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土地が残ってた理由と弟子

転移スポットに置かれた大量の電子機器類を見て目を回した。

「鎖止島さん……さすがにこれは」「なんだ、はこべねぇってか」「うん。さすがに無理だよ」「まぁ小分けなりってかその転移物もできるなら運搬車居るか?こっちでやったら俺が捕まえてやるけど向こうなら大丈夫だろ」「いいんですか?」「いいさ。にしてもなー、向こうって電気とか無いんだろ?使えるのか」「ちょっと待ってね。ヴェートル」『YESマスター。最適解はYES。空気中にはこちら側で言う電気の70パーセントが常に停滞しています。ですが向こうの電子は停滞状態を維持する為に動かないので流れないのです。その為の変換装置を作れば簡単に売れます』「えっとですね、向こうは電気あって、使えるぽいです」「?。まぁいいか。なら次は運搬車持ってくるわー。こう見えて大型免許あるんだぞ」謎自慢をして鎖止島は帰っていった。

「ヴェートル、1回の運搬量は?」『マスター。生物でなければ6トンは容易です』「どうする?向こうに拠点作ってから運ぶか無計画だけどもう運ぶか」『マスター。最適解は向こうでこれらを管理する土地を手に入れるです』「なぁー、俺らを閉じ込めたあの国って落としたら国土貰えたりするのか?」『マスター。前回私のマザーは三国を落とし合計領土の6割を受け取りました。その土地の名義がマザーならまだ残っているはずです。仮に無くてもマザーを知るものが居れば話を付けやすいです』「ならそっち路線にかけるか。【並行移動】」『起動ワード確認。システム起動』

森林、湖、小さな小屋。ルベシュデの一説の実在を認める程の物だった。

「これは……なんという美しさ」『YESマスター。かの有名な詩人ルベシュデの遺した詩はマザーの心を支えていた柱です』「これは確か九節の''人々に必要なのは沢山の木々に囲まれた湖のある最低限の生活を小屋だけだ。その限られた中に美が眠り、また人としての生きる意味が存在している''だろ?」『YESマスター。ルベシュデは世の中に名を残せず死んでしまいましたが、マスターのように覚えている方がいるのは嬉しきことです』「先生の受け売りだよ、色んなことを俺らに伝えてくれた……」『マスター』「まぁ気にすんなヴェー」『マスター左に飛翔』「敵か?!」ヴェートルの指示で左上に飛び上がるより早く衝撃波に押し潰された。

「じゅ、重力か……」『マスター。最適解は威圧です』

「師匠の森に勝手に来るなんて許さない、殺す!」

大きな斧を持ったリザードマン、いやここではリザードウーマンか?眼に紅い闘志を募らせながら突進をしてくる。

『マスター。戦闘用に切りかえます』「おーけー!」

素っ気ない冒険服の上に強固な鎧が被さる。

「ころすぅ!!!!」「うぉぉ!!」斧を振り回す少女と逃げ回るヴェートル。

「ヴェートル!なにかいい作は!」『マスター。最適解は第6節です』「了解!それで?この鎧って何発耐えれる?」『6発は有です』「きけ!そこの斧やろう!」「うりゃァァ!!!!」立ち止まったヴェートルの頭に一撃がめり込む。「いいから聞け!」「そんな、私の技をちょくで受けて」「神は私を見捨てた。私は神に棄てられた故、精霊の篭もる場所で暮らすしか生きる術はないだろう。わかるか?」「な、な、な、なんで!!なんで怪しい男がそれを!まさか師匠の……」喜んだと思ったら項垂れ始める。『マスター。彼女はマザーの愛弟子、ラブリュスです。命名はマザー』「そんなに愛してたのか。名前にラブを入れるなんて」『いえ、意味は両刃斧です』「まんまかよ!」「くんくん……師匠の匂い?」「あ、そのなんだ」「師匠さま、私を捨てて男と一緒に?!うわぁーん」『マスター。女の子を泣かせるなんて罪ですね』「いや、僕は悪くねーよ……ってかその大丈夫か?まぁ何だ経緯は話すから落ち着いてくれ」「やっぱ私は捨てられたんだうぅ……」「まぁ落ち着け。ヴェートル、説明を委託する」『了解しました。言語機能システムヴェートルより起動します』「ラブリュスさんですね?僕はマザー、いえ師匠の弟子です。ここの土地に来たのはとある稼ぎを師匠に頼まれたからです」「ぐす……ホントなの?」「えぇ、訳あって師匠は」「知ってるよ……国の命令って行っちゃった」「残酷なことをいいます。師匠は死にました」『ヴェートル!おまえ!』「?!」「ですが死ぬ前に色々残しました。僕の体は師匠により命を長らえてます。つまり機械人形。故に師匠からの音声データも記録されています」「師匠が死んだ……師匠が」「これより流します」『ラブリュス、私は死ぬことを予期してこれを残すよ。君が私を神聖視してたのは知ってる、だから死を受け入れれないだろう。だけど受け入れて欲しい。そうしなければ私は安心してルハベナートに行けない』

「わかった……師匠」「僕がしっかりしていれば救えました。ごめんなさい」「いや、師匠の事は割り切るよ。私こそ襲ってごめんね」

ラブリュスはケロッと切り替わった。

『ヴェートルシステムオフ』「そんなすぐ戻れるのか?」『YESマスター』「いやー、で?師匠の残した仕事はなんなの?」「あ、あぁ……異界から持ち帰った物品の管理販売だな」「おっけー!それでここの土地が必要なのね」「おう、物分りが早いな」「賢いから!」「それで、改めてラブリュスでいいのか?」「うん!で?弟子2号はなんて言うの」「ひすいって呼んでくれ」「私のことはラブリュス姉さんとでも呼んでくれていいよ!」「なぜ?」「私の方が兄弟子だから」「なら兄じゃない?」「ラブリュス兄さんと呼んでくれ!」「馬鹿だなこいつ……」『YESマスター。ラブリュスはかなりのバカです。マザーが言ったことは絶対。それ以外は基本考え無しで動きます』「ダメじゃねぇーか……」

ラブリュスの同意を受け物品を運び込んだ。

「すごい!なにこれ!なにこれ!」扇風機を持ち上げて喜ぶラブリュス。「扇風機って言ってな?風を出せる機械だよ」「へー、ギアウィンドウとは違うの?」「ぎあういんどう?」「お前師匠の弟子なのに馬鹿だな!教えてやるよ」「お、おう」「師匠の作った風を出す魔法具だよ!ハンドルを回すとギアーが回転して涼しくなる!」「いや扇風機じゃん……しかも古いヤツ」「で?これどう使うんだ?ハンドルがないぞ!」「ちょっとまっとれ」『マスター、私に繋いでください。どこでも可能ですがおしりとかどうですか?』「腕にするわ!アホ!」手のひらに見慣れたふたつの穴が形成された。コンセントを接続してボタンを押した。

「ん?お、おぉ!!すごい!ハンドル要らないの?」「いらないよ」「これも師匠の発明?!」「違うよ。かなり昔からあったし」「ほかのも使える?」「あぁ、それは掃除機と言ってな、細かい汚れを風で吸い取るんだよ」「おぉ!聞いたことない道具だぞ!」「まぁーな、これはほら」近くの落ち葉を吸うとラブリュスが驚く。「おぉ、触っていい?」「うんいいぞ」ラブリュスが吸い込み口に手を当てる「ふぉぉ!なにこれ!すごい!どうなってるの!」「多分話しても理解できないぞ」

色々な道具を紹介してから師匠の部屋に向かう。ヴェートル曰くそこにならこちらの世界に漂う電気に似た力を使える様にする為の装置を作れると。

『マスター。あちらの機械人形に私は移ります。その間、貴方は1人で操作しなければなりませんが大丈夫ですか?』「あぁ、逆にお前こそそんな機能あったのか?」『あります貴方の能力【並行移動】を使えば難なく可能です。ですがその間ヴェートル本体の方の電力補給が不可能になります』「え?つまりヴェートルが作業してる間、僕は死にかけになるの?」『いえ、今の残量的に1ヶ月は持ちます。能力を使えば減りが早くなりますが』「ならそれで」『では、起動ワードをお願いします』「【並行移動】」『起動ワード確認。ヴェートルシステム移動』

ヴェートルのマザーが使っていた部屋にある機械人形3機が起動する。

「んん?多すぎないか?」「サブもシステムも使っています。全ての物に装置を付けるとなると人数が必要でしょう」「そういうことか!さすが」「では、我々3機は作業に移ります」

ヴェートルに場を任せラブリュスの所へ向かった。湖の畔に置かれたマルタの上で空を見上げていた。

「ひすい?どーしたんだ」「あー、ラブリュスこそ黄昏てどうしたんだ?」「師匠は私の言う事は絶対って言ってた……だから死んでも気にするなっていわれたら気にしない。でもどこか違う気がする……」「たまには逆らっていいんじゃないか?」「ダメ!師匠の言葉絶対」「''神を自ずと捨てた私は違う世界を見た。名前の付けれない気持ちと対話できた。だから疑問が消えた私は神に謝り再び拾われた''ってな。師匠の好きなルベシュデの一説にあるんだ」「師匠もそうしたの?」「かもな……だからラブリュスも1回してみたらいいじゃんか。100ぱー従うことだけが師匠の為になる訳でもないぞ」「わかった。だけどひすい!私が一番だから呼び捨てはなし!」「''同じ加護の下に順列などない''だから僕はそんなの気にしない!」「それは加護!師弟関係にそんなのは無い!」「よーし、ならこうしようぜ。僕は今からこのお金を手の中に隠すからどっちに入れたか当てて見せてよ」「私を舐めてるの?そのくらい余裕よ」「僕が勝ったら呼び捨てで、ラブリュスが勝ったら姉さんを付けるでいいかな?」「いいよ!」「よーし!」コインを弾き空中で手の中に隠す。

「右か左か!」見かけでは右手、実際は左手に入っている。「左だね、私の目はごまかせないよ」と、ラブリュスの答えを聞いて能力を起動した。

「残念、右なんだなー」「え!なんで!私の目は絶対だよ」「何がだよ……」「なんせ私は【確実な目(トルベッティラ )】を使えるのよ」「なんだそのトルベッティラって」「師匠曰く全てを見る目って」「見れてないじゃんか」「だからおかしいのよ!」「実は僕って相手の力を打ち消す能力を持ってるんだ」「な、そんな力があったの」「ないわ、とりあえず僕の勝ちだから」「わかったよひすい」「まぁいいじゃんラブリュスだって似た歳から姉呼びとか嫌だろ?」「え?私1000歳超えてるよ?もしかしてひすいはハイエルフ?」「へ?」「私って師匠より歳上だよ!」「どう見ても15とかだろ……」「見てよ!このほら!」エッヘンと胸を張る。「あぁ、そこだけな」「なんだと!この!」

ラブリュスと馴れ合ってるとヴェートル1号、青色の機械人形がやってきた。

「マスター。弟子同士、愛を育んでるところ申し訳ございません。試作品が出来たので見てください」「お、できたか。まぁ100ぱー完成だろうけど何を見りゃいいんだ」「いえ。人はこうして幸せを得るとデータにありました。実験してみたかったのですが」「機械には分からない感情だよ」ヴェートルの持ってきた扇風機の電源を押すと起動した。

「おー、やっぱコンセントなしで行けるのか」「はい、これを売り出せば1儲けです」「すごい!ひすい流石!ってこの機械人形師匠の?」「あぁ、師匠の作ったシステムが僕の中にあるんだがそれを別枠として分離した感じだ。ヴェートルって呼んであげて」「よく分からないけどヴェートル!よろしくね!」「えぇ、簡単に言いますとマザー、いえ貴方の師匠と最も関わりの深い者です」「ヴェートルでしょー、ヴェートル……ヴェートル……あ!あの時の!」「忘れられている事は薄々知ってましたが。機械と言えどこの感情は分かります」「いやー!師匠しか覚えれなくて」「まぁなんやかんや僕もヴェートルに助けられたんだよ」「では、この形式で生産を開始します」「ヴェートル頼むよ」


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