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2話

パンパンッと手を叩く音が響いた。


そちらを向くと、眼鏡をかけたオールバックの男性がいた。



「皆様、ようこそいらっしゃいました。

私は人間の国“アリスフィールド”の宰相をしておりますクラウス・トラウリーと申します。

私どもは、魔王を倒す為に勇者を召喚する必要があり、皆様に来ていただきました。」



そう話すクラウスの目は冷めている。腹の底で何を考えているのかはわからない。

慎重に行動する必要がある、とすみれは思った。


すみれが考えをまとめている間にも、クラウスの話は続いていた。


曰く、この世界には人間の国“アリスフィールド”と魔族の国“フレイオール”があるらしい。


二つの国は昔から対立しており、戦争が絶えなかった。

けれど千年前、両国が疲弊して国として立ち行かなくなった事を切っ掛けに条約を結んだ。

その内容は、100年毎に両国が戦士を派遣して戦い、その場以外での戦闘行為と非戦闘民への攻撃を禁じるというものであった。


100年毎の戦争期間は一年間であり、それは来年に迫っているらしい。

人間は魔族ほど身体能力も魔法能力も高くない為、特別な力を与えられる“召喚者”を三十人参加させると言う。

それが、すみれ達だ。


要するに、戦争の傭兵にする為に三十人の無関係な人間を呼んだという事だ。

そして、たまたま三十人が高校の同級生であった、という偶然。


(いや、そんな偶然あるかな…)


すみれがそこまで思考した時、クラウスが再び手を叩いた。


「それでは、これから勇者様がたは国王陛下に謁見していただきます。こちらの者が案内致しますので、遅れずについていくようにお願いします。」


そこそこイケメンな金髪の騎士を手で指し示すと、クラウスはサッサと扉から出て行った。


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