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望郷  作者: 白山月
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プロローグ

ペルーダだ!


マキはアルスタに伝えた。


押し殺した私の声に、5人が立ち止まり身構えた。

ヘビのような頭と尾をもつが、胴体は丸く緑色の長い毛の巨大な魔物が、目の前にいる。


本当に一匹?私騙されてる?、、、怪しい。。。


私の疑問を発する前に、アルスタが声を抑えて指示をだす。

毒針と炎のブレスが飛んでくるが、突進にも注意だ!

ミーコは僧侶魔法で炎のブレスの防壁を頼む

アクアの水魔法で勝負する。

アクアは側面に回り込んで、とどめをさせるクラスの魔法詠唱開始。

僕とカトーで、ペルーダの注意を引き付ける。

マキはアクアの周囲に重力魔法を展開してペルーダがアクアに突進するスピードを下げて、詠唱が終わるまでに時間をかせいでくれ。

ミーコの防壁魔法が展開に合わせて突撃だ。


「わっかりました~」メガミはホンワカした声で返事をした。


アルスタの指示に全員が顔を見合わせうなずき、ミーコの急に険しい表情に変わり詠唱が始める。


「我が主神、サドミスト。何の供物も持たず、神の奇跡を求める哀れな下僕たちを、紅蓮の炎から守り給えへ! ファイヤーシールド!」


ペルーダの周りに防御魔法が展開されるのに合わせて、


アルスタとカトーがペルーダの正面から突撃。

猛烈な炎のブレスは、防御魔法がせき止める。

防御魔法を突破してくる毒針は、アレスタの盾で防ぎ、その背後にカトーも隠れている。


毒針攻撃の隙をついて、カトーは風攻撃魔法のウィンドカッターを叩き込み、ペルーダの注意を自分たちに向け続けた。


私たち3人、アクア・マキ・ミーコは、物陰に隠れて観察している。


メガミが状況確認して、通常のホンワカモードで

「カトーさんがアルスタの陰に隠れて、こそこそ攻撃に、ペルーダはぶちきれてますねぇ。私たちも行きましょう」


私たち3人は、物陰を通り側面に駆けていく。

ある程度回り込むと、一匹と思っていたペルーダの後ろに、もう一匹小さいペルーダがいるのが見えた。

「どうする?撤退?」

「だいじょーぶ、まだ気づいていないし、なんとかなりますよ~、マキちゃんの魔法で、、毒針も突進も時間稼げるし~レッツゴー!」ミーコはのんきに言った。


私たちはペルーダの側面にある岩の上に到着した。前のペルーダと、アルスタとカトーがやりあっている。

後ろの小さなペルーダは3人のほうを、じーっと見ている。


目が合った!


小さなペルーダが私たちのほうに向かって駆け始めた。

「グラビトン3」マキは小さなペルーダの周りに重力3倍の魔法を展開した。


小さなペルーダの歩様は徐々に遅くなり止まりそうなゆっくり歩みになり、打ち出す毒針も3人のはるか手前に落下した。


それでも、歩みをとめない、小さなペルーダが徐々に近づいてくる。

そして、大きく息を吸い込み赤く輝き始めた。

「ブレスが来る!」


私の重力魔法では防ぎきれない。

アクアの水魔法で障壁を・・・いや、詠唱中だ!


「ミーコなんか手はある?」


「ファイヤーシールドしかないなぁ~、1個しか出せないから、アルスタたちの切れちゃうけど。」

それは、まずい!まずすぎる!!


どうする!?

小さなペルーダがブレスを吐いた。


「グラビトン5」私の最高の魔法だ。


ブレスは地面すれすれまでさがるが、ブレスは止まらない。


その様子を見たミーコ は笑みをたたえた。

「しょーがないわね、苦難を乗り越えてこその男の子」

「ファイヤーシールド!」


目の前にファイヤシールドが展開した。

同時に、アルスタとカトーの目の前のファイヤシールドが、かき消えた。


「え!?」二人は狼狽したが、容赦なくペルーダは突進してくる。

突進を回避するために分かれた、カトーのほうをペルーダは執拗に追いかけ、

とうとう、小さいペルーダに挟まれた。


アクア早く・・・・


ペルーダがブレスを放った。

「ウィンドウォール!」カトーの風の防壁を作り出す魔法で、ブレスはある程度顕現しても、防ぎぎれずにカトーの目の前に迫っている。


「アイスバリスタ!」アクアの声が響き、巨大な氷塊がペルーダ達に命中し、2匹のペルーダをしとめた。


「よかった~ギリギリセーフだったね、カトーさん大丈夫~」

ミーコが声をかけてくれている。


返事がない・動かない・反応がない・・・・


ゾクッ!


血の気がひいた。

カトーの元に駆け寄ると、ひどいやけどを負っていた。

「カトー君カトウ君!!!焦げてる!ミーコ!早く!!!」

「あらら~カトー黒焦げね!でもまだ生きてるから安心して、落ち着いて、ちょっと待ってね~」

ミーコの表情が変わり詠唱を始めた!


「我が主神、サドミスト。炎に対する装備も持たず、炎を操る魔物の前に身をさらし、仲間の支援まで耐えられずに、やられてしまう、こんなに情けなくて、こんなに愚か男に、癒しの奇跡を与え給え!デラックスヒール!」 


一同顔を見合わせた。

原因あんたやのに、そんな詠唱・・・


とにかく、討伐完了だ。街に帰ろう。

私たちはギルドへの報告を済ませ、祝勝会に酒場に向かった。


「かんぱーい!今日はみんなお疲れ様!」


概ね、みんな笑顔だ。カトーを除いて、、、

ミーコは満面の笑顔でカトーに話しかけた。

「カトー、今日はごめんね~、ペルーダが2匹いるなんて、思いもしなかった!

しょうがない!臨機応変!今日あの状況で生き残ったカトーは凄い!

アクアの魔法が絶対の勝利条件だから、わかるでしょ~」


謝るふりをしながら、勝利条件に話をスリ変えた!


カトーの表情が変わるはずもない。

「みんな無事だったからいいんだけどさー」

カトーくん、あれを、みんな無事って言っていいの?

君、話しスリ替えられてるよ。


カトーはつづけた。

「あの回復魔法の詠唱はないんじゃないかなぁ、、、へこむんだよ。」


そこ!?

そこが気になってたところ?


「詠唱ね~、私の魔法の詠唱って、難しいわよ~。

まず、神様にお願いしたことを心の中で、祈るの。

それが、魔法理論で言葉に変換されるの。

その変換された結果が、私が憑依されて詠唱になって魔法が発動するわけ~

こういう流れは理解してね。

だから心の中で、こう念じているの~


・カトーの命を救ってください。

・カトーの身体機関を回復させてください

・カトーの運動能力も忘れず戻してください

・カトーが今夜の飲み会(私はノンアルコールだけど)の支払をしてくれますように。

って感じ~

私の思いはわかってほしいわ~


思わず笑ってしまった。

「最後の飲み代って何ー!面白すぎー」


ミーコは自信満々な顔をした。

「サドミスト神は満願成就の神で、気持ちが上がるような願いを混ぜてるほうが、祈りの効果が上がるの。

今だって、普通の酒場でなくて、ノンアルコールが充実している店になってるでしょ。すごいでしょ~♪

サドミスト神に感謝をささげます。

おねーさん、ストロベリーエレキサワーお代わり!」


カトーを見ると、笑っている。


もう、機嫌治った!?

あれで???

ちょろい・・・・

これでいいなら、ちょろすぎるよ、カトー君。

マキは、安心したような残念なような気持になった。


楽しい宴が進んでいった。


アクアが唐突にネタフリをした。

「みんななんで、レインボードラゴンを追ってるんですか?

私は、魔法の追及でレインボードラゴンの転送魔法を手に入れるのが目的ですが、みんなの旅の目的ってなんですか?」


アルスタは天井を見つめ考えている。

「このメンバーって、訓練場の同期で、レインボードラゴンを狙っている事で結成したパーティーだから、みんなバラバラなんだ。カトーはなんでレインボードラゴンを狙ってる?」

カトー君は、即答した。

「俺の使命は、マキさんを守る事です。マキさんがレインボードラゴンを目指なら、ついていきます。」


これ、私が説明しなくちゃいけないパターンだ・・・


「私がレインボードラゴンを狙う理由は、みんなには信じられないような話で、長くなるわよ。」


異世界って知ってる?


長い話がはじまった。 。。。



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