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第二章 3

「一層はスライムがメインだね!行っくぞー!」


両手に一本ずつ日本刀を握りしめ、出会うスライムを一刀両断にしながら、リュートが無双していた。


手にした日本刀は、戦国時代の妖刀村正をモデルに生成したもので、片手で扱い易いように少し短めに拵えてあった。その刀の攻撃力はこの一層の魔物には相応しくなく、触れれば斬れるという言葉がピッタリだった。


リュートはこの一層で暴れ回り、二千を超えるスライムを討伐した結果、剣術スキルは剣士スキルへとアップし、熟練度は(5)に至った。


「よーし、順調!順調!」


次の第二層の魔物は角兎で、スライムと比較し、スピードはアップしたが、攻撃は角で突くか、蹴り上げるかの二つしかなく、攻略難度は第一層とあまり変わりはなかった。


リュートが手にしていたのは、真っ赤な金属製の槍で、某アニメのアイルランドの英雄が所持していたものとよく似ていた。


リュートの所持する魔槍と呼ばれる槍の前では、角兎の角など何の役にも立たず、リュートが通った後には屍の山を築かれていった。


やはり、二千数百羽の兎を狩ったリュートは、鎗術が槍術と変わり、槍術から槍士スキルへとアップし、熟練度は(4)となった。


第三層でのリュートの行動は、傍から見れば奇異に移っただろう。


「あーハッハッハッ!死ね死ね死んでしまえーーー!」


パラパラパラパラパラパラパラパラ!


ドイツのH&K社が開発したMP7とよく似たサブマシンガンを両手に一丁ずつ持ち、第三層の平原に湧くゴブリンを、警戒なサウンドを響かせながら片っ端から撃ち抜いていき、ほとんどのゴブリンが、自分に何が起こったのかも理解できずに魔石へと姿を変えていった。


この階層で、新たに生まれたリュートの銃術は銃士へと変わり、その熟練度は(1)にまでアップした。


そして、ようやくその長かった一日が終わり、魔石集めにかなりの労苦を割かれたルリとジェシカはクタクタになっていた。


状況から判断して、ダンジョン外にユニットハウスを出すより、第一層に出した方が安全だと判断したリュート達は、ユニットハウスを第一層に設置して、そのリビングダイニングルームで今日の反省会を行っていた。


「今日はみんな頑張ってくれたから、何でもリクエストに応えちゃうよ。さぁ、ドンと来い!」


「私は、何か疲れてしまったから、軽くで良い……でも甘いものは多めでお願いします。」


「わたちは、神ちゃまとおんなじ物だったら、何でも良い。何でも食べりゅ。」


白と黒には、一番のお気に入りの牛の赤もも肉のステーキと桃蜜水を出して上げると、ご機嫌でかぶりついていた。


ルリの前には親子丼と味噌汁、リュートとジェシカの前にはカツ丼が並び、ほうじ茶で一服したあと、ガラス製の大皿に山のように盛られたフルーツが出されて、今日の反省会となった。


「それでは、ルリ様宜しくお願いします。」


リュートの変なテンションで反省会が始まったが、その出鼻である精密鑑定の結果で驚愕の事実が明らかになった。


深海龍人(ふかみりゅうと)

リュート

人種 迷い人

称号 白と黒の父

ジェシカの神

マヨルカの恩人

年齢 ???

職業 生成師

熟練度 3クラス

1レベル

体力 70

魔力 171

所持スキル

生成Ⅲ(1) 採集(10) 育児(10) 鑑定(10)

酪農(5) 狩猟(7) 釣り(3) 馴致(1)

天文(1) 薬学(8) 医術(6) 戦略(8)

言語理解(10) 剣術(5) 槍術(4) 銃士(1)

所持魔法

なし


「……へっ?」


体力と魔力はほとんど上がっていなかった。僅かには上がっているが、これは生成師のレベルが上がっているので、それに伴うものと考えられた。


「これっておかしいだろ!レベル上げ始める前と今を比較したら、明らかに身体は軽くなってるし、力も強くなってる。それでいて、この数字は意味不明だろ!」


「それを私に言われても……」


両肩を押さえつけてくるリュートに困ったように応えるルリが、やっとのことで言葉を返すと、横からジェシカのアシストが入った。


「神ちゃま、体力と魔力は職業に依存するかもでちゅ。わたちは、ホントに数えきれにゃいくらいたくちゃんの魔物や敵を屠ってきたでちゅ。でも、魔力が高いと言われてりゅ魔物を倒しても倒しても、魔力はジェロのままでちゅ。それと同じかもでちゅ。」

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