が終わると、パーティメンバーでの情報交換の時間だ。

みんなで、情報を共有してよりよく改善する案を考える時間なのだが、

さっきのカトー君が腹立たしくて、塩対応をして、そそくさと先に眠るといって立ち去った。


残された3人は困った顔をしている。

沈黙に沈みそうになるのを防ぐようにミーコが切り出した。

「誰でも、機嫌悪いときあるよねぇ~、今日はそっとしとこう。」

でも、アルスタは非常に困った表情になっている。

「このままマキとコミュニケーションが取れないのは困る。なんとかしたいが。。。。こういう時はどうすればいいのか。。。」

カトーも困った顔をしているが、

「いったい機嫌を悪くしてる原因はなんでしょうね?」

アルスタとミーコの表情が凍り付いた。

こいつリアルに気付いてない。。。。

もう、直接的に言っておいた方がいいんだろうと、アルスタは思った。

「さっきの、お客さんとの対応が親密すぎて、マキは焼きもちを焼いているんだ。

もう少し、適切な距離にできないかなぁ。」

カトーはびっくりした表情になった。

「マキさんが焼き・・・でも、お客さんへの対応は、次の受注につながるから全力でやるって決めて、アルスタみたいにやろうと思って、、、、これからどうすれば」

カトーは動揺している。

そっか、カトーは、いつも何をやっても全力の男だった。

「とにかくうまくやってくれればいいんだ。」


次はミーコ一人が凍り付いた。

アルスタ、カトーに丸投げした。

うまくやれなんて、何のアドバイスにもならない。。。。

「カトー、今のアルスタのアドバイスで、何やるかイメージできた?

そもそも、アルスタの真似なんかしちゃダメ。」

え!?アルスタがびっくりしている。

カトーも混乱してしまった。

「アルスタ、後は私に任せて、今日は先に休んでおいて。」

「今、僕の名前が出てきて気になるんだけど。。。」

しかし、ミーコのにらみに、アルスタはすごすごと引き下がった。


カトーとミーコが二人きりになった、

「カトー、あなたはマキの事どう思ってるの?」

え?ミーコは何を聞きたいのだろう?

「マキさんの事は、研究者として、とても尊敬しているし、一緒に冒険する大切な仲間ですよ。

という質問かな?」

「ちがーーーーう、マキの事、好きなの?好きじゃないの?どっち?」

え、そこ?照れる話だが、ミーコの猛烈な圧に押されている。

ええい、こうなりゃ、全て話してすっきりするぞ!

「好きだ。俺はマキさんの事が大好きだ!必ず元の世界に連れて帰る。

元の世界のマキさんは、人との交流がほとんどない、研究施設に閉じ込められた、お姫様のような生活に戻っても、幸せにしたいと思っている。俺しかいないんだ!」

ミーコが真正面から真剣にカトーの目を見ている。

「本気なんだよね。それじゃなんで、ほかの女の人と親しげにしているの?

マキの気持ち考えたことあるの?」

ちょっと、話変な方向にすすんでないか?

「だから、さっき話したように、次の受注につなげるために全力でやるって、話しただろ。

そりゃ、俺はそういう接客の世界には無頓着だから手探りで、唯一のお手本はアルスタだけど、

さっき、アルスタを真似しちゃダメって、、、なにがなんだかサッパリわからん。」

「アルスタの愛は王様の民に対する愛なの。みんなを包み込むお日様のような愛。

そうでなきゃダメな人なの。

でも、我々はちがう。皆が自分の幸せを探して生きるの。

マキもそう。

そして、女の子は成長の段階で、自分だけのナイトにあこがれる事があるの。

今、マキは、君に求めているのは、お日様ではなくて、ナイトなの。

君がナイトにならなきゃダメなのよ。わかる?」

「ナイトの概念はわかるけど、カスタマーの満足度向上は必要な事で・・・どう両立させればいいのか。」

「やらなきゃダメな事は、やらなきゃダメよ。でも、カトーのいけないところは、全力の客対応すると自分だけ満足して、その日は終わっちゃうでしょ。

それじゃダメなの。そこからマキとコミュニケーションを取らなきゃダメよ。そして、あなたはマキのナイトになるの。」

ナイトか、、、自信ないなぁ、俺になれるかな?とにかく変わらないと、変わる努力をしないと。

でも、明日はヘキサウォールに到着するんだが、、、とにかくマキにお疲れさまと感謝を伝えよう。




翌日ヘキサウォールに到着した。

私たちは報酬を受け取りにギルドに行き、合わせてレベルアップ申請もした。

全員レベルアップし、Aランクに到達した。


これで関所が通れる。

やっと、暁の魔法使いに会える。

やっと、魔法解析が始まる。

どれだけぶりだろう、胸が高鳴った。

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