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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

リア充爆発しろ!

作者: 兎猫まさあき

 12月24日、そして25日。それは世間が『クリスマス』と呼ぶ時期である。

 クリスマスでは、沢山のカップルで賑わい、溢れている。

 そんな中で一人の少年が自室でパソコンを使ってネットに触れていた。

 ネットでは非リア民という、カップルになれず一人の民で溢れ返っていた。

 彼もその一人。彼女が出来ず寂しくクリスマスを過ごすこととなった。

 そうして、ネットで彷徨っている彼はある事を思いつく。


 ──そうだ、リア充を爆発(物理)しよう。


 彼はリア充──カップルが憎くて仕方が無かった。

 彼の名前は陰太(いんた)。高校1年の16歳である。

 陰太は、陰キャと呼ばれる対外的に人との関わりを苦手とする部類に分類される人間の一人であり、高校ではその代表格として陽キャと呼ばれる陰キャとは対照的に人との関わりを得意とする部類の男子学生たちにイジられている。

 そうしてついたあだ名は『陰キャ代表・陰太』。そのあだ名のせいで男子にイジられるだけではなく、女子から忌避されるようになってしまった。

 陽キャは敵。彼の中ではその感覚が根付いてしまっていた。

 そんな彼には唯一の仲間たちがいる。

 陰太はネット上で『インモンスター』という名前で活動しており、その中でISGというグループで神的存在として扱われている。ISGはインモンスター・スペシャル・グループという意味で、要するに陰太を特別扱いするグループであった。

 その中では陰太は色んな人々からチヤホヤされ、特別な存在として確立していた。

 彼にとってそこは天国的な場所であった。

 しかし、彼にも彼女が欲しかったという気持ちがあった。しかし、その気持ちはどんどん悪いわだかまりとなり、最悪な結果を招くこととなってしまう。


 ──行動はクリスマス。12月25日に起こそう。クリスマスを苦しみマスにしてやる。


 そうして彼は行動するための準備を進めて行く。

 舞台となるのはリア充の聖地・東京スカイツリーである。

 そこの展望デッキに爆弾を仕掛け、夜の夜景がきれいに映る19時30分に爆破する。予告なんてしたら止められかねない。

 だから、これは"隠し"で行う。

 そうして、彼は爆弾の確保と場所を確定をし、実行までの日を待つ。

 冬休みに入り、彼はクリスマスまでの日を待ちきれず、ついISGでその計画を漏らしてしまった。

 その時点では特に何か起こったわけではないが、止める声は多かった。皆が皆、賛同してくれると思っていた陰太は衝撃を隠しきれなかった。


 ──ふん、アイツらも陽キャの仲間だったんだ。あいつらなんか知らない


 陰太はそう思い、計画した日を迎え、東京スカイツリーまで足を運ぶ。

 展望デッキまではリュックサックの中に爆弾を隠し、展望デッキの分かりにくいところに爆弾を設置する。その数20。

 どれも一見して爆弾だとは思えない設置場所で、陰太の才能が垣間見える。

 そして、陰太は帰る。爆弾は夜の19時30分に爆発する設定になっている。

 きっとニュースで報道されるだろうから──。そう思いながら帰宅した陰太は眠気に襲われ、自室で眠りにつく。

 陰太は夢を見た。東京スカイツリーが大爆発して、沢山のリア充が散! する光景であった。その光景を見て陰太は満足していた。

 目が覚めると、周りはいつも通り。陰太はパソコンを起動して、真っ先にニュースサイトへアクセスした。

 そこのトップには東京スカイツリーのニュースがあった。陰太はにやにやとしながらそのニュースを開くと、そこには目を疑う内容が掲載されていた。

 【お手柄!】爆弾魔のスカイツリー爆破計画を阻止! 爆弾処理班の男性、ステルス爆弾を解除。


 ──は? どういうことだ……? 爆弾処理班がスカイツリーの爆弾を解除した……?


 愕然とする陰太。その元へ警察がやってくる。

 陰太はあえなく警察の御用となってしまった。


 陰太が後から聞いた話では、ISGに若い爆弾処理班隊員がいたのだそうだ。それで、陰太がふと漏らしてしまった爆弾設置の言葉に隊員が当日一人で急行したそうだ。不審な動きをしていた陰太の設置した爆弾を彼は一人で解除していったのだという──。


 のちに、この爆弾処理班の隊員は若いながらに勇気のある行動をしたとして警察庁より表彰を受けたのであった──。


       ☆☆☆ ★★★ ☆☆☆


 Happy Merry Cristmas! And, Happy new year!


 メリークリスマス! よい年を迎えてください!

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