模擬ダンジョン 1
数日前
ギルド訓練所の近くの酒場で4人のエルフが話していた。
マキと演習で同じパーティーだった、フェザー
ミーコと演習で同じパーティーだった、エアイーダ
後はエアイーダの妹たちのグイーダ、ダイーダ
一人の女エルフが泣いている。
「ごめんよ、フェザー、こんなんになってしまって。。。」
女エルフの名前はエアイーダ。パーティ戦実習でミーコに助けてもらったが、胸が小さくなったので逆恨みしている。
「こんなに貧相になるってかわいそうになぁかわいそうになぁ。」
フェザーに憐れんでいるのだろう、エアイーダは辛かった。
泣いているエアイーダを気にせずフェザーが、メンバーを増やしたいと話を始めた。
パーティ戦演習の時に一緒だった、マキという女をメンバーにしたい、との事だ。
「マキって、アルスタやミーコと一緒にいる、人間の女よね。あれ、胸が大きくないんじゃない?フェザーの好みって最優先が胸の大きさじゃなかったっけ?」
エアイーダが、さらに落ち込んでいくが、フェザーは気にも留めない。
「あの女は、武闘家のくせに重力魔法が使えるんだ。それを敵に使うと、矢の威力や命中率が爆上がりする。あんな便利な女はいないぜ。どうせ人間の冒険者、20年ほどで使い物にならなくなる。ちょっとだけ辛抱だ。それで作戦だ。」
次の実習、模擬ダンジョンは5人パーティーなのに、やつらは一人足りない。
やつらが困っているときに俺がやつらのパーティーに参加する。
等これからやる作戦を話した。
模擬ダンジョンに私たちのパーティーが出発する日になった。
ダンジョン実習は森の奥にある、2階層のダンジョンに入り、最奥の泉の水を汲んで持ち帰り、冒険者ギルドに届けて完了となる。そして攻略レポートを提出したら卒業だ。
演習期間は1週間。
今回の実習は訓練生だけで、同行してくれるベテランはいない。
開始日にメンバーそろって、冒険者ギルドに集合した。
ギルドの掲示板に、訓練用クエストの貼紙をとり、受付に提出。
受注の手続きをすませる。
受注すると、ダンジョンまでの地図と、訓練生用の石化の護符をもらい、達成条件、注意事項を聞き、今回は訓練なので失敗して命が危険になったら石化の護符を使うと石になりとりあえず、死なない状態になるので、試験期間終了後訓練場の教官が助けに来てくれる事を教えてもらえた。
これで死ぬ事はないのね。
この基本手順を理解していることも、試験の合否に関係する。
手続きは問題なくこなせ、出発した。
街をでて、森に入る。
魔物が出ても、フェザーが弓矢で攻撃してくれて、私を助けてくれた。
意識してくれてるのかな。
大切にしてもらって、うれしい気分になる。
夕方には目標のダンジョンの入り口まで到着した。
今日はダンジョンに入らずに、ここで野営することにした。
私たちが、キャンプを設営していると、後から来たパーティが「お先に」と言ってそのままダンジョンに入っていった。
競争でもないのに、せっかちさんがいるもんだ。
設営が完了し、初日のレポートを作成しながら、見張りの順番を決めて、順番に就寝した。
最初の見張りは、私とフェザーだ。
見張りをしながらいろいろな話をした。
フェザーは冒険者になったら、旅をして、暮らしやすい森を見つけて、暮らせるようにするのが夢らしい。その旅の途中でお金をがっつり稼ぎたいそうだ。
私がレインボードラゴンを追って、魔法を解析したいという事を聞いて、そんな危険な事はやめておけと、親身に心配してくれた。
そして、エルフに伝わるお守りのペンダントをくれた。
私の旅に幸運が訪れるお守りだそうだ。
やさしい人なのかもしれない。
こうやって、じっくり見るとかなりの男前だ。
いろいろ話していると、見張りの交代のミーコとカトー君がやってきた。
フェザーは挨拶もそこそこに、寝床に向かった。
私以外とコミュニケーションとりにくいのかな?
苦手な部分は、私が助けてあげなくっちゃ。
朝になった、今日からダンジョンだ。
全員装備を確認して出発する。
カトー君を先頭になって、罠の回避、敵の察知しながら進む。
後ろからの攻撃に備えてアルスタが最後尾を行く。
ミーコがマッピング。
トラップ解除している時のカトー君の集中力が分散するので
私とフェザーでカトー君のサポートだ。
進んでいくと、曲がり角に石化された人があった。
昨日、先にダンジョンに入ったパーティの5人だ。
曲がった先で何か燃えているような光が射している。
曲がり角の先に何かいる!?
カトー君が前を警戒しながらアルスタの所まで、下がってきた。
「そこの曲がり角の踏み跡が気になる。ミーコ、閃光魔法を頼む。
アルスタは左からの奇襲に備えて、ガードしてくれ。俺は右に突っ込む。
マキさんとフェザーはアルスタの動きを見て、敵の位置を判断して突入。
みんなサングラスか遮光器準備してね。」
ミーコが手で合図してタイミングを伝えながら、詠唱を始めた。
我が主神、サドミスト。我が前に立ちはだかる、性悪で悪辣な下種がたくらみを明らかにし給えへ! グレアリング!
閃光魔法を放った。
突入していく、カトー君とアルスタ。
アルスタが左の方に突っ込んでいく、踏み跡を細工して、右カーブに見えるようになっているが、見えにくいながらも通路になっていた。
奥には明るさに目を押さえたゴブリンたちがいる。
正面から戦えば負けるわけのない魔物だ。
ゴブリンたちを倒し、状況を確認した。
ゴブリンは床の踏み跡を細工して、T字路をまるで右直角カーブに見えるように細工して、 右に曲がった先に明かりをつけて、注意をそちらに向いた冒険者を背後から襲っていたのだろう。
昨日追い抜いて行ったメンバーは先を急いだために気付かなかったんだろう。
油断は命取りという事か。
私たちは戦いを重ねながらダンジョンを進み、いよいよ最奥の泉まで来た。
泉の周りにはおびただしい石像があった。
通常、ほとんど合格する実習で、異常な事が起きているのは明らかだ。
何が起きているのか。。。
ダンジョン内には水の滴る音だけが響いている。




