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孤独詩

作者: タマネギ

危ないのに使わないと

企業は儲けられない。

儲けないと勝ち残れない

やがて国が立ち行かない。


立ち行かなければ、

人間が暮らせないという。

快適な住まいも廃れて、

忽ち滅びる。


原子力に頼るしか

もう道筋はないのかと、

どことなく、誰となく、

口にして、考える。


詳しい専門家でもなく、

人気の政治家でもなく、

一般の普通の暮らしを

している人々が言う。


怖い、怖い、必要かしら。

電気は使わせてもらって

いるけれど、後で大変な

ことになるんでしょう。


大方の感覚ではないか。

消費者には何が良くて

何が悪いのかなど、

知られるはずもなく。


大昔の暮らし方で、

いいんじゃないかと

時々、雲が膨らんでくる。

子供みたいと苦笑い。


生きてゆくことは

そんなに甘くはないか。

それはそうである、

それはそうでもない。


子供みたいに考える。

そのほうが理に適いそう。

きっと適っている。

自然を膨らます子供がいい。


原子力のことから

今日は話し始めた。

他にも危なっかしいことは、

数え切れないほどある。


汎アメリカ主義が弱まり、

根深い争いへと突き進む。

罪なき多くの人々が、

悲運に晒される第三惑星。


傍らの恵まれない心身を

思いやれぬままに、

弱まるコオロギの音に縋る。

孤独な詩を繰り広げる。


日本に住んでいられて、

仕事にも恵まれて、

あなたのことを考えて、

もう一度と、逢いたがれる。


ああ、なんと多くの幸運。

ああ、なんと果てなき夢。

国を守り通した祖先、

懐かしくさせる山河に感謝。


放射能の恐ろしさを、

天秤の重りにする。

武器にした愚かさを、

諭せぬ詩に溜める。


第三惑星の表面なら

出逢えるかもしれない。

出逢えたら子供みたいに

走り出せますように。


それから、これから、

何に、どこに、向かう。

危なっかしいことが

この心にも生まそう。

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