模擬ダンジョン 3
フェザーからもらったペンダントが輝き、私の頭の中に届いた命令。
アルスタとカトーを泉に叩き落とし、ミーコを羽交い絞めにした。
羽交い絞めが強く、ミーコの顔は苦痛にゆがんでいる。
私はこんなことをしたくないのに、私の身体は、ミーコを締め付けていく。
助けて、カトー君、アルスタ、、、でも二人とも重力魔法の影響でおぼれている。
私がやってしまった、、、涙が止まらない。
ニヤニヤしながらフェザーが、私たちの前にやってきた。
手には、私にくれたエルフのお守りを持っている。
「よくやった、マキ。これをミーコに付けたら、お前らは俺の操り人形だ。死ぬまでかわいがってやるぜ。ミーコは特別にエアイーダのおもちゃにしてやる。」
エアイーダって、前の実習で、ミーコに助けてもらったのに逆恨みしているエルフだ。やめて、ミーコにひどいことしないで。
フェザーは、ペンダントをミーコに付けようとしている。
ミーコは何か詠唱している。
我が主神、サドミスト。あなたの、可憐で美しいしもべが、目つきのいやらしく、理性のかけらも持たぬ、下種エルフによって窮地に追い込まれています。起死回生の逆転を与え給え!
だが、詠唱が終わる前にフェザーがペンダントをかけた。
ミーコの美しい緑の瞳の色が赤く変わっていく。
フェザーは勝ち誇ったようにミーコを見下す。
「そのペンダントには、エルフが2000年かけて完成させた究極の隷属魔法が込められている。
人間なんかが逆らえるもんじゃない。あきらめろ。楽しみだなぁ。」
ミーコは赤くなった瞳でフェザーをにらみ返している。
「究極の隷属魔法って、発動までに時間がかかるのね。隷属前に頭の中が丸見えになってるわよ。マキの頭の中まで見える。
マキかわいそうに、あなたへの好感度、もう恋愛対象くらい高くなってたのに、相手があんたみたいな下種だったのがかわいそう。」
「バカな女だよな。頭の軽いバカな女は、死ぬまで便利に使ってやるよ。
お前も、もう抵抗できないだろう。もうすぐ隷属化完了だ。」
「本当に体は動かないわね。でも、まだ口は動くわよ。あなたがバカじゃない?
スレイバリー!」
詠唱の最後の言葉だ。
瞬間に瞳の色が緑に戻った。
フェザーの顔色が変わった。
「なんで、究極の隷属魔法が解ける?」
「ひれ伏せフェザー。エルフ風情が2000年かけて作ったとしても、しょせん魔法。神の奇跡と比較するのもおこがましい」
フェザーはひれ伏し、なぜかミーコが誇らしくしている。
「マキ、ペンダントを外して、重力魔法を解除して。アルスタとカトーを引き上げましょう。」
急いで、アルスタとカトー君を引き上げた。
でも、二人とも呼吸が止まっている。
人工呼吸!?
アルスタとカトー君の人工呼吸を思い出した。
アルスタの意識もないなら、私がやるしかないの?
どっちから、、、
カトー君は、誰にでも鼻の下を伸ばして、私の事が好きなのかわかんない。
でも、アルスタは好きともなにも気持ちのやり取りもない。
いや、今は、好みで決めるのではなく、トリアージだっけ?
私の悩みをよそに、ミーコの詠唱が聞こえる。
我が主神、サドミスト。一方は昔ながらの仲間に突き落とされ、もう一方は水辺に地被くのに重厚な鎧を着こんでいる、愚か者共でも、蘇生の奇跡を与え賜え!マルチヒール!
二人は生気を取り戻し、穏やかな呼吸を開始した。
あぁ、私の人工・・・いや、二人が無事でよかった。
私たちは、ギルドに戻りクエストの完了報告を行い。
フェザーの処置はギルドの訓練所に任せ、実習は完了した。
私たちは、冒険者となった。




